どうもこんにちは、石崎力也です。
今日は、商品をもっとたくさん売るために見込み客を4つの観点からリサーチする方法についてお話しします。
リサーチを行うにあたって皆さんに持っておいて頂きたいのが、僕らが「ディテクティブ・マインドセット」と呼ぶものです。ディテクティブ、探偵ですね。探偵がすることを考えてみてください。彼らの仕事は、人や犯罪、状況等について、人知の及ぶ限り調べあげることです。彼らは、明白な事実から、複雑に入り組んだ細かな要素にまで、すべてのことに注意を払います。彼らにとっては、見落としてしまって良いことなどありません。
皆さんもまた探偵のように、見込み客について可能な限り調べることを、基本的な目標としてください。リサーチにあたっては、四つの情報を探すことです。その四つとは、予想外のインサイト、インサイダー・ランゲージ、苦痛要因、そして強い欲求です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
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要素1. 予想外のインサイト
まず探すべきは、予想外のインサイトです。普通の人々が特に考慮しない一般的な情報の中に、少し予想外だと感じられるものがありませんか?何か目立って、「これは予想外だった!」と言えるようなものがありませんか?
一つ例を挙げましょう。Jumpcutが最初に、独自のYouTubeチャンネルを開設して伸ばす方法を教えるコース、Viral Academyを作ったとき、皆お金を稼ぐためにYouTubeチャンネルを作りたがるだろうと考えていました。副収入を得る方法として、これを活用するだろうと。
ですが、続けていくうちに、YouTubeチャンネルを始める人々にとっての最大の動機は、お金ではないということが分かってきました。彼らの本当の目的は、情熱を注げるものに取り組むことでした。YouTubeに魅力を感じたのは、彼らの情熱を注ぐものが何であれ、それをYouTubeチャンネルに活かせたからです。人々が単にお金を稼ぐことよりも、情熱を注げるものに取り組むことに強い興味を持っていたという事実は、Jumpcutが得た予想外のインサイトだと彼らは言います。
僕らの場合は、OSB2.0という商品でこの予想外のインサイトを発見しました。多くの人はサブスクリプションの導入方法がわかればいいと、僕たちは推測していました。でも彼らが真に望んでいることは、独自決済によるサブスクの導入でした。つまり、campfireや、DMMなどのオンラインサロンに頼ることなく、自由な裁量でビジネスを展開したいという真の望みがありました。だから僕たちは手数料を取るプラットフォームを除外して、クリックファネルとStripe を使って自分たちで自由に作れるサブスクの導入方法を教えることにしました。予想外のインサイトは競合とあなたの差異を明確に浮かばせる明確に強みとなります。
要素2. インサイダー・ランゲージ
二つ目は、インサイダー・ランゲージです。これは、特定の人々の間だけで使われる単語や語句を指します。見込み客は皆、同じ見込み客同士で会話をするときの、特殊なコミュニケーション方法というのを持っています。
だからこそ、コピーストーキングをする時も、見込み客が使う言葉をそのままスプレッドシートに記録します。ネットビジネスでうまくいっていない人は、いつもライバルの言葉をパクったり、あるいは自分の言葉を使ってマーケティングマテリアルを作ります。例えば、僕がDeadline Funnelsという締め切りツールを日本に紹介した時、僕の言い回しを真似て「Deadline Funnelsは厳密に締め切りを管理するツールです」と言い出す人が出てきました。これは僕がブログやUdemyのコースの中で使っている言葉そのままです。こんな風に、ライバルの言い回しを真似てビジネスをしている人は見込み客のインサイダーランゲージを知ることなく自分よがりの言葉を利用することとなるため、遅かれ早かれ廃業する運命にあります。実際にインサイダーランゲージに注意を払わなかったせいで廃業している人を僕は知っています。
