あなたはオンライン講座やコーチングプログラムを提供するビジネスオーナーで、売上を最大化できるセールスファネルの作り方に悩んでいませんか?ここでは、「チャレンジファネル」というプログラム型のセールスファネルの作り方を解説します。特にチャレンジファネルの肝となる「チャレンジ内容の企画」と「アップセル商品の選定」に焦点をあてて、その戦略的な考え方をお伝えします。
チャレンジファネルは、短期間でゴールを達成するというシンプルな仕組みを使って、セールスの成約率を高めることができる優れたマーケティング手法です。7日間や30日間といった決まった期間の中で、参加者に達成可能な具体的な目標を設定し、そこまで導いていきます。しかし、多くのマーケターがこのチャレンジファネルの設計で失敗しています。その原因は、チャレンジ内容の設計が甘いことと、アップセル商品の選定がズレていることにあります。
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なぜ「チャレンジ内容」が最重要なのか?
チャレンジファネルは見かけ上、とてもシンプルな仕組みに見えます。実際、「7日間ブログ記事を書き続けるチャレンジ」や「30日間毎日動画を投稿するチャレンジ」など、一見すると誰でも思いつきそうな内容が並んでいます。ですが、参加者の心を掴み、成果を出させ、そしてアップセル商品の購入へと繋げていくためには、緻密な設計が必要になります。
最も重要なのは、チャレンジ参加者に「達成感」を味わってもらうことです。達成感を感じることができれば、参加者は自信を持ち、次のステップに進もうという意欲が湧いてきます。逆に達成感を味わえないと、途中で挫折したり、アップセル商品の購入を見送ってしまったりします。チャレンジファネルの成否は、このチャレンジ内容の設計で決まると言っても過言ではありません。
チャレンジの内容は、参加者のモチベーションを左右する重要な要素です。難しすぎても簡単すぎても、参加者のモチベーションは下がってしまいます。ちょうど良い難易度で、かつ実践的な価値のある内容を提供することが求められます。そしてそのチャレンジを通じて、参加者が目に見える成果を得られるようにすることが大切です。
ここでは、架空の「5日間で完成!成果に繋がるランディングページ構築チャレンジ」を例に、チャレンジ内容を企画・設計するプロセスを、ステップバイステップで解説していきます。このプロセスを理解することで、あなた自身のビジネスに最適なチャレンジファネルを設計し、成功へと導くことができるでしょう。
ステップ1:ターゲット顧客の深い理解から全てが始まる
チャレンジファネルの設計で最も重要なのは、ターゲット顧客を深く理解することです。いくら魅力的なチャレンジプログラムを企画しても、それがターゲットの悩みや願望と合致していなければ、参加者は集まりません。そしてたとえ参加者が集まったとしても、途中で離脱してしまい、最終的なセールスには繋がらないでしょう。
例えば、ここで例とするチャレンジでは「オンラインヨガインストラクター」という具体的なターゲットを設定しています。30代の女性で、ヨガの指導には自信があるものの、オンラインでの集客に苦戦しているという人物像です。彼女は、無料体験レッスンへの誘導がうまくいかず、安定した収入を得られていないという悩みを抱えています。そして何より、自分の教えるヨガの素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらいたいと考えています。
このターゲットが抱える具体的な課題は、効果的なオンライン集客方法がわからないことと、魅力的なランディングページを作れないことです。また、Web制作や技術的な知識がないことや、デザインセンスに自信がないことも、彼女の行動を妨げる大きな要因となっています。ヨガレッスンが多いため時間に余裕がなく、また制作費用をかけられないという現実的な制約もあります。
ターゲットの課題と願望をこのように具体的に理解しておくことで、チャレンジの内容だけでなく、アップセル商品の選定も容易になります。アップセルとして提供する商品やサービスは、ターゲットがまだ解決できていない課題に焦点を当てたものにすれば良いからです。例えば、ランディングページは完成した後に、そこに見込み客を集めるための広告運用ノウハウを提供するといった具合です。チャレンジファネルを作る前に、あらかじめターゲット顧客を掘り下げておくことをおすすめします。
ステップ2:チャレンジで「何を実現するのか?」を明確にする
チャレンジファネルを成功させるためには、ターゲットの課題を解決し、願望を実現するために、チャレンジを通じてどのような価値を提供するのかを明確にする必要があります。例えば「5日間でランディングページを作る」というチャレンジを考えてみます。なぜ「ランディングページ構築」をチャレンジのテーマに選んだのか、その理由を説明していきましょう。
