あなたはデジタル商品を売るマーケターやWebサービスのオーナーとして、見込み客の獲得に苦労していませんか?「せっかくサイトに来てくれた人がいても、なかなか顧客に繋がらない…」そんな悩みを抱えているのであれば、サーベイファネルの導入を検討してみてください。ここではサーベイファネルの基礎から実践的な活用法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
現代のマーケティングにおいて、一律のメッセージでは顧客の心を掴むことが難しくなっています。1つには顧客のニーズの多様化があります。それぞれの人が異なる課題や目標を持っています。さらに最大公約数的に広く大多数の人をカバーするようなメッセージに、人々が飽きてしまったというのもあります。そんな中で注目を集めているのが、見込み客一人ひとりに合わせたアプローチを可能にする「サーベイファネル」です。サーベイファネルを使うことで、サイトのコンバージョン率をアップさせることができます。ここからは、この珍しいセールスファネルを詳しく説明していきます。
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はじめに:コンバージョン率の高い「サーベイファネル」とは?
サーベイファネル(Survey Funnel)は、見込み客にアンケートのような複数の質問に答えてもらい、その結果を元に別々のオファーを出すことができるセールスファネルです。サーベイというのは、英語で「調査」という意味です。従来のマーケティングでは、すべての見込み客に対して同じメッセージを届けていました。しかし、それでは一人ひとりの興味や関心に応えることができず、せっかくの見込み客を取り逃がしてしまう可能性が高くなります。
サーベイファネルの最大の特徴は、顧客の興味に応じてオファーをパーソナライズできる点です。例えば英語学習の商品を販売している場合、「ビジネス英語が必要」という人と「海外旅行で使いたい」という人では、訴求やアプローチの仕方を変える必要があります。サーベイファネルを使えば、見込み客のそれぞれの目的に合わせて最適なオファーやサービスを提案することが可能になります。ビジネス英語が必要な人には、サーベイの最後でビジネス英語に関するリードマグネットをオファーするといった具合です。
従来のアンケートとサーベイファネルの大きな違いは、その目的にあります。一般的なアンケートは顧客理解のために行われますが、サーベイファネルは具体的なアクション(商品購入やメールアドレスの登録など)に繋げることを目指します。質問に答えてもらうことで見込み客の興味や課題を特定し、その人に最適なオファーを提示することで、コンバージョン率を向上させることができるのです。
サーベイファネルの仕組み:セグメント化して最適なオファーへ誘導
サーベイファネルの基本的な仕組みは、アンケート(サーベイ)を通じて顧客の属性や興味関心を把握し、複数のセグメントに分類することから始まります。例えば、あなたがネットビジネスのコンサルティングを提供している場合、質問項目は例えば「現在の収入」「目標」「過去のビジネス経験の有無」のようになります。あらかじめ作成しておいたフォームを使って、見込み客にこれらの質問をしていきます。
質問の項目は複数用意しておきますが、その中でも特に重要なのが「バケットクエスチョン」と呼ばれる質問です。これは見込み客をセグメントに分類するための最も重要な質問で、他の質問項目の中に紛れ込ませてあります。例えば「あなたのビジネスは今どのフェーズですか?」といった質問がバケットクエスチョンにあたり、この回答によって見込み客を適切なセグメントに振り分けることができます。
質問を通して、例えば見込み客を「まだ起業準備中」「すでに副業として実践中」「独立して本業として活動中」といった振り分けをしていきます。ビジネスであれば、それぞれのフェーズで悩みが異なります。なので、それぞれのフェーズに合わせて最適化されたランディングページを用意します。起業準備中の人には「リスクを最小限に抑えた起業方法」を、副業実践中の人には「限られた時間で成果を出す方法」を提案するといった具合です。
このように、各セグメントのニーズに合わせたメッセージやオファーを提示することで、より細分化された提案を見込み客に届けることができます。これを複数の種類のリードマグネットと組み合わせれば、見込み客の獲得率が高まります。またこのサーベイファネルは、商品の販売にも使うことができます。つまり、サーベイファネルでは見込み客に合わせて提案を分岐できるので、リード獲得から商品の販売まで幅広く使うことができるのです。