あなたは、こういった敗者の戦略を取らないでください。あなたは勝者です。勝者は見込み客の言葉をそのまま使います。インサイダーランゲージを使うのです。
あなたの見込み客は、お互いにどんな話し方をしていますか?インサイダー・ランゲージを探すときには、このパターンを追いかけるだけではなく、それを理解しようとすることです。
今でも覚えていますが、僕がLeague of Legends リーグオブレジェンドをプレイしていたとき、動きの悪いチームメートを罵る、feeding という単語がありました。「肥料」ですね。こんな奴は、他のチームにタダでポイントをやっている(肥料になっている)ようなものだ、という意味です。
初めてゲームに参加したときは、どうプレイして良いか分からず、ひどいものでした。僕はただマップ上を横切って、殺されるだけです。そして復活して、またすぐ殺されます。皆に「feeding, feeding」と言われ、後で知ったことですが、これは「役立たず」という意味でした。普通の人は、ビデオゲームの世界で肥料が何を意味するかなんて見当もつかないでしょうが、League of Legendsコミュニティの全員が、常にこの言葉を使っていたのです。
まだまだありますよ、こういうマニアックな例は。たとえば、公営ギャンブルの競艇や競馬では、1着をアタマ、2着をヒモといい、全通り買うことを流しといいます。ダッシュスタートをする一番内の艇をカドといい、カドにいる選手が1番にスタートを切って内側の艇の前に行きターンマークを回ることをカドまくりと言います。こういうのは競艇好きの人であれば皆が知っている基本用語です。僕は9歳の時から祖父と一緒に三国競艇場に通っていたので、自然と覚えるようになりました。
これが、インサイダー・ランゲージの一例です。また、暗号通貨の世界では、誰かのスペルミスに由来する「HODL」(ホードル)という言葉があり、ネット上で流行しました。暗号通貨のグループに参加すると、「HODLしておけよ」、という風に言われます。これは「hold」をミススペルしたもので、つまり投資をやめておく、または売らないでおくという意味です。普通の人にHODLの意味を尋ねても、何のことやらさっぱりでしょう。ですがこれも、暗号通貨コミュニティでは普段から使われています。
ポイントは、こういったグループには、まったく異なる語彙が存在しているということです。これらの用語や略語は、コミュニティ内のジョークの一種と考えられます。自分がそのコミュニティに入って行って、間違った言葉の使い方をしたら、と想像してみてください。あなたがそのグループに属していないこと、本当にそのコミュニティの一員でないことは、すぐにバレてしまうでしょう。彼らから尊敬されて、信頼を得ることができるなんて思いますか?もちろんそうはいきません、あなたはアウトサイダー(部外者)です。
たとえば、オートメーションツールの「Zapier」で検索すると、日本語で「ザピエル」と読んでいる人がいることに気付きます。英語圏ではザピアーと発音しますし、公式サイトには Happier with Zapier (ハピアー with ザピアー)と韻を踏んで説明されています。ザピエルと読んでいる人は、きっとZapierを使ったことのない人ですから、ただのアウトサイダーと見なされ、信頼を失ってしまうでしょう。
もし彼らの言葉をまったく使わなかったとしても、コミュニティのメンバー達と本当につながることにはなりません。彼らの言葉を使わなければ、彼らはあなたの言うことには耳を傾けず、ただ「この人、詳しいな」と思うだけでしょう。HODLという言葉を使う人がいれば、暗号通貨に詳しいことがすぐに分かります。なぜなら、この言葉を使うのは、暗号通貨の世界にいる人々だけだからです。これは文字通り瞬時に分かるものですが、皆さんはその機会を逃しているのです。
要素3. 苦痛要因
それでは、次のポイントに移りましょう。残りの二つ、苦痛要因と強い欲求とは密接に関連しているので、まとめてしまいましょう。この二つは強く結びついていて、見込み客の感情に訴えかけるものです。
