あなたはオンラインコースを作り始めようとしているが、「本当に需要はあるのか?」と不安を感じている講師や個人事業主ではありませんか?大量の時間と労力をかけてコースを完成させたのに、思うように売れなかった経験はありませんか?ここではそんな悩みを解決する「プリセル(先行販売)」という手法を紹介します。プリセルを活用することで、オンラインコースの成功確率を大幅に高められるはずです。
オンラインコースの作成は、準備から完成まで膨大な時間とエネルギーを必要とします。しかし多くの場合、その労力に見合う収益が得られるかどうかは完成後にしか分かりません。これはビジネスとしては非常にリスクの高い手法といえます。プリセルという方法を使えば、先に「お試し販売」して反応を見ることができるため、大きく方向性を間違えるリスクを減らすことができます。需要を確認してから本格的に制作に取り組めば、失敗する可能性を大幅に下げられるのです。
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オンラインコースのプリセルとは?
プリセルとは、完成前のコースを一部のコンテンツまたは概要だけ用意して先に売り出す手法です。日本語では「先行販売」とも呼ばれますが、コースの本編がまだ未完成の状態でアイデアだけを販売する手法です。英語圏ではプリセルを行って、そのコースの需要を事前に把握するという方法がよく使われています。
プリセルの最大の利点は、もし先行販売が思うように進まなかった場合でも、膨大な制作コストをかける前に軌道修正できることにあります。コース作成に数か月を費やした後で「需要がなかった」と気づくよりも、はるかに効率的なアプローチといえるでしょう。プリセルには、本格的な制作前に市場の反応を確かめられるという大きなメリットがあります。
実は僕自身も昔、お客さんとしてプリセルの商品をいくつか買ったことがあります。その中の1つにJumpcutの「Viral Editing Masterclass」というコースがありました。これはSNSなどでバズる動画の編集方法を教えるコースです。400ドルくらいしました。プリセルで購入しましたが、結果的にJumpcut側でコースをリリースしないことになりました。そのため、後になって返金してもらいました。このようにプリセルは英語圏では、テストマーケティングとしてたびたび使われています。
なぜプリセルをやるのか?プリセルのメリット
プリセルには多くのメリットがありますが、中でも特に重要な点をいくつか紹介します。まず最も大きなメリットは「需要の検証」ができることです。お金を払ってくれる受講者が本当にいるかを事前に確かめられるため、もし反応が薄ければ企画自体を変更したり、ターゲットをズラすなどの調整が可能になります。完成後に大失敗するより遥かにリスクが低いと言えるでしょう。
次に「先行資金確保」というメリットもあります。プリセルで得た仮売上を使ってコースの品質を改善できるのです。例えば良いカメラやマイクの購入、編集ソフトの導入などに活用できます。これによりコースの品質を高められるため、最終的な満足度向上にもつながります。
さらに「フィードバックを得られる」という点も見逃せません。最小限のコンテンツでも受講者のリアクションを把握できるため、「ここはもっと詳しく聞きたい」「この順番が分かりやすい」などの声を本編制作に反映できます。受講者の意見が設計段階で手に入るため、仕上がりの完成度が自然と高まるのです。
最後に「締め切りを設けられる」というメリットも重要です。先行購入者が待っているという状況が生まれるため、逃げ道がなくなります。結果としてスケジュールを守る意識が高まり、制作のモチベーション維持にも大きく貢献します。締め切りの存在は、多くのクリエイターにとって作品完成の強力な推進力になるはずです。
石崎のプリセルの実例:7 days eBook
ここで、僕の体験談を紹介します。かつて「7 days eBook」というKindle出版の方法に関するオンラインコースを、プリセルの形で売り出した経験があります。このコースは「Kindle本の出版方法を学びたい人向け」という大テーマで設計しました。Kindle出版自体はニーズが高いものの、競合情報も多い領域でした。
プリセルを決定した理由は、本格的に全レクチャーを撮る前に、どのぐらい需要があるか把握したかったからです。事前に「7日でKindle出版を完了させるロードマップ」を作りました。僕はサクセスパスと呼んでいるのですが、これがほぼそのまま商品のカリキュラムになります。それをメルマガで配布しました。
メルマガ経由でサクセスパスが欲しいという反応をたくさんもらいました。そのため「これはいけるかもしれない」と考えて、7 days eBookをメルマガでプリセルしました。メルマガだけでなく簡単なライブウェビナーもやりました。結果は想像以上に良好で、プリセルで想定以上の購入がありました。
重要なポイントとして、「7 days」という区切りとKindle出版への需要が合わさったことで、「すぐに結果を出したい人」へ強くアピールできました。もしプリセルで反応が悪ければ、表現や対象読者を変えたり、別のテーマへ転換することも考えられたので、大きなリスクを負わずに済んだと思います。
まとめ:プリセルで失敗リスクを減らしコース制作を効率化する
ここまでオンラインコースのプリセル(先行販売)の意義とメリットについてお伝えしてきました。最後に要点を4つにまとめました。
- プリセルとは完成前のコースを一部のコンテンツや概要だけで先に売り出す手法で、需要を確認してから本格制作することで失敗リスクを大幅に減らせる。
- プリセルの主なメリットは「需要の検証」「先行資金確保」「フィードバックの獲得」「締め切りの設定」の4つである。
- プリセルの形式は「仮アウトライン+セールスページ」や「一部動画の先行公開」など複数あり、本格的な制作前に市場の反応を確かめられる。