あなたはポルトガル移住を検討しているフリーランスや起業家として、自分の収入源がD7ビザとD8ビザのどちらに該当するのか迷っていませんか?オンラインビジネスやアフィリエイト収入は不労所得として認められるのか、それとも労働収入なのか判断がつかない状況かもしれません。ここでは収入源による判断基準と、それぞれのビザに適した収入の具体例を詳しく紹介します。
D7ビザかD8ビザ、どちらが自分に合っているかは「その収入源がどんな性質なのか」で決まります。ただ、フリーランスやオンラインで働く人にとって「これは不労所得?それとも労働収入?」と区別するのはなかなか難しいものです。ここでは、自分の収入がどちらのビザに当てはまるのか見極めるポイントを詳しく解説していきます。
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D7ビザは不労所得、D8ビザは労働収入が基準
収入源の判断基準について解説します。D7ビザは「不労所得」が対象ですが、ここで言う不労所得は、例えば株式の配当や家賃収入など、誰が見ても説明不要で明らかなものに限られます。ネットビジネスなどで「これは不労所得です」と主張したくても、受け入れるかどうかは大使館や移民局(AIMA)の判断次第です。
たとえ自分自身が「働いていない収入」と考えていても、それが書類上・常識的に不労所得として認められなければD7ビザの対象にはなりません。伝統的な不労所得、つまり説明不要で一目で分かる収入がD7ビザ向きです。
一方、D8ビザは「労働収入」が基本です。もし申請時に「これは不労所得なんです」と細かい説明や補足が必要な収入源であれば、それはD7ビザには適さず、D8ビザの方が現実的です。判断は非常にシンプルで、提出書類を見て大使館担当者が即座に理解できるかどうかが鍵です。たくさんの申請を処理する担当者に複雑な内容を説明しなければ通じない収入源は、基本的にD8ビザとして申請した方がスムーズです。
D7ビザが適している4つの収入源
D7ビザに向いている主な収入源を具体的に紹介します。いずれも「誰もが納得できる」典型的な不労所得です。
まず1つ目は、不動産からの家賃収入。自宅以外にアパートやマンションなど不動産を所有し、賃貸で得ている毎月の家賃収入が該当します。安定した継続収入と判断されやすく、証明もしやすいです。
2つ目は、株式の配当金です。上場企業の株式などを持っていて定期的に配当金を受け取っている場合、証券会社の明細書があればシンプルに証明できます。
3つ目は、投資信託などからの分配金。信託による定期的な分配金も、不労所得として非常に分かりやすい例です。
4つ目に、リタイア済みの方の場合は年金収入が対象になります。国民年金や厚生年金などの公的年金・企業年金など、安定した年金もD7ビザ向きの収入とされています。
これらの収入源に共通するのは、「働かずに得られると一目で分かる」という点です。書類の提出だけで、大使館の担当者にも一目で不労所得だと理解してもらえるので、申請がスムーズに進みやすい特徴があります。上記のような収入がある場合は、D7ビザを選ぶのがベストでしょう。
D8ビザが適している6つの収入源
D8ビザが適している主な収入源について解説します。D8ビザは「労働収入」が基本となるため、仕事を通じて得られる収入が対象です。
1つ目はフリーランスやクラウドワーカーとしての業務収入です。例えば、リモートで仕事を請け負い報酬を受け取っている場合、まさに労働収入としてD8ビザの要件に当てはまります。現代では会計士など本来現地で行う職種でも、国をまたいでリモートで働いているケースが増えており、こういった収入形態はD8ビザが最適です。
2つ目はオンラインコース販売の利益です。UdemyやSkillshareのような大手プラットフォーム経由でも、自分でTeachable・Thinkific・ClickFunnelsなどを使って直接販売する形式でも、いずれも販売活動による収入でありD8ビザの範疇となります。
3つ目はアフィリエイト報酬も該当します。ASPや自サイトからの収益も、実際には施策や運営という労働によるものなので、D8ビザで申請するのが適切です。
4つ目はKindle出版などによる印税収入です。印税は一見パッシブインカムに見えますが、執筆という労働に基づく収入であるため、大使館などでも説明が求められD8ビザ扱いになります。
5つ目はコンサルティング報酬です。クライアントと契約を締結し、サービス提供の対価として得る報酬は典型的な労働収入で、書類も用意しやすくD8ビザに最も適しています。
6つ目、その他あらゆるフリーランス業、例えばWeb制作や翻訳なども、現状ではD8ビザで処理されるケースがほとんどです。たとえ自分ではパッシブインカムだと考えている方でも、オンラインやインターネットで収入を得ている場合はD8ビザで申請する方がスムーズです。
D8ビザ申請では契約書があると圧倒的に有利
D8ビザ申請において、契約書の有無がいかに重要かを解説します。D8ビザではとくに契約書が用意できるかどうかが審査の大きなポイントになります。オンラインコースの売上などは申請の際に証明しにくい一方で、契約書は公式な書類として収入証明に直結し、認められやすい特徴があります。
