あなたはマーケターとして、より多くの質の高いリードを獲得したいと考えていませんか?従来のリードマグネットだけでは競合との差別化が難しく、なかなか思うような成果が出ないという課題を抱えているのではないでしょうか。ここでは、サーベイファネルという新しいリード獲得手法で成果を出している海外の3つの事例を紹介し、実践的な設計術を解説します。
マーケティングの世界では、より効果的なリード獲得方法を求めて手法が日々進化しています。その中で近年特に注目を集めているのが、診断やクイズ形式で見込み客の興味を引き、段階的に関係性を構築していくサーベイファネルです。実際にClickFunnelsなどの海外の事業者たちは、このサーベイファネルを活用することで、大きな成果を上げています。ここからは、彼らの具体的な実践例を詳しく見ていきながら、効果的なサーベイファネルの設計方法を学んでいきましょう。
事例1:ClickFunnels – 見込み客のビジネスジャンル別にリードマグネットを用意
ClickFunnelsはセールスファネルの構築ツールを提供するネット企業です。僕自身、2018年からClickFunnelsを使っています。僕はこのプラットフォームで100万ドル以上のオンラインコースを販売した実績から、日本人として初めてTwo Comma Clubアワードを受賞しました。ClickFunnelsが導入したサーベイファネルは、顧客のビジネスタイプやニーズに合わせて成功事例を見せるものです。「ほら、あなたと同じ分野の人がClickFunnelsを使って成功していますよ」ということを伝えます。
サーベイファネルの中核となるのが、「バケット・クエスチョン」と呼ばれる顧客セグメントを分類するための重要な質問です。ClickFunnelsの場合、「あなたのビジネスを最もよく表しているのはどれですか?」という最初の質問がバケット・クエスチョンになっています。回答には代理店・フリーランサー、情報商材、Eコマース、コーチング・コンサルティングなど、10種類の選択肢が用意されています。この回答によって、その後の誘導先ページが決定されます。
バケット・クエスチョンの後には、「どこでClickFunnelsを知りましたか?」「どのくらいビジネスをしていますか?」「現在、セールスファネルはありますか?」といった質問が続きます。これらの質問を通じて、顧客のビジネスの状況や課題を様々な角度から詳しく把握していきます。特に「セールスファネルの有無」を尋ねる質問では、実際に稼働しているファネルの有無やファネルの理解度を確認することで、顧客のニーズの度合いを正確に把握しています。
ClickFunnelsのサーベイファネルで注目すべきなのは、セグメントごとに別々のリードマグネットをオファーしている点です。例えば、コーチング・コンサルティングのセグメントを選択した顧客には、同じ業界で成功を収めた事業者のケーススタディがPDFで提供されます。回答がすべて終わると、業界別に用意されたリードマグネットのページに誘導されます。
そしてメールアドレスを入力するとその業界の成功事例がPDFで手に入るという仕組みになっています。業界別のリードマグネットなら見込み客の興味も強くなります。またリードマグネットを通して、ClickFunnelsでビジネスができるイメージを明確にし、サービス導入への期待を高めています。このように、顧客の属性やニーズに合わせて最適化されたコンテンツを提供することで、高いコンバージョン率を実現しているのです。
このClickFunnelsの事例から、僕たちは重要なポイントを学ぶことができます。1つ目は、多様なニーズに対してオファーを分けることでコンバージョン率が上がることです。2つ目は、バケット・クエスチョンを最初に配置することで、ユーザーの属性を早期に把握できることです。そして3つ目は、業界別の成功事例を提示することで、見込み客の不安を解消できるということです。
事例2:Neil Gordon – 講演家のタイプ診断で見込み客を振り分け
Neil Gordon(ニール・ゴードン)は、講演家、著者、インフルエンサー向けにパブリックスピーキングのトレーニングを提供する専門家です。彼が導入したサーベイファネル「Public Speaker Type Quiz」は、見込み客の現状の課題を可視化し、個々のニーズに合致したトレーニングプログラムを提案することを目的としています。このクイズは、独自の診断手法で受講者のスピーカータイプを判定する仕組みになっています。