オンラインビジネスにおいて、ランディングページは集客・販売の要となる重要な要素です。特に個人事業主やフリーランスにとって、魅力的なランディングページを持っているかどうかは、ビジネスの成否を分ける大きな分かれ目となります。しかし、多くの事業者はランディングページを作る技術を持っていません。かといって外注に出すほどの予算的余裕もないため、効果的な集客ができずに悩んでいます。
そしてランディングページというのは、成果物としてとても分かりやすいです。ゴールが明確です。このように何かを作ったり、完成させたりすることは、ゴールが明確なのでとても魅力的に映ります。もしチャレンジの内容に迷ったら、何か形にできるものをテーマにすることをおすすめします。
5日間という期間設定にも、重要な意図があります。チャレンジの期間は、短すぎても長すぎても参加者のモチベーションを維持することが難しくなります。5日間という期間は、参加者が集中力を維持しながら、具体的な成果を実感できる絶妙な長さなのです。また、「たった5日間で完成する」という明確な期間を示すことで、参加意欲を高める効果も期待できます。
ステップ3:参加者の「成長ストーリー」をカリキュラムにする
チャレンジファネルで重要なのは、参加者がステップバイステップで成長を実感できることです。参加者が途中で挫折してしまう最大の理由は、成長を実感できないことにあります。
そのため、各日程でどのようなスキルが身につき、どのような変化が起こるのかを、具体的にイメージできるように設計することが大切です。例えば次のようなカリキュラムを考えてみます。
例えば、最初の2日間は基礎的な知識とスキルの習得に充てます。1日目では、ランディングページの基本的な概念や役割について学びます。多くの参加者は「ランディングページ」と「ホームページ」の違いすら理解していない状態からスタートします。そこでまず、ランディングページの本質的な役割と、成功のための重要な要素について理解を深めます。そして2日目では、見込み客の心を掴むヘッドラインとキャッチコピーの作り方を学びます。
3日目からは、実践的なスキルの習得フェーズに入ります。ここでは、見込み客の心を動かすストーリーテリングの技術や、信頼を構築するためのコピーライティングスキルを身につけていきます。特に重要なのは、自分のビジネスストーリーを効果的に語る技術です。なぜならオンラインでの販売では、商品やサービスの背景にある「ストーリー」が、見込み客の心を動かす重要な要素となるからです。
4日目と5日目は、これまでに学んだ知識とスキルを実践に移す段階です。4日目では実際にCanvaやClickFunnelsを使ってランディングページとして形にします。参加者が実践しやすいようになるべく具体的に教えることを意識します。そして最終日となる5日目では、作成したランディングページの改善と最適化を行います。参加者同士でフィードバックを行うことで、より効果的なランディングページへとブラッシュアップしていきます。
このように5日間のチャレンジを通じて、参加者は「ランディングページって何?」という状態から、「自分で効果的なランディングページが作れる」というレベルまで成長することができます。重要なのは、各ステップで具体的な成果物が完成することです。これにより、参加者は自分の成長を目に見える形で実感することができ、モチベーションを維持しやすくなります。
ステップ4:参加者の「欲しい!」を引き出す特典を作る
チャレンジファネルにおいて、特典は単なるオマケではありません。特典はチャレンジ中の参加者の行動を促し、成果を最大化するための重要な要素となります。特典の第一の役割は、参加者の不安を解消することです。例えば「業種別ランディングページ成功事例集」という特典を用意することで、参加者は自分の業界で実際に成功している事例を参考にすることができます。これにより「自分の業界では通用しないかもしれない」という不安を払拭することができます。また事例集を見ることで、デザインや構成のアイデアを得ることもできます。
第二の役割は、参加者の作業効率を向上させることです。「魅力的なキャッチコピー作成チートシート」はその典型例です。多くの参加者は文章を書くことに苦手意識を持っています。特にキャッチコピーとなると、何から手をつければ良いのか分からないという人が大半です。そんな参加者に対して、実践的なテンプレートやフレームワークを提供することで、効率的にキャッチコピーを作成できるようになります。
第三の役割は、チャレンジの価値を高めることです。例えば「Canvaデザイン素材集」を提供することで、参加者はプロフェッショナルな見た目のランディングページを作ることができます。デザインに自信がない参加者でも、質の高い素材を使うことで見栄えの良いページを作ることができます。これにより、チャレンジ全体の満足度が大きく向上します。
参加者の不安を解消し伴走するための「サポート体制」
