あなたは生徒さんにオンラインで何かのノウハウを教えながら、これをなんとか動画にできないか?と考えているかもしれません。ここではそんなニーズに最適なオンラインコースについて説明します。日本ではオンラインコースという言葉が誤って解釈されていることが多いと感じます。ここからは英語圏で人気となっているオンラインコースについて、定義と特徴をお伝えしていきます。
パンデミックが起きて、日本でもようやく本格的にオンラインコースが注目を浴びました。ですがオンラインコース先進国である英語圏の知見は、まだまだ日本には取り入れられていません。僕はこのオンラインコース業界で10年以上のキャリアを積んできました。そこでこのキャリアを活かして、オンラインコースとは何で、日本ではどんな誤解を受けているのかを解説していこうと思います。
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オンラインコースとは何か?
コーチングやコンサルのセッションをオンラインコースに変える前に、オンラインコースとは何かをしっかりと再定義してみたいと思います。英語圏ではオンラインコースというものが一般の人たちに浸透しています。ですが、日本ではオンラインコースという概念がまだまだ浸透していません。そもそもそれを指し示す用語が統一されていません。オンライン講座、動画講座など用語にもバラツキがあります。
オンラインコースとは、特定のテーマを学べるように予め収録された動画や資料などのコンテンツをひとまとめにしたものです。リアルタイムで行われるセミナーなどではなく、内容を動画に撮っていつでも視聴できるようになっているものです。見る側は同期ではなく非同期に、自分の好きな時間にコンテンツを視聴できるようになっています。主に動画が多いですが、それに関連する資料やワークシートなども含まれることが多いです。
特徴1:非同期でもコンテンツを消費してもらえる
オンラインコースの特徴の1つに、お客さんの好きな時間に見てもらえるというのがあります。コーチやコンサルの場合には、基本的にお客さんとアポを取り、その上でリアルタイムでお客さんに何かを教えるという形だと思います。オンラインコースの場合には、あらかじめ用意しておいたコンテンツをお客さんが自由に見ることができます。
これは例えるならば映画に似ています。映画は映画館で見るならば、決まった上映時間の間にしか見ることができません。つまりリアルタイムでないといけません。ところがDVDやネット配信サービスがあれば、いつでも好きな時間に見ることができます。これをオンデマンドといいますが、お客さんの要求したタイミングでコンテンツを届けられることを意味しています。
つまりオンラインコースの場合には、非同期つまりあなたとの時間が合わない場合でも、お客さんの好きな時間にコンテンツを視聴することができます。配信する側、視聴する側の両方が時間を合わせる必要がないので両方にとってもメリットがあります。これがオンラインコースの大きな特徴です。
特徴2:中身が区切られていて消費しやすい
よく2時間のセミナーを動画に撮って、それをオンラインコースだと思っている人がいます。こういったケースは会場を借りてリアルの場でセミナーをやっていた方に多く見られます。ですが、僕から言わせるとオンラインコースはもっとユーザーに寄り添った細かなコンテンツの集まりです。チャプターなどもなくセミナーを2時間も見るのはかなり大変です。
そのためオンラインコースでは10分ごとの動画を20個載せて、1つのテーマを細かいコンテンツに分けるというようなことをします。例えば、電子書籍の作り方を解説するコースであれば「電子書籍出版に基礎を知りましょう」「電子書籍のタイトルを方法」「電子書籍の中身を書く方法」「執筆した原稿を電子書籍ファイルに変換する方法」などと、細かなコンテンツに分かれているのが一般的です。
ちょうどこれはビジネス書に似ています。ビジネス書であれば、第1章から始まりその中にいくつかの節が含まれているという構造になっています。もしビジネス書に見出しや区切りがなく、本全体が1つの文章だったらどうでしょうか?何がどこに書いてあるのか分からないので、かなり読みにくいはずです。オンラインコースにも同じことが言えます。英語圏に存在するオンラインコースの多くは、このような章と節のような形に分かれています。そうすることで、よりコンテンツを消費しやすくなっています。
特徴3:受講人数に制限がない
オンラインコースはデジタルコンテンツのために受講人数の制限というものがありません。これも大きな特徴の1つです。通常のセミナーなどでは、参加できる人数は会場のサイズに影響を受けてしまいます。仮にオンラインセミナーなら場所の成約からは開放されますが、リアルタイム開催の場合には開催時刻による制限を受けてしまいます。そのため受講できる人は限られます。
オンラインコースの場合は、提供するのは動画やPDFといったデジタルコンテンツです。Netflixのように何人でも同時に視聴ができるので、受講できる人数に制限がありません。多くの人にあなたのサービスやコンテンツを届けられるという意味で、オンラインコースは優れています。つまりこれは、課金できるお客さんの人数に制限がないということでもあります。そのため、コーチやコンサルなどの労働集約型の人にとって、収入を大きく増やすチャンスになる可能性があります。
オンラインコースの事例:石崎力也のSubscribers!
では実際にオンラインコースの例を見てみましょう。僕のコースである「Subscribers!」を紹介します。Subscribers!は個人でサブスク型のデジタルコンテンツを作って、定期収入を狙うためのコースです。オンラインスクールを作るプラットフォームであるTeachableを使って、受講生が24時間自由に出入りして学習できるようになっています。
Subscribers!は全体が17個の章に分かれています。僕はこの章のことを英語圏にならってモジュール(Module)と呼んでいます。そしてこのモジュールの中に5個〜10個ほどの動画が含まれています。この細かい最小単位をレクチャーと呼んでいます。Subscribers!に収録されているレクチャーの数は179本です。
レクチャーのほとんどは動画コンテンツです。1本1本の動画は10分前後のものが多いです。ダラダラと長くなるとお客さんも見にくくなるので、なるべくコンパクトにまとめています。動画はスライドによる説明動画、パソコン画面の操作動画、ゲストとの対談動画など様々なバリエーションを使って飽きを防止しています。
またSubscribers!には、レクチャーと連動したワークシートも付いています。これは本編であるレクチャーの内容を補助する教材のようなものとして提供されます。ワークシートではレクチャーの内容を実際に手を動かして実践できるようにしています。僕らはお客さんが書き込みやすいようにGoogle Docsで作って配布しています。
どうでしょうか?オンラインコースのイメージが少し掴めたでしょうか。オンラインコースでは、お客さんの自己学習が中心となります。そのためお客さんが1人でも飽きずに視聴でき、実践して成果が出せるように工夫することが求められます。そのためオンラインコースは多くの工夫をこらして作成されています。
まとめ:オンラインコースはお客さんが好きに視聴できるコンテンツ
ここまでオンラインコースの定義や特徴について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- オンラインコースとは、特定のテーマに沿って予め収録された動画や資料などのデジタルコンテンツとしてひとまとめにしたものである。
- オンラインコースはデジタルコンテンツのため、お客さんのタイミングで好きに視聴してもらえる。
- オンラインコースの中身は本でいうところの章や節のように区切られている。
- オンラインコースはデジタルコンテンツのため受講人数に制限がない。
- オンラインコースにはお客さんが自力で結果を出せるようにするため、様々な工夫が施されている。