苦痛要因は、マイナスの影響を及ぼします。彼らを悩ませるものや、緊張させるもの。何としても避けたいと思うもの。そのせいで、夜眠れなくなるようなもの。対して、強い欲求が与えるものはプラスの影響です。彼らが本当に望んでいるもの。彼らを興奮させたり、幸せにしたりするもの。彼らが憧れているもの。
インサイダー・ランゲージとは違って、苦痛要因や強い欲求というのは、公然と口に出して言われることは滅多にないということを覚えておいてください。見込み客は自分たちですらわかっていない可能性もありますし、仮に認知していたとしても恥ずかしてく言えないのです。
ですから、行間を読むことが必要になってきます。そう、あなたは彼らのことを、彼ら自身よりも良く知っていなければいけません。僕の妻は決して、「サングラスにお金を使うのには罪悪感を感じる」とはっきり言った訳ではありませんでした。僕はそれを推測しなければならず、推測したからこそ彼女を助けることができたのです。
要素4. 強い欲求
見込み客がどんな苦痛要因や強い欲求を持っているかを良く理解することは、とても重要です。彼らはあなたの言葉を聞くなり、こう感じるでしょうから。「信じられない!この人は良く分かってくれてるな。何もはっきり言った訳じゃないのに、この気持ちを正確に理解してくれた。」
ちなみに「いしこん2.0」で1 on 1のセッションをしていると、クライアントから頻繁に「石崎さんよくわかりましたね」と言われます。これは、僕が見込み客の苦痛要因と強い欲求を事前にリサーチしているからです。むしろ彼らが認知していないディープな部分を言語化してあげるからこそ、そこに価値を見出す人が高いコンサルティング・フィーを払うとも換言できるはずです。
ビジネスにおける、こうした例を一つ挙げましょう。たとえば、デート系のYouTubeチャンネル、Simple Pickupに関して言うと、表面的に見れば、男性たちが抱える問題は、デートの約束をどう取り付ければ良いのか分からないことだと思えたでしょう。
Simple Pickupの演者である、JesseとKongがリサーチを行った結果、そうした男性が何千人も見つかりました。トライしたものの惨敗(ざんぱい)した、という人もいました。同じ話や意見を何度も耳にしたそうです。
行間を読むことをしなければ、彼らの苦痛要因はデートができないこと、彼らの強い欲求はデートに出かけることか、もしくは恋人を作ることだと思ったでしょう。ですが、それは真実からはほど遠いものだったのです。
ここで行間を読んで、デートができないというのを掘り下げると、問題はデートとはまったく関係がないことが分かります。彼らは、その理由を自問自答しました。彼らはなぜデートができないのか?それは、彼らが女性と話ができないから。女性と話ができないのはなぜ?それは、不安をたくさん抱えているから。
女性をデートに誘うことへの不安。実際に女性と会って話すことへの不安。彼女がデートに行きたいと思ってくれるほど、十分な会話ができるかどうかといった不安。もし〜だったら、という不安。もし断られたらどうしよう。もし彼女が自分を好きではなかったら?もし彼女に笑われたらどうしよう、ヘマをやらかしたらどうしよう…
真の苦痛要因とは、デートができないことではなく、不安です。その不安は、鬱と自信のなさに結びついています。彼らは「デートができない」と言いますが、内心こんな風に思っています。「自分は不細工だからダメだ。背が低いからダメだ。面白くないからダメだ。魅力もない。自分とデートしたいなんて思う訳がない…」
皆さんは最終的に、この内なる悪魔から彼らを救う方法を、見つけてあげなければいけません。そうするにあたって、彼らの強い欲求を知ることはどんな意味を持つでしょうか?繰り返しになりますが、彼らの欲求はデートをすることのように思えますが、これは表面的な観察の結果に過ぎません。彼らが望んでいると言っていても、それが彼らの本当に望んでいるものとは限りません。彼らが本当に望んでいるものは、不安をなくすことです。
何も気負うことなく女性と話がしたい。断られることなんて恐れずに、可愛い子をデートに誘うだけの自信を持ちたい。彼らの強い欲求とは要するに、自分自身に満足することです。問題はデートに関するものではなく、また女性に関するものですらもないことが、お分かり頂けましたか?
