あなたはオンラインコースを作って販売したい個人事業主やフリーランサーで、コースを完成する前に先行販売(プリセル)をしたいと考えているものの、その方法やオファーの作り方、価格設定について悩んでいませんか?ここではプリセルの主要ステップと、リスクを最小限に抑えながら効果的に販売するための方法を紹介します。プリセル販売は、コースの需要を確認しながら制作を進められる素晴らしい手法です。
プリセル販売はシンプルに見えますが、工程を間違えると受講者が混乱してクレームが発生しやすくなります。特に日本の受講者は「購入したらすぐに全ての教材が届く」と思い込んでいる場合が多いため、あらかじめスケジュールを明記し、商品がまだ完成していないことや提供方法を明確に伝えることが重要です。こうした準備をしっかり行えば、トラブルや返金リクエストを大幅に減らすことができるはずです。
魅力的なオファー作り:明朗性を重視する
プリセル販売で最も重要なのは、オファーの「明朗性」です。明朗性とは「何が、いくらで、いつ手に入るか」をハッキリと示すことです。僕がこれまで多くのオンラインコースを販売してきた経験から言うと、受講者は曖昧なオファーに対して不信感を抱きやすいと感じています。
例えば「コースを受ければ稼げるようになります」というフワッとした表現だけでなく、「5つのモジュールで構成された全30レクチャーのコースで、通常29,800円のところ、先行購入なら19,800円。さらに、月1回のリアルタイムウェビナーが全5回ついてきます」といった具体的な説明が必要です。
また、明朗性と一緒に考えたいのが「ビッグプロミス」です。例えば「英語の発音を30日で矯正し、TOEICスピーキングで+50点を狙う」というビッグプロミスがあれば、その後に「コース内容は動画レクチャー10本と週1回のライブQ&A、支払いは一括19,800円または3回の分割払い」という明朗性を示す情報を続けると効果的です。コンセプトだけに逃げず、受講者が得られる具体的な成果や必要なツール、前提知識などをはっきり書くことで信頼感が高まります。
商品のアウトラインは完璧でなくて大丈夫
プリセル販売では、コースのアウトラインを完璧に作り込む必要はありません。僕の経験からすると、タイトルや概要で「どんな流れで進むか」が伝わればそれで十分です。大切なのは、受講者が学習内容をイメージできるかどうかです。
具体的には、モジュールを複数用意し、それぞれにサブタイトルをつけます。そして各レクチャー名はできるだけ具体的にしましょう。「第1章:スマホで撮影を成功させる基礎設定」というモジュールがあれば、その下に「レクチャー1:iPhoneカメラのHDR活用法」「レクチャー2:Androidの場合の注意点」などと具体的なタイトルをつけると、受講者は閲覧前に「何を学べるか」をイメージしやすくなります。
またプリセル販売の良いところは、実際に受講者の反応を見ながらコースの内容を調整できる点です。プリセル後、受講者からの質問や要望を反映して、モジュールの順番を変えたり、新しいレクチャーを追加したりすることも可能です。僕自身、過去のコースでは受講者からのフィードバックをもとに、当初予定していなかったボーナスコンテンツを追加したこともあります。そのため、最初から大枠を固め過ぎず、必要に応じて編成を変更する余裕を持たせておくと良いと思います。
提供スケジュールをあらかじめ決めておく
プリセル販売で多くの人が見落としがちなのが、コンテンツの提供スケジュールです。購入者の不安を解消するためには、いつどのコンテンツが提供されるのかを明確にしておくことが重要です。僕のアドバイスとしては、プリセル販売が終了してから21日~30日後くらいに最初のモジュールを提供し、その後定期的にコンテンツを追加していくというスケジュールを示すことが効果的だと思います。
具体的なタイムラインとしては、初回募集期間を4週間とした場合、その終了時点で販売数が目標を超えればコース制作を確定し、その3~4週間後にモジュール1を公開して受講開始というのが一般的です。例えば4週間のプリセルキャンペーン(ウェビナー開催とランディングページ公開)を行い、締め切り後に購入者数が目標に達していれば、7~8週目にモジュール1を公開するという流れです。
特に注意したいのは、「プリセル」であることを繰り返し強調することです。何度も言いましたが、日本の受講者は「買ったらすぐに教材が全部届く」と思いがちです。僕たちにとっては当たり前でも、相手が読み飛ばして勘違いするケースは少なくありません。そのため、「これはまだ制作途中です。○月○日ごろに1章が完成します」と目立つ形で何度も伝えるようにしましょう。
まとめ:プリセルを成功させるポイント
ここまでプリセル販売の具体的なステップとポイントを解説してきました。最後に要点を3つにまとめました。
- プリセルではオファーの明朗性を重視し、「何が、いくらで、いつ手に入るか」を具体的に示すことでトラブルを未然に防ぐことができる。
- コースのアウトラインは完璧でなくてもよく、大枠となるモジュールとレクチャーのタイトルがあれば十分だ。
- コンテンツの提供スケジュールをあらかじめ決めて明示することで、受講者の不安を解消し、満足度を高めることができる。