チャレンジファネルを成功に導くためには、サポート体制を整えることも重要です。どんなに優れたコンテンツを用意しても、参加者はどこかでつまづいてしまうものです。特にオンラインでの学習は、孤独感や不安感を感じやすいため、それらを解消する仕組みが必要になります。
最も重要なサポート機能の1つが、Discordなどを活用したコミュニティの提供です。コミュニティは参加者同士が繋がり、励まし合える場所となります。例えば、その日の学習内容や進捗状況を共有したり、困っていることを相談したりすることができます。
また、先に課題を完了した参加者が、まだ完了していない参加者をサポートするような状況も自然と生まれてきます。コミュニティ運営で重要なのは、講師やスタッフが積極的に関与することです。「困ったことがあれば、いつでも気軽に質問してください!」という雰囲気を作り出し、参加者が質問しやすい環境を整えます。
もう1つ重要なサポート機能が、ライブQ&Aセッションの開催です。5日間のチャレンジであれば、2日目と最終日の2回程度開催するなどです。2日目のセッションでは、参加者が直面している課題や不安を解消します。そして最終日のセッションでは、参加者が作ったランディングページを添削してアドバイスを行っても良いでしょう。
ライブセッションの効果は、単なる質疑応答の場を超えています。参加者は講師と直接対話することで、より深い理解を得ることができます。また、他の参加者の質問や課題を知ることで、自分一人が悩んでいるわけではないということに気付き、安心感を得ることもできます。そして何より、講師との関係性が深まることで、後々のアップセル商品の販売にもプラスの影響を与えます。
チャレンジに関連した自然なアップセル・ダウンセル
僕がこれまで見てきたチャレンジファネルの価格設定についてお話しします。多くのチャレンジファネルは、無料から1万円程度の低価格帯で提供されていることが多いです。この価格帯は、参加者にとって手軽に参加できる範囲であり、僕もこの価格帯をオススメします。例えば、5,000円や9,800円といった価格設定は、参加者にとって大きな負担にならず、かつ、提供する側としても一定の収益を確保できるバランスの取れた価格と言えます。
アップセル商品を選定する際に最も大切なのは、チャレンジの内容との関連性です。例えばランディングページ構築チャレンジであれば、アップセル商品として「ブログ集客マスター講座」を用意します。なぜならランディングページを作ったら、次はそのページにトラフィックを集めることが重要になるからです。「完成したページにお客さんを集めませんか?」という切り口で、ブログ集客の商品をアップセルします。
その上にもう1つアップセル商品を置くのであれば「広告運用マスタークラス」を用意すると想います。これはブログでも集客ができるけど、広告を使うともっとスピードアップできるという訴求の方法です。このようにチャレンジで達成したゴールに対して、「次に何が必要になるのか?」を考えます。こうすることで、チャレンジ商品からスムーズにアップセルできるようになります。
アップセル商品は、価格帯の異なる複数の選択肢を用意することも重要です。例えば、広告運用に関する商品であれば、本格的な「広告運用マスタークラス(49,800円)」を用意します。でもその商品に興味はあるけど値段が高くて諦める人もいます。そういう人にはダウンセル商品として基礎的な内容に特化した「Facebook広告の基本マスター講座(14,800円)」をオファーします。これにより、参加者は自分の状況や予算に応じて、最適な商品を選択することができます。
ただし、アップセル商品を選定する際は、1つの商品で完結する内容にすることが大切です。「初級編」「中級編」「上級編」のように、複数の商品を購入しないと完結しない構成は避けるべきです。代わりに、「ランディングページが完成する」「オンラインコースが出来上がる」「書籍が1冊書き上がる」のように、1つの商品で明確な成果が得られる内容にしましょう。
チャレンジファネルの収益化において最も重要なのは、参加者に提供する価値を常に最優先することです。単に売上を上げることだけを考えるのではなく、参加者が本当に必要としているものは何か、次のステップとして何が最適かを考えながら、商品を選定していく必要があります。そうすることで、参加者の満足度が高まり、結果として持続的な収益につながっていくのです。
まとめ:チャレンジファネルを成功に導く重要なポイント
ここまでチャレンジファネルの作り方について、詳しく解説してきました。最後に重要なポイントを4つにまとめました。
- チャレンジファネルの成否は、ターゲット顧客の深い理解と、それに基づいた適切なチャレンジ内容の設計で決まる。
- 参加者が成長を実感できるよう、ステップバイステップで具体的な成果物が完成する仕組みを作ることが重要である。
- 特典やサポート体制は、参加者の行動を促し、成果を最大化するための重要な要素として機能する。
- アップセル商品は、チャレンジの内容との関連性を重視し、見込み客の次のステップを促すような商品を選定することが大切である。