あなたはネット上でモノを売るビジネスオーナーやマーケターとして、セールスページの成約率を上げることに悩んでいませんか?従来のテキストベースのランディングページでは、なかなか思うように売上が出ないと感じているかもしれません。ここでは、短い動画で高い成約率を上げてくれるVSLファネルの作り方について詳しく解説します。
近年、SNSやYouTubeの普及でネット上には短い動画コンテンツが溢れるようになりました。そのような時代において、ネット上におけるセールスの方法も変化を余儀なくされています。そんな中で注目を集めているのが、Video Sales Letter (VSL) ファネルです。このアプローチは、従来のセールスレターの長所を活かしながら、短い動画で高い成約率を上げてくれるというメリットがあります。ここでは、そんな時代に対応したVSLファネルについて、具体的な作り方をお伝えしていきます。
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Video Sales Letter (VSL) ファネルとは?
Video Sales Letter (VSL) ファネルは、従来のテキストベースのセールスレターを短い動画に置き換えた、現代的なマーケティング手法です。このアプローチが注目を集めている理由は、人間の脳が文字情報よりも視覚的な情報を素早く処理できることにあります。実際に、動画コンテンツは文字情報と比べて、視聴者の記憶に残りやすく、より深い感情的な共感を引き出すことができます。
VSLファネルの基本的な構造は、まず視聴者の注意を引くヘッドラインから始まり、商品やサービスを紹介する本編の動画へと続きます。この動画の部分ではストーリーテリング手法を用いて、視聴者の心に深く訴えかけていきます。動画の下には、商品の購入ボタンを配置します。とてもシンプルなファネルです。
このVSLファネルの最大の特徴は、視聴者との感情的なつながりを構築できることにあります。文字だけでは伝えにくい熱意や情熱、そして商品やサービスへの想いを、あなたの声を通じて直接的に伝えることができます。これにより、視聴者は単なる情報の受け手ではなく、あなたの物語の共感者となり、より深い信頼関係を築くことが可能になるのです。
VSL動画の作り方
VSLファネルの成功の鍵を握るのは、やはり中心となるVSL動画の質です。僕も多くのVSLを作ってきましたが、効果的なVSL動画を作るためには、しっかりとした構造と戦略が必要になります。ここからは、VSL動画を作る上で最も重要な要素について、具体的に解説していきましょう。
まずVSLの動画の台本には色々な型があります。僕も自分の有効コースの中で、VSLのストーリーを22個のステップに分けて作る方法を詳しく解説しています。もし気になる場合は、石崎力也の名前で「22ステップのVSL」と調べて頂くと出てくると思います。ここでは、もっとシンプルなストーリーテリングの方法を紹介します。
その中の1つがエピファニーブリッジストーリーと呼ばれるストーリーテリング手法です。エピファニーとは「啓示」という意味です。何か苦労した出来事があって、そこから何かのヒントを見つけ、解決策を見つけたという流れをストーリーとして伝えていきます。これはClickFunnelsのCEOであるラッセル・ブランソン氏が提唱したストーリーテリング手法です。
これは単なる商品説明ではなく、視聴者の心に深く響くストーリーを通じて、商品やサービスの価値を伝えていく手法です。具体的には、あなた自身が直面していた問題や課題、そしてそれをどのように克服したのかという物語を通じて、視聴者との共感を生み出していきます。
エピファニーブリッジストーリーの構造は、まずバックストーリーから始まります。例えば「僕は以前は、毎月の広告費を投じても思うような成果が出ず、事業の継続に不安を感じていました」というように、視聴者が現在直面している問題と同じような状況にあったことを示します。そして、その問題を解決するために様々な方法を試みたものの、なかなかうまくいかなかった経験を語ります。
このように自身の苦労や失敗の経験を包み隠さず語ることで、視聴者は「この人は本当に私と同じ立場を経験しているんだ」という共感を覚えます。そして、その後にエピファニー(啓示)の瞬間、つまり問題解決の糸口を見つけた決定的な瞬間の体験を語ります。その流れの中で解決策として商品をオファーします。視聴者の心に感情の起伏を作ることで、商品の成約率をアップさせる方法です。
VSLを使ったストーリーテリングの具体例
実際のVSLでは、4つの異なる種類のストーリーを組み合わせることで、視聴者の心を深く動かすストーリーを構築します。例えば、オンラインコース販売のVSLを作る場合、次のように話題を展開していきます。
まず「オリジンストーリー」では、あなたが直面していた具体的な問題から物語を始めます。「僕は以前、個人コンサルタントとして活動していましたが、常に時間に追われていました。1日8時間以上のZoomコンサルで疲弊し、家族との時間も取れない状況でした。そんなとき、あるマーケティングカンファレンスで『コンテンツビジネス』という考え方に出会ったのです」
