あなたはセールスファネルを構築しているマーケターで、ファネルに入ってきたお客さんが離脱したりすることに悩んでいませんか?そんなあなたに、セールスファネルの中でのエンゲージメントを劇的に改善する秘密の武器をお教えします。それは「ストーリー」です。ここでは、ストーリーテリングがいかにセールスファネルを強化し、見込み客の心を掴むかについて詳しく解説していきます。
現代のビジネス環境において、単に商品やサービスの機能を列挙するだけでは、もはや顧客の心を動かすことはできません。毎日膨大な量の情報にさらされている消費者の目にとまり、心に響くメッセージを届けるには、より洗練されたアプローチが必要です。そこで注目されているのが、ストーリーテリングの力です。適切に構築されたストーリーは、単なる事実の羅列以上に、深く記憶に残り、感情を揺さぶり、行動を促す力を持っています。ここでは、なぜストーリーがセールスファネルにとって重要なのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
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あなたのセールスファネルを特別なものにしてくれるのはストーリーである
僕たちは日々、膨大な量の情報に囲まれて生活しています。スマートフォンを手に取れば、瞬時に世界中のニュースにアクセスでき、SNSでは友人や有名人の投稿が絶え間なく流れてきます。こんな情報過多の時代に、あなたのビジネスメッセージを届けるのは、実はとても難しいことなんです。これは僕自身がマーケターとしてオーガニックのブログやYouTube動画を出し、広告を打っていて強く実感していることです。
例えば、あなたが素晴らしい商品やサービスを持っていたとしましょう。オーガニック集客や広告を駆使して、何とか自分のセールスファネルにトラフィックを集めることができたとします。でも、そこで待っているのが商品の機能一覧や論理的な説明だけだったら、どうでしょうか?残念ながら、そこから先に進んでもらうのは至難の業です。
なぜなら、人間は本質的に感情で動く生き物だからです。どんなに優れた機能や魅力的な価格を提示しても、心に響くものがなければ、購入という行動にはつながりません。市場にたくさんの商品が溢れた今、時代的にも感情的な要素が強く求められていると感じています。ここで力を発揮するのが、ストーリーテリングなんです。共感できるストーリーを通して、あなたの商品やサービスの真の価値を伝え、見込み客との信頼関係を築くことができるのです。
ストーリーテリングは、セールスファネルにおけるエンゲージメントを高め、成約率を向上させるための強力なツールです。単なる数字や事実の羅列では伝わらない、商品やサービスの背景にある思いや、それを使うことで得られる体験を、生き生きと伝えることができます。
では、ストーリーを使うことで、実際にどんな効果が得られるのでしょうか?ここからは、ストーリーテリングがセールスファネルにもたらす具体的な効果について、いくつかの要素に分けて掘り下げていきましょう。それぞれの効果を理解することで、あなたのセールスファネルをより強力なものにするヒントが見つかるはずです。
ストーリーの効果#1:見込み客の記憶に強く残る
人間の脳は、不思議なことにストーリーを非常に記憶しやすいようにできています。これには進化の過程で培われてきた理由があります。昔から人類は、重要な情報や教訓をストーリーの形で伝え、記憶してきました。例えば、昔話や神話、伝説などは、単なる娯楽以上の役割を果たしていたのです。
最近の脳科学研究によると、人がストーリーを聞いたり読んだりすると、脳の複数の領域が活性化することが分かっています。言語を理解する領域だけでなく、感情を司る部分や、自分自身の経験と結びつける領域なども同時に働くのです。これは、ストーリーが単なる情報以上の影響を脳に与えることを示しています。
ストーリーには、登場人物、舞台設定、葛藤、展開、解決といった様々な要素があります。これらの要素が複雑に絡み合うことで、単なる事実の羅列よりも、はるかに印象的で記憶に残りやすい体験を提供するのです。セールスファネルにおいても、この特性を活かさない手はありません。
例えば、掃除機の宣伝を考えてみましょう。単に「この掃除機は吸引力が強い」と言うのと、「子育て中のママが、この掃除機で時短清掃を実現し、子供にゆっくり絵本を読んであげる時間ができた」というストーリーで伝えるのでは、どちらが印象に残るでしょうか?後者のストーリーの方が、具体的なイメージを喚起し、記憶に残りやすいのは明らかです。
さらに、自分自身のストーリーを使うだけでなく、お客さんやその他の人のストーリーを活用することも効果的です。例えば、顧客の成功事例やケーススタディなどをストーリー形式で紹介してください。そうすることで見込み客に「自分もできるかも」という希望を与えることができます。また、有名人や歴史上の人物のストーリーを引用し、商品やサービスの価値と結びつけるのもよく使われる手法です。
必ずしも自分のストーリーを使わないといけない、というわけでは無いことは覚えておいてください。セールスファネルの中で、ストーリーを活用できる場面はいくつかあります。具体的にはセールスページ、メール、ウェビナーなどでストーリーを語る機会があります。このような場面でストーリーを織り交ぜることで、見込み客の記憶に残るメッセージを伝えることができるのです。