なぜ効果的?サーベイファネルのメリット
サーベイファネルが効果的な理由の一つは、見込み客が質問に答えるというサンクコストを払っているという点です。僕自身、色々なクリエイターのサーベイファネルに実際に入ってみたことがあります。最初は軽い気持ちで質問に答え始めるのですが、途中まで来ると「ここまで答えたんだから、最後まで見てみよう」という気持ちが強くなっていきます。これは人間の心理として自然な反応です。いくつかの質問に答えてしまったということがサンクコストになって、なかなか途中では離脱しにくいというメリットがあります。
さらにサーベイの出口にも面白い特徴があります。質問の最後で、アンケート結果に応じた内容を個別にメールすることを伝えます。そうすると見込み客は診断結果が気になるため、そこでメールアドレスを入力してくれる確率が高くなります。パーソナライズされた内容が欲しくて、メールアドレスを入力してしまうというのも、このサーベイファネルの面白いところです。
もう一つの大きなメリットは、見込み客の絞り込みによる取りこぼしを防止できる点です。通常のマーケティングでは、効果的なメッセージを届けるためにペルソナを細分化し、特定のターゲット層に絞り込むアプローチが一般的です。しかし、この方法では必然的にリーチできる母数が減少してしまうというデメリットがあります。サーベイファネルを活用することで、この課題を解決し、幅広い層にアプローチしながらも、個々のニーズに応じた最適なメッセージを届けることが可能になります。
知っておきたい!サーベイファネルのデメリット
サーベイファネルには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの注意点も存在します。最も大きな課題は、作成に必要な時間とリソースです。サーベイファネルを構築するためには、アンケートの設計から複数のランディングページの作成、それに繋がるメールシーケンスの準備が必要です。かなりの労力が掛かります。
また、サーベイファネルは複雑な設計が必要となります。顧客セグメントを適切に設定し、それぞれに最適化されたコンテンツを用意する必要があるため、十分な準備が求められます。オファーを分岐できることはメリットですが、その分だけ準備が増えるということもぜひ忘れないでください。そのため、じっくり計画をして、作業時間を確保して作る必要があることは覚えておいてください。
サーベイファネルはどんなビジネスに向いている?
サーベイファネルは、特にリード獲得を強化したいビジネスや、多様な顧客層を持つビジネスに適しています。例えば、ダイエットや投資など、年齢、性別、地域、興味関心といった顧客の属性が多岐にわたる分野では、サーベイファネルを活用することで、それぞれの見込み客に最適なアプローチが可能になります。
複数の商品やサービスを展開している企業にとっても、サーベイファネルは強力なツールとなります。見込み客の課題やニーズを把握することで、最適な商品を提案することができます。そして結果としてより高い成約率を実現できます。特に高額商品や、検討期間の長い商材を扱っている場合、見込み客の育成が重要になります。サーベイファネルを通じて獲得したリードは、より質が高く、成約に至る可能性も高くなります。
まとめ:サーベイファネルで高コンバージョンを実現!
ここまでサーベイファネルの基礎知識と効果的な活用法を紹介してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- サーベイファネルは、見込み客に質問し、その回答に応じて最適なオファーを提示できるセールスファネルである。
- 従来のアンケートと異なり、購入やメール登録などの具体的なアクションに繋げることを目的としている。
- サーベイファネルのメリットは、見込み客のサンクコストによる離脱防止と、パーソナライズされた提案による高いコンバージョン率である。
- デメリットとしては、複数のランディングページやメールシーケンスの準備など、作成に時間とリソースがかかる点がある。
- 多様な顧客層を持つビジネスや、複数の商品・サービスを展開するビジネス、見込み客に対する教育が必要なビジネスに特に効果的である。