このように、視聴者が現在抱えている問題(時間に縛られる、収入の上限がある)と同じ状況から始めることで、共感を生み出します。そして、解決策との出会い(エピファニー)を示すことで、希望を提示するのです。
次の「ビークルストーリー」では、なぜオンラインコースが最適な解決策なのかを、具体的な数字や事例を交えて説明します。「オンラインコースは、僕の人生を180度変えました。これまで1時間2万円で提供していたコンサルティングの内容を、4万円のオンラインコースに変えることで、月に50人以上のクライアントをサポートできるようになったのです」
「インターナルビリーフ」のパートでは、視聴者の中にある深い不安に向き合います。「最初は僕も『誰も買ってくれないのでは?』と悩みました。実際、最初のコースはわずか2名の申し込みでした。ですがお客様の声を聞きながら商品の改善を重ねることで、3つ目の商品を売る頃には45名のお申し込みをいただくまでになりました」
最後の「エクスターナルビリーフ」では、「時間がない」「資金がない」といった外的な障壁に対する具体的な解決策を示します。「僕は毎週末の朝2時間だけを動画撮影に充て、12週間で最初のコースを完成させました。スマートフォンでの撮影と編集ソフトだけで、その後数百万円の売上を生み出すことができたのです」
このように、各ストーリーパートで具体的な数字、失敗と成功の経験、そして詳細な方法論を提示することで、視聴者は「自分にもできるかもしれない」という確信を持つことができます。そして、これらのストーリーが互いに補完し合うことで、より説得力のある台本を作り上げることができるのです。
動画制作におけるポイント(長さ・図解・音質)
VSL動画を制作する際には、いくつかの重要なポイントがあります。僕自身、多くのVSL動画を制作してきた経験から、特に気をつけるべきポイントについて解説していきましょう。
まず最も重要なのは、動画の長さです。VSLの場合は5分から10分程度に収めるのがベストです。そのためには、ダラダラとした台本は避けなくてはなりません。そのため、意識的に説明をコンパクトにしましょう。といっても最初からコンパクトにするのは難しいです。なので最初は書きたいことをすべて書いてください。その後で、冗長的な部分を削ったり、短いフレーズに言い換えていくことをオススメします。
視覚的な工夫も重要な要素です。VSLの多くは文字の書いてあるスライドを読み上げる形で収録します。イラストや図解などを効果的に使うことで、視聴者の理解を深めることができます。特に重要なポイントを強調する際には、視覚的に説明したりすることで、メッセージの印象を強めることができます。
動画の音質にもこだわりましょう。実は多くの視聴者は、映像の質よりも音質の方が気になるものです。声が聞き取りづらかったり、ノイズが多かったりすると、せっかくの内容も台無しになってしまいます。BlueのYetiなどの高品質なコンデンサマイクを使用することをオススメします。音質にはしっかりと投資をする価値があります。
VSLの効果を高めるVideo Spoiler Box
Video Spoiler Boxは、VSLファネルの重要な要素の一つです。これはVSLの動画の下に、動画の要点を文字と画像で簡単に示したものです。動画の内容を簡潔に要約することで、視聴者の興味を引き出す仕組みです。
具体的には4つに絞って動画の重要なポイントを出してください。例えば問題提起などをフックとして書いておきます。それに対する解決策も簡単に書いておきましょう。またオファーの内容に関しても軽く触れておきます。このVideo Spoiler Boxの目的は、見込み客に動画を最後まで見てもらうことです。彼らの好奇心を引き出す内容を書くようにしてください。
実際にClickFunnels社が調査したところ、このVideo Spoiler Boxを入れたことで成約率が大きく上昇したという結果が出ています。ClickFunnelsの発表している「108 Split Test」という資料の中では、成約率が73%も上昇したと書かれていました。ぜひこの仕組みも、あなたのVSLファネルに取り入れてみてください。
まとめ:VSLファネルで効果的な動画マーケティングを実現する
ここまでVSLファネルの作り方を紹介してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- VSLファネルは動画を使って視聴者との感情的なつながりを構築し、より深い信頼関係を築くことができるマーケティング手法である。
- エピファニーブリッジストーリーを活用することで、視聴者の心に深く響くストーリーを通じて商品やサービスの価値を効果的に伝えることができる。
- VSLのストーリーテリングには、オリジンストーリー、ビークル、インターナルビリーフ、エクスターナルビリーフの4つの要素を組み合わせることが重要である。
- VSL動画は5〜10分程度の長さに収め、視覚的な工夫と高品質な音声にこだわることで、より効果的なコンテンツを作ることができる。
- Video Spoiler Boxを活用することで視聴者の興味を引き出し、動画の視聴率と成約率を大きく向上させることができる。