クイズの冒頭では、Neil自身が登場する動画が配置されています。この動画では、これまでのキャリアを通じて発見した5つのスピーカータイプについて説明がなされ、クイズへの期待感を高めています。そこから「今までにステージ上で講演したり、何かのクラスで教壇に立ったことはありますか?」「そのときにどう感じましたか?」といった具体的な経験を問う質問へと進んでいきます。
興味深いのは、「あなた自身、どんな高校生でしたか?」「パートナーと問題があったとき、どう対応しますか?」といった、一見スピーチとは関係のない性格診断的な質問も含まれている点です。これは単なるスピーチスキルだけでなく、その人の性格や行動特性を総合的に分析することで、より正確なスピーカータイプの判定を可能にしているのです。
診断の結果は、例えば「あなたはフクロウタイプです」といった形で提示されます。そして「フクロウタイプの人が、スピーチ開始7秒でオーディエンスの心を掴む方法を教えます」という具体的な価値提案とともに、メールアドレスの登録を促します。
登録後は、その人の診断結果を詳しく解説する動画が視聴できるページへと誘導され、最終的にはスピーチトレーニングのオンラインコースの案内へとつながっています。
事例3:Carrie Green – ビジネス診断で女性起業家の課題を数値化
Carrie Greenは、女性起業家向けのオンラインビジネス支援を提供しています。彼女が女性起業家の協会FEAを運営しています。彼女のサーベイファネル「Dream Business Quiz」は、4万人以上の女性起業家の成功事例研究に基づいて作られた3分間のビジネス診断クイズです。これまでに11万人以上が受けており、その効果が実証されています。
多くのサーベイファネルでは最後にメールアドレスを求めるのに対し、このクイズでは冒頭で名前とメールアドレスの入力を求めます。これにより、診断結果をメールで送信することができ、後からでも結果を確認できる仕組みを実現しています。
質問内容も非常に具体的で、「いま取り組んでいる明確なビジネスアイデアはありますか?」という基本的な質問から、「メールリストを育てるための無料特典やリードマグネットを作成していますか?」「販売している商品やサービスはありますか?」「現在の収入状況を教えてください」といった突っ込んだ質問まで、幅広い観点からビジネスの現状を分析します。
診断結果では、独自のメソッドに基づく5つの要素(成功のマインドセット、ブランド、認知度、商品、セールス)それぞれについてスコアが表示されます。そして分野ごとにそれぞれ、簡単な解説文が付いています。最終的なオファーとしては、メンターとの無料相談セッションへの申し込みが促されます。
このクイズの特徴的な点は、見込み客をセグメントに分ける代わりに、診断の結果をスコアで数値化することです。スコアが低いビジネス初心者には「成長の邪魔になっている原因を特定してそれを克服しませんか?」というメッセージで無料相談をオファーします。スコアが高い場合でも同じように無料相談がオファーされます。その場合は「あなたのビジネスをさらに成長させるためのアドバイスをします」というメッセージになっています。どのスコアを取っても無料相談に行きたくなるような、上手な仕掛けになっています。
まとめ:サーベイファネルで見込み客のニーズを把握し、最適なオファーを提案する
ここまで3つの海外事例を通じて、効果的なサーベイファネルの手法を紹介してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- バケット・クエスチョンを使って見込み客を分類し、セグメント別にリードマグネットを提供することで、コンバージョン率を高めることができる。
- 性格診断のような質問を組み合わせることで、見込み客の特性をより深く理解し、パーソナライズされたオファーを提案できる。
- 診断結果をスコア化して数値で示すことで、見込み客の現状を可視化し、改善への意欲を高めることができる。
- 診断結果に基づいて提供するのはPDFや動画、無料相談など様々な種類のオファーが考えられる。