ストーリーの効果#2:人間の無意識の部分を刺激し感情を動かす
人間は、よく「理性的な動物」と言われますが、実際の行動決定においては感情が大きな役割を果たしています。もちろん、論理的に思考する部分もありますが、人間が感情で物を買うことはあなたも過去の経験からよく理解しているはずです。だからこそ、ストーリーテリングがセールスファネルにおいて重要な役割を果たすのです。
(引用:https://www.nobelprize.org/prizes/economic-sciences/2002/kahneman/biographical/)
ここで、行動経済学の観点からもストーリーの効果を紹介します。ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者ダニエル・カーネマンの理論を紹介します。これを理解するとストーリーの力がより明確になります。カーネマンによると、人間の思考プロセスは「システム1」と「システム2」の2つに分けられます。システム1は直感的、無意識的で素早い判断を行う部分で、感情や過去の経験に基づいて瞬時に反応します。一方、システム2は論理的で意識的な思考を行う部分で、複雑な計算や分析を担当します。
僕たちの日常生活の多くの決定は、実はシステム1によって行われています。感情的なものを処理するのがシステム1です。ストーリーは主にこのシステム1に働きかけ、感情や直感を刺激します。セールスファネルにおいてストーリーを活用することは、このシステム1に直接訴えかけることと同じなんです。つまりストーリーを使うことで、あなたの主張は、論理的な説明よりも素早く受け入れられるようになるのです。
またストーリーには、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、希望、安心といった様々な感情を呼び起こす力があります。これらの感情を通して、見込み客との共感を生み出し、あなたに対する親近感や信頼感を高めることができるのです。より豊かなイメージを相手の頭の中に作りだすことができるのです。単なる商品説明では得られない、深い感情的なつながりを作り出すことができるのです。
例えば、デートに誘う場面を想像してみてください。単に「映画に行かない?」と誘うのと、次のようにストーリーを交えて誘うのでは、どちらが効果的でしょうか。
「この前、友人から面白い映画の話を聞いたんだ。その映画は、主人公が時間を超えて冒険する物語で、観た人の人生観が変わるほど感動的だったらしい。一緒に観て、感想を語り合えたら楽しいと思うんだ。映画を観たら近くの美味しいイタリアンでワイン飲みながら続きを話そうか」
どうですか?後者の方が相手の興味を引き、デートを承諾してもらう確率が高くなるのは明らかですよね。これは、ストーリーが感情を動かし、相手の想像力を刺激するからです。同じ原理が、セールスファネルにも適用できるのです。
セールスファネルでは、発信者であるあなた自身やあなたの見込み客が抱える課題や悩み、そしてそれを解決した喜びなどをストーリーで表現することで、見込み客の心を動かし、購買意欲を高めることができます。また、商品を購入した後、どのようにして今の状態から理想の状態に向かうことができるのかをストーリーで描くことも効果的です。
見込み客は、「他の誰かも自分と同じ悩みを持っている」ということや「商品を買ったらこんな風になれる」と感じることで、ストーリーに共感します。そして、自分にもできるかもしれないという希望を抱くのです。この共感と希望こそが、購買決定の大きな原動力となるのです。
ストーリーの効果#3:行動を促し見込み客を購入へと導く
ストーリーの持つ大きな力の一つが、人々に行動を促すこと。行動のモチベーションを与えることです。特に、主人公が困難を乗り越えて成功するようなストーリーは、見込み客に勇気を与え、「自分も行動を起こせば目標を達成できるかもしれない」という希望を抱かせます。
感情の状態が変われば、見込み客は行動を起こすための決断を下せるようになります。例えば、次のようなストーリーを聞いたら、あなたも何か行動を起こしたくなるのではないでしょうか。
禁煙のケースを考えてみましょう。長年喫煙者で禁煙に失敗し続けてきた人が、孫の誕生をきっかけに禁煙を決意し、苦労の末に健康を取り戻したという感動的なストーリーがあったとします。これを聞いた喫煙者は、自分も禁煙に挑戦しようという気持ちになるかもしれません。
あるいは、語学学習の例を見てみましょう。海外旅行で言葉が通じず苦労した経験から、必死で英語を勉強し、次の旅行では現地の人々と深く感動的な交流ができた人のストーリーがあったとしましょう。これを聞いた人は、自分もオンライン英会話や語学学習アプリを始めてみようと思うかもしれません。
投資の世界でも同様です。長年の夢だった両親への恩返しとして、投資で得た利益で両親を豪華な世界一周クルーズに招待できた娘のエピソードはどうでしょう。これを聞いた人は、家族のために投資を学ぼうと決心するかもしれません。
