あなたはネットで自分のコンテンツやサービスを販売する個人の専門家として、新規の見込み客を獲得する方法を探していませんか?SNSやブログでの情報発信だけでは、なかなか新規リードの獲得の効果も出にくくなってきているのではないでしょうか。ここでは、個人でも始められる集客方法として注目を集めているサミットファネルを取り上げます。具体的な成功事例を交えながら紹介していきます。
サミットファネルは、オンラインやオフラインのイベントを入り口として見込み顧客の連絡先を取得するセールスファネルです。専門家の講演などを無料で提供する代わりに、見込み客を集めることが可能です。近年ではオンライン化の影響もあり、オンラインイベントの重要性が高まっています。その中でも特にサミットファネルは、BtoB、BtoCを問わず多くの企業で採用され始めています。見込み客の獲得方法として注目されつつあります。それでは、国内におけるサミットファネルの具体的な事例を見ていきましょう。
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事例1:Sansan Innovation Summit
最初に紹介するのは、名刺管理サービスで業界をリードするSansan株式会社が主催する「Sansan Innovation Summit」です。このイベントは、国内最大級の営業DXサミットとして知られています。サミットには日本では色々な名前が当てられていて、カンファレンスなどと呼ばれることもあります。
このSansan Innovation Summitは、1,500名以上の参加者が集まる大きなイベントです。このイベントの特徴は、単なる自社サービスの説明会ではなく、企業の働き方改革やDX推進に関する知見を講演という形で一般に公開している点にあります。つまりこの「無料で経営者の話を聞くことが出来る」ということ自体がリードマグネットとして機能しているわけです。
(画像引用:https://sin.sansan.com/lp/sis2024/)
基調講演では、有名企業の経営者やDXの専門家が登壇し、最新のトレンドや成功事例を紹介します。セールスフォースやサンリオの経営者なども登壇しています。また、複数のブレイクアウトセッションを設けることで、参加者は自身の興味や課題に応じて、より深い知識を得ることができます。ブレイクアウトセッションというのは、メインの基調講演とは別に設けられる分科会のような小規模なセッションのことです。例えば「営業DXの具体的な導入方法」や「リモートワークの導入方法」など、より専門的なテーマについて深く掘り下げた内容が提供されます。
またオリジナルビールを提供しているネットワーキングスペースなどもあります。参加者はそこでお互いに交流を深め、意見交換などができるようになっています。このイベントのポイントは、ターゲットを企業の経営者や営業責任者、DX推進担当者といった管理職に明確に絞り込んでいることです。また、基調講演やブレイクアウトセッション、ネットワーキングスペースなど、多様なコンテンツが用意されています。それらが参加者の興味を引き出し、長時間の参加でも飽きさせない工夫がなされています。
事例2:フリーランスサミット
StockSun株式会社が主催する「フリーランスサミット」は、フリーランスや独立を目指す個人を対象とした大規模イベントです。約4,500名もの参加者が集まった実績があります。
(画像引用:https://stock-sun.com/summit/)
このイベントでは、フリーランスとして成功するために必要な実践的な情報や、最新のトレンド情報を提供することに重点を置いています。
イベントの目玉となる基調講演では、DJ社長や田端慎太郎さん、やまもとりゅうけんさんといった、フリーランスとして成功を収めている著名人が登壇します。彼らは自身の経験に基づいた具体的な成功の秘訣を共有し、参加者に実践的なヒントを提供します。具体的には「エンジニアとして独立し、年収3000万円を超える方法」とか「無数のフリーランスに発注してわかった優秀な人の特徴」などのテーマで講演が行われます。
(画像引用:https://stock-sun.com/salon/)
またこのイベントの大きな特徴は、来場者特典として自社サービスを無料で体験させている点にあります。このサミットを運営している会社は、月額制のオンラインサロン「StockSunサロン」を運営しています。このオンラインサロンではフリーランス向けの営業や独立ノウハウなどの動画コンテンツが視聴できます。