ポルトガルに来ると「NIF(納税者番号)」が頻繁に求められます。スーパーやマクドナルドなど、あらゆる場所でNIFを聞かれるのは、契約書やインボイス発行がこの国のビジネス文化として根付いているからです。
外国人であっても、「契約書やインボイスは出せますか?」と審査側から当然のように聞かれます。そのため、単なる売上画面のスクリーンショットなどは原則として証拠として認められません。特にオンラインコース販売の場合、一人ひとりにインボイスを発行しないケースが多く、システム上に累計売上が表示されているだけだと、審査で通りにくくなります。

ポルトガル政府が提供している公式ビザ申請チェックリストには、収入証明書として「Contract(契約書)」「Society Contract(会社契約書)」「Contract of Service Provision(業務委託契約書)」などが繰り返し記載されています。
つまり、契約書を作成できる業種や働き方であれば、収入の証明作業が非常にスムーズになります。実際に僕は、コンサルティングサービスの契約書を日本語とポルトガル語の両方で用意し、提出しました。日本語のみの場合は、必ず公的な翻訳やポルトガル語訳を添付することをおすすめします。
グレーゾーンの収入源はどう判断すべきか
グレーゾーンの収入源について解説します。自分の収入がD7ビザ・D8ビザどちらに該当するのか分からず悩む方も多いでしょう。もしご自身の収入が不労所得の要素を持ちながらも、株式配当のように明確に不労所得と認められない場合は、原則としてD7ビザには向いていないと考えてください。
もちろん、すべてを自分の判断だけで進めず、信頼できるエージェントや移民弁護士など専門家に相談するのが最善です。専門家から「その内容ならD7ビザで問題ありません」と言われた場合は、そのアドバイスに従うのも良いでしょう。
ただし、実際に大使館に申請してみないと通るかどうかは分からない、というのが現実です。仮にD7ビザでチャレンジして審査で通らなかった場合は、他の証明書類を準備し直すか、D8ビザでの申請に切り替えるという柔軟な対応が必要になります。
判断が難しいグレーゾーンの場合は、最終的に大使館が一次審査の権限を持つため、専門家だけでなく大使館にも確認・相談してみるのが安心です。大使館で「これなら可能」と判断されれば、本国での本審査に進む流れになります。逆に大使館で却下された場合は、すぐに別の書類や証明方法を検討しましょう。
また、もし収入証明になる書類や根拠が現時点で不十分な場合は、今後の取引や新しいクライアントには契約書を作成しておく・体制を整えておくこともおすすめです。書面で証明できる形を今のうちから整えておくことで、万が一の際も柔軟に対応できるようになります。
専門家への相談で最新動向をキャッチする
専門家に相談することの重要性について解説します。エージェントや弁護士にいつ相談するべきか迷う方も多いですが、分からないことがあればその都度積極的に聞くのがベストです。むしろ、最初から相談パッケージを利用することで、不安や手間を減らし、確実に情報を得ることができます。

専門家は、個人では入手が難しい最新の情報や豊富な申請事例に基づく知見を持っています。実際に僕も、エージェントの指示通りに書類を用意して大使館に提出した際、現地で受理されないというトラブルに遭遇したことがあります。その際、同じエージェントとやり取りをしていた他の申請者の体験情報(たとえば「数週間前はこの方法で通ったが、今は変更になった」など)をすぐにエージェントからメールで共有してもらえたおかげで、迅速に対応策を練ることができました。
このように、専門家は「最近はこういう理由で受理・却下された」「今はこの申請方法が主流だ」といった直近の動きに詳しく、ピンポイントなアドバイスをしてくれます。特にビザ申請のルールや審査基準は頻繁に変わるため、3週間前までは問題なかった提出方法が突然通用しなくなるケースも珍しくありません。僕自身も、申請直前にeVisaポータルの提出義務が追加されるなど、突然の制度変更を経験しましたが、エージェントの素早い対応により混乱せずに済みました。
まとめ:収入源に応じた正しいビザを選択しよう
ここまで収入源による判断基準と選び方について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- D7ビザは不労所得が対象で、説明が必要な収入源は適さず、家賃収入、株式配当、信託分配金、年金などのわかりやすい不労所得が該当する。
- D8ビザは労働収入が対象で、フリーランス業務、リモートワーク給与、オンラインコース販売、アフィリエイト、Kindle印税、コンサルティングなどが該当する。
- D8ビザでは契約書があると圧倒的に有利で、オフィシャルのチェックリストにも契約書が明記されている。
- グレーゾーンの収入源はエージェントや大使館に相談して判断し、ダメなら別の書類を用意するか今から契約書を作る必要がある。
- 専門家は最新動向のデータを持っているため、早めにエージェントや弁護士を見つけて相談することが重要である。
