あなたはオンラインコースを作成したいと考えているクリエイターや専門家として、何をテーマにすれば受講者に響くコンテンツになるか悩んでいませんか?成功するオンラインコースの秘訣は、受講者が抱える本当の悩みを的確につかむことにあります。ここでは受講者の「痛み」を見つけ出し、それをコースのアイデアに変換する具体的な方法をご紹介します。
オンラインコース市場は年々拡大していますが、多くのコースが「作った後に誰も買わない」という状況に陥っています。その主な原因は、作り手の思い込みだけでコンテンツを作ってしまうことにあります。受講者が実際に何に困っているのか、どんな悩みを抱えているのかを把握せずにコースを作っても、「これは私の問題を解決してくれる!」と思ってもらえません。ですから、コース作成の第一歩は受講者の悩みを深掘りすることから始まります。
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悩みを捉えるカギ:「顕在的」「潜在的」の両面
オンラインコースを作る上で理解しておくべき重要なポイントがあります。それは受講者の悩みには「顕在的な悩み」と「潜在的な悩み」の2種類があるということです。この違いを知ることで、より魅力的なコースを設計できるようになります。
顕在的な悩みとは、受講者自身が自覚していて言語化できる問題のことです。例えば「TOEICでリスニングが苦手で点数が伸びない」「ダイエットを始めても3日で挫折してしまう」「SNSのフォロワーが全然増えない」などが該当します。これらは受講者が明確に「できない」「困っている」と認識している課題です。

一方で潜在的な悩みは、本人がまだ気づいていない、または根本原因として認識していない問題です。例えば「ダイエットが続かない」という顕在的な悩みの裏には、「自己肯定感の低さ」や「ストレス管理ができていないこと」という潜在的な要因が隠れていることがあります。また「英語のリスニングが苦手」という問題の本質は、「英語を使う明確な目的がない」ことかもしれません。
僕がコンサルティングしてきた多くのコース作成者は、最初はこの区別を見落としがちです。しかし両方を把握することが重要な理由があります。顕在的な悩みはコースのタイトルやキャッチコピーに使うと受講者の目に留まりやすくなります。一方で、潜在的な悩みを講義内容に織り込むことで「そこまで理解してくれているのか!」と受講者の満足度が高まり、実際の成果にもつながるからです。
どこでリサーチ?「生の声」を拾う具体的場所
では実際に受講者の悩みをどこでリサーチすれば良いのでしょうか。インターネット上には様々な場所で「生の声」が見つかります。特に次の場所を重点的に調査することをお勧めします。
SNSやコミュニティは情報の宝庫です。X(旧Twitter)の検索機能を使えば、あなたのテーマに関連したキーワードで悩みのつぶやきを見つけられます。例えば「TOEIC 苦手」「ダイエット 挫折」などで検索してみてください。Xのコミュニティ機能やDiscord、Slackなどのクローズドなグループでは、より深い悩みが共有されていることも多いです。

noteやはてな匿名ダイアリーも見逃せない情報源です。noteは個人の体験談が多く、はてな匿名ダイアリーは匿名だからこそ書ける本音が溢れています。これらのプラットフォームでも、あなたのテーマに関連したキーワードで検索してみると良いはずです。
Q&Aサイトやブログのコメント欄も貴重な情報源となります。QuoraやYahoo知恵袋では、悩みの背景まで詳しく書かれていることが多く、潜在的な要因を読み取ることができます。

また人気ブログやYouTube動画のコメント欄、Amazonの関連書籍のレビュー欄には、具体的なつまずきポイントや求めているソリューションが書き込まれていることがあります。
僕自身もコース作成時には必ずこれらの場所をチェックし、少なくとも30〜50個の「生の声」を集めるようにしています。その過程で受講者が本当に求めているものが見えてくるんです。
“痛み”の繰り返しパターンを抽出してアイデアに転換
マーケティングでは「ペイン」という言葉がよく使われます。これは顧客や見込み客が抱える「痛み」や「悩み」「不満」「課題」のことを指します。ビジネスの本質は、このペインを解決する価値を提供することにあります。オンラインコースも同様で、受講者のペインを解決できるほど、価値あるコースになります。ここからは集めた「生の声」から受講者の痛みを抽出し、コースのアイデアに変換する方法を具体的に説明します。これがコース作成の核となる部分です。
まず書き出しとタグ付けから始めましょう。見つけた悩みや要望をスプレッドシートやメモに一覧化します。そして「リスニング」「集中力」「習慣化」などのタグを付けていきます。これにより、どの種類の悩みが多いのかが見えてきます。
次に繰り返し現れるフレーズや表現に注目します。例えば「英語力が足りない」といった漠然とした表現ではなく「英会話中に頭が真っ白になる」「リスニングで内容を理解するスピードが遅い」といった具体的な表現がポイントです。これらのフレーズが頻出するほど、多くの人が抱える共通の悩みである可能性が高まります。
さらに集めた悩みを「顕在的」か「潜在的」かで区分します。受講者が直接言語化しているのは顕在的な悩みです。一方で、文脈から読み取れる根本原因は潜在的な悩みとして整理しましょう。
このようにして整理した情報をもとに、コースのアイデアへと昇華させていきます。例えば「TOEICリスニングで最後まで集中力が続かない」という顕在的な悩みに対しては、「聞き取れなくても解答率を上げる時短テクニック」というアイデアが生まれるかもしれません。また「そもそも学習習慣が続かない」という潜在的な悩みに対しては、「英語学習の習慣化&集中力アップ術」と「TOEIC実践テクニック」を組み合わせたコースが考えられます。
「痛み(ペイン)」を活かしたコース作りの注意点
最後に、受講者の痛みを活かしたコース作りにおける注意点をいくつか紹介します。これらに気をつけることで、より効果的なコースを作ることができます。
まず大げさな表現には注意しましょう。受講者の痛みを煽りすぎると不安商法のような印象を与えかねません。「英語ができないと人生終わり!」のような極端な表現ではなく、「TOEICリスニングにつまずく人の多くは◯◯が原因です。この方法で改善できます」という論理的な説明の方が信頼を得られます。
また既存の無料情報との差別化も重要です。多くの悩みはネット上で無料の解決法が溢れています。単に「リスニングが苦手ならコツを教えます」だけでは弱いです。あなた独自の体験や検証データを含めることで、「このコースだからこそ解決できる」と思ってもらえる要素を盛り込みましょう。
さらに潜在的な悩みを無理に押し付けないことも大切です。受講者がまだ認識していない問題を「あなたの本当の悩みはこれだ」と一方的に断定すると拒否反応を招くことがあります。まずは顕在的な悩みを受け止め、そこから自然に潜在的要因を提示する流れが理想的です。
まとめ:受講者の痛みから始まるコース作り
ここまで受講者の悩みをリサーチし、コースのアイデアに変換する方法を解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- 成功するオンラインコースは、受講者の「顕在的な悩み」と「潜在的な悩み」の両方を理解することから始まる。
- SNS、Q&Aサイト、ブログコメントなどで「生の声」を集め、繰り返しパターンを見つけることが重要である。
- 集めた悩みを整理・分析し、コースのタイトルと内容に反映させることで、受講者に響くコースが作れる。
- 悩みを活用する際は、誇張せず、差別化し、押し付けないことを心がける。