それだけでなく、オンラインサロン内ではキャリア相談やフリーランス向けの案件紹介などのサポートも受けられます。来場者特典は、オンラインサロンの1ヶ月無料体験です。通常月額4,400円のところ、イベント参加者は1ヶ月間無料でサロンを利用することができます。単にリストを取るだけでなく、自社サービスを無料体験させている面白い例です。
事例3:生成AIサミット
Workstyle Evolutionが主催する「生成AIサミット」は、生成AI活用に特化したオンラインイベントとして注目を集めています。大きな企業が開催しているわけではありませんが、SNSなどを通してジワジワと人気が上がっています。
(画像引用:https://generativeai-summit-4.peatix.com/)
これまで数回の開催で累計申込者が1万名を超えるほどの人気イベントに成長しています。生成AIの最新動向や具体的な活用事例を共有することで、ビジネスで即実践できる知見を提供しているのが特徴です。
基調講演では生成AI分野の第一人者が登壇し、最新のトレンドや活用戦略について詳しく解説します。例えば「AIでのシステム開発の最新情報」だったり、「ビジネスの現場で業務に特化したAIの活用方法」などのテーマで講演がなされます。このイベントの特徴は、オンライン開催によって多くの人に参加機会が提供されている点です。全国各地から参加者を集めることができ、生成AI活用の知見共有とコミュニティ形成に大きく貢献しています。こういったオンラインでのサミット開催を、バーチャルサミットなどと呼んだりもします。
また、面白いのが視聴者参加型の取り組みです。例えば、このサミットでは一般視聴者を対象として「生成AI活用術」や「プロンプトエンジニアリングのアイデア」などのコンテストを開催しています。優勝者には賞金5万円が贈られます。視聴者参加型のコンテストを導入することで、双方向のコミュニケーションを実現し、参加者の積極的な関与を促しています。
Workstyle Evolutionは、企業の生成AI活用を支援するサービスを提供している会社です。導入支援や生成AIの活用方法を解説する社内向けの研修などもサービスの1つです。サミットに登録すると定期的にメールでAIに関する最新情報を紹介するニュースレターが届きます。このようにサミット終了後も定期的に見込み客との接点を保ちつつ、自社サービスに興味を持ってもらう活動を行っています。
事例4:「個人で戦う起業家のシン・戦略」サミット
ここまで大規模なイベントを紹介してきましたが、サミットファネルは個人や小規模チームでも十分に活用できます。その1つの例として「個人で戦う起業家のシン・戦略」というサミットがあります。
(画像引用:https://peatix.com/event/4224805)
これは、個人の起業家やそれを目指す人に必要な戦略を伝えることを目的に開催されたオンラインサミットです。このイベントの特徴は、スモールビジネスの成長戦略に焦点を当てた実践的な内容にあります。オンラインで起業家が自身の経験に基づいた成功事例や戦略を詳しく解説しています。ライフコーチやプロデューサーといったオンラインでビジネスをしている個人が講演者として呼ばれています。
オンラインでの開催なので会場を借りる必要もなく、コストも低く抑えることができています。オンライン開催のサミットは、個人や小規模チームにとって大きなメリットと言えます。このイベントは、仲の良い起業家仲間同士で集まっているという印象があります。個人でサミットを開催する場合、なかなか有名な経営者を呼んで話をしてもらうのは難しいところがあります。
その場合は知り合いの中から専門知識を持つ人たちに声を掛けて、講演者として呼べばよいのです。一般的に、まだまだ規模の小さいサミットファネルは少ないです。ですがサミットファネルは大企業しかできないという訳ではなく、価値ある話をできる個人同士でも始められる。そのことをぜひ覚えておいてください。
まとめ:サミットファネルの成功のポイントと活用方法
ここまで国内のサミットファネルの事例を紹介してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- サミットファネルは、企業の規模に関わらず活用できる効果的な見込み客獲得の手法である。
- 参加者に価値ある情報を提供することで、自然な形でリード獲得とブランディングが可能である。
- 参加者同士の交流機会や双方向のコミュニケーションを設けることで、イベントの満足度が向上する。
- オンライン開催を活用することで、低コストで開催することができる。
- 著名人を呼べない場合でも、専門知識を持つ仲間同士で講演者を集めることで開催が可能である。