このような物語は、聞き手に「自分もできるかもしれない」という希望を与え、行動を起こすきっかけを提供するのです。セールスファネルにおいても、同じ原理が適用できます。見込み客に「自分も変われる」という希望を与えるストーリーを伝えることで、商品購入やサービスの契約といった次のステップへ進むよう促すことができるのです。
重要なのは、ストーリーを通じて見込み客に「自分にもできる」という自信と、「今すぐ始めなければ」という緊急性を感じてもらうことです。そうすることで、セールスファネルの次のステップへと自然に導くことができるのです。
ストーリーの効果#4:あなただけの差別化を生み出す
現代のビジネス環境において、商品やサービスの機能や価格だけで差別化を図るのはとても難しくなっています。技術の進歩と生産コストが大幅に下がったので、多くの商品がコモディティ化し価格競争に陥っています。それは物理的な物だけでなく、情報やノウハウなどを扱う無形商品でも同じです。このような状況下で、あなたの独自性を確立し顧客の心に残る存在になるためには、ストーリーの力が不可欠です。
ストーリーは、自分らしさを表現する強力なツールです。単なる商品説明では伝えきれない、ブランドが持っている背景や哲学を、感動的なストーリーを通じて伝えることができます。これにより、商品やサービスに独自性と深みを与え、競合他社との明確な差別化を図ることができるのです。
ブランドの価値観などと言うと、「それは大企業のブランディングの話でしょ」と思う人もいるかもしれません。しかし、個人事業主やフリーランスの場合でも、ストーリーを通じた差別化は十分に可能です。むしろ、個人の場合は自分自身の経験や価値観をストーリーに織り込むことで、より親密で独自性の高いブランドイメージを構築できる可能性があります。
例えば僕、石崎力也の経験を少し紹介させてください。僕は現在ポルトガルに住んでいますが、元々は金沢の出身です。ために金沢弁を時々使ったりするので、特に同じ金沢や関西の人から親近感を持ってもらえています。僕自身は金沢弁じゃなくて標準語にしなきゃと思っていたのですが、どうやらこれは、僕のパーソナリティの一部として捉えてもらえているようです。
また、僕には4人の子供がいます。このことも色々なところで発信しています。同じ業界で家族構成のことを話しているビジネスパーソンはあまりいません。だからこそ、子供のいる30代、40代の男性からすごく共感を得られ、商品を買ってもらえるケースが多いんです。彼らは僕の家族に関するストーリーを通じて、自分たちの生活や悩みと重ね合わせてくれるんですね。
さらに、僕は海外経験が人より多い方だと思います。なので大学時代の留学経験や、世界中を旅する中で家族で海外に移住するに至った経緯などをシェアしています。これらのストーリーは海外に興味のあるお客さんから強い共感を得られます。彼らは僕のストーリーを通じて、自分たちの海外への憧れや不安を投影し、僕を憧れの存在として思ってくれているようです。
趣味の面でも、サーフィンやスノーボード、スケートボード、ギター、総合格闘技などのアクティビティを楽しんでいることを伝えています。これらの趣味は、僕がアクティブに人生を楽しんでいるという印象を与え、「ただビジネスばかりやっている人とはなんか違う」と思ってもらえているようです。
ここで重要なのは、これらの特徴や経験を単に列挙するのではなく、ストーリーを通して伝えることです。例えば、海外までサーフィン遠征に行った話や、格闘技の練習で負傷した経験など、具体的なエピソードを交えて語ることで、より印象深く、記憶に残りやすくなります。
このようなストーリーを通じて自分のキャラクターやパーソナリティを表現することで、競合他社や他の個人事業主との明確な差別化を図ることができるのです。見込み客は、あなたの商品やサービスだけでなく、あなた自身のストーリーに共感し、信頼を寄せるようになります。これこそが、たくさんのプレイヤーがいる市場の中で独自性を生み出す力なのです。
ストーリーを通じた差別化は、大企業だけのものではありません。むしろ、個人事業主やフリーランサーこそ、自分自身の経験や価値観を生かしたユニークなストーリーを持っているはずです。それを効果的に活用することで、大企業にはない親密さと独自性を持ったブランドイメージを構築することができるのです。
セールスファネルにおいて、このようなストーリーを適切に配置することで、見込み客はあなたの商品やサービスを単なる選択肢の一つとしてではなく、共感できる価値観を持った唯一無二の存在として認識するようになります。これこそが、ストーリーテリングがもたらす最も強力な差別化の効果なのです。
まとめ:ストーリーテリングはセールスファネルを強化する強力なツール
ここまでストーリーテリングがセールスファネルに与える効果について紹介してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- ストーリーは人間の脳に記憶として強く残りやすく、セールスメッセージの印象を深める。
- ストーリーは人間の無意識的な部分を刺激し、感情を動かすことでより効果的に訴求できる。
- ストーリーは見込み客に行動を促し、セールスファネルの次のステップへと自然に導く。
- ストーリーを通じて自分らしさを表現することで、競合他社との明確な差別化が図れる。
- 個人事業主やフリーランサーこそ、自身の経験や価値観を生かしたユニークなストーリーを持っている。