強い欲求を理解する助けになる、もう一つの例を見てみましょう。フィットネスの世界では、シックスパックを手に入れることがごく一般的な目標とされます。腹筋をつけたいと思うのは、誰でも同じですよね。表面的には、強い欲求とは、単にシックスパックを手に入れることだと思えます。
その理由は何でしょうか。強くなるため?格好良くなるため?確かにそれも真実かもしれませんが、マーケティングでこれを使ったなら、表面上の見込み客とのみつながることになるでしょう。シックスパックより深いところにある欲求を特定できていなければ、深いつながりとはなり得ません。
本当の理由が何なのかを理解しましょう。彼らがシックスパックを手に入れたいと思う理由は何でしょうか?そうした理由はどれも、深い、強力な欲求に基づいています。シャツを脱いだ姿に自信を持ちたいという欲求。単に体重を減らしたり、格好良くなったりといったことだけではなく、おそらくは人生で初めて、シャツを脱いだときに引け目を感じないようになりたいという願望です。
友達に泳ぎに行こうと誘われたとき、不安に苛まれないように。暑いビーチでもシャツを着たままでいたい、なんて言わなくて済むように。もちろん、「シックスパックを手に入れる方法をお教えしましょう。」と言うことはできます。それでも構いませんが、それでは深いつながりにはなりません。
ここで、「シックスパックを手に入れる方法をお教えしましょう。もうガールフレンドに混浴に誘われても、引け目を感じないで良くなりますよ。」と言ったとします。あるいは「海であなたのチャプチャプなお腹を見せることは今後ありません」でもいいし「夜一緒に寝るときに、お腹の肉を摘まれることはなくなりますよ」でもいいですね。
この場合、あなたは見込み客の強い欲求にアプローチしていることになります。この違いが分かるでしょうか?とても重要なことなので、もう一度言います。表面的な観察に終始してはいけません。優れた商品を作り、見込み客の最も深いところにある欲求に応えるようなマーケティングを行うには、彼らと深いつながりを築く必要があります。
今日のまとめ
ここまでの内容をまとめましょう。オーディエンス・イマージョンは、リサーチ段階の最重要ステップです。あなたがターゲットに設定して、深く理解しようとしている人々のコミュニティに入り込みます。見込み客を深く理解する理由は、二つあります。一つ目は、彼らを本当の意味で助ける商品を作るため。そして二つ目は、見込み客を良く理解していれば、信じられないほどの利益を上げられるためです。
そして、コミュニティに入り込んだら、次の四つのことを探さなければいけません。一つ目は、予想外のインサイト。普通の人々が特に考慮しない一般的な情報の中に、何か目立って、予想外だと感じられるものがありませんか?
二つ目は、インサイダー・ランゲージ。これは、特定の人々の間だけで使われる単語や語句のことです。見込み客は皆、同じ見込み客同士で会話をするときの、特殊なコミュニケーション方法というのを持っています。あなたの見込み客は、お互いにどんな話し方をしていますか?
三つ目は苦痛要因、そして四つ目は強い欲求です。この二つは密接に関連していて、見込み客の感情に訴えかけるものです。苦痛要因は、マイナスの影響を及ぼします。彼らを悩ませるものや、緊張させるもの。何としても避けたいと思うもの。そのせいで、夜眠れなくなるようなもの。強い欲求が与えるものは、プラスの影響です。彼らが本当に望んでいるもの。彼らを興奮させたり、幸せにしたりするもの。彼らが憧れているもの。
これらの情報を集めたら、すべてドキュメントにまとめておくのをお忘れなく。ビジネスが存続する限りは、これを参照していくことになりますから。