あなたはブログで集客している個人事業主として、もっと多くのリードを獲得する方法を探していませんか?単なるリードマグネットだけでなく、もっと他に効果的にリストを増やせる新しい手法を知りたいと思っているはずです。ここでは、海外で「サーベイファネル」として注目を集めているマーケティング手法と、その手法を上手く活用している国内企業の事例を紹介していきます。
サーベイファネルとは、質問を通じてリードを獲得するマーケティング手法です。お客さんに質問を投げかけ、その回答に応じて最適なオファーやリードマグネットを提案することで、高いコンバージョン率を実現できます。回答に対する結果が気になって見込み客がオプトインしてくれる仕組みです。この手法は海外では個人事業主の間でも使われていますが、実は日本国内でも「診断コンテンツ」という形で成果を上げている企業があります。大手企業の実践事例を研究することで、僕たち個人事業主も使えるヒントが見つかるはずです。そこでここは4つの国内企業による診断コンテンツの活用事例を詳しく紹介し、サーベイファネルをより身近に感じて頂きたいと思います。
今回お届けするノウハウはこちら
事例1:トヨタの「クルマの乗り方診断」
日本を代表する自動車メーカーであるトヨタは、「クルマの乗り方診断」という診断コンテンツを展開しています。この診断の目的は、顧客のライフスタイルやニーズに合った最適な車の利用方法を提案することです。
トヨタは従来の新車販売だけでなく、中古車やサブスクリプション、レンタカー、カーシェアなど、多様なサービスを展開していますが、顧客自身が自分に合ったサービスを見つけることは意外と難しいものです。
診断では、クルマの利用頻度や使用目的など、シンプルな質問を通じて顧客のニーズを明確化していきます。例えば「クルマはどれくらいの頻度で利用したいですか?」という質問では、ほぼ毎日から月1回程度まで、様々な選択肢が用意されています。また「どんなふうにクルマを使いたいですか?」という質問では、急な外出に対応したいのか、計画的な利用を考えているのかを確認します。
特に興味深いのは、診断の途中で中間結果を表示する工夫です。わずか2問の質問で、おおよその利用タイプを判定し、それに合ったサービスを提案します。ユーザーは診断を続けることも、その時点で提案されたサービスを確認することもできます。これは、ユーザーの離脱を防ぎながら、段階的に最適なサービスへと導く巧妙な仕組みと言えます。さらに診断では、乗りたいクルマのタイプへのこだわりや、一回あたりの利用時間なども確認していきます。
これらの回答を総合的に分析し、新車購入、中古車購入、KINTOというサブスク、レンタカー、カーシェアといった、トヨタの各サービスへと誘導していくのです。この仕組みではメールアドレスなどの個人情報を取得せずに、直接サービスへの誘導を行っています。これはオプトインを取らずに直接サービスへの誘導を行っている診断の例です。
事例2:ライフネット生命の「保険料見積り」
オンライン専業の生命保険会社であるライフネット生命は、「あなたの保険料はいくら?を10秒で見積もり」という診断コンテンツを提供しています。
保険という商品は一般的に複雑で分かりにくいものですが、この診断コンテンツは、顧客の年齢、性別、家族構成などに合わせて、最適な保険プランと保険料を分かりやすく提示することを目的としています。
診断の流れはシンプルです。まず生年月日と性別を入力し、次に見積りたい保険商品を選択します。その後、医療保険やがん保険などの項目別に、必要なオプションをオン・オフで選択できるようになっています。このように段階的に選択肢を絞っていくことで、顧客は自分のニーズに合った保険プランを具体的にイメージすることができます。
診断結果では、選択した内容に基づいて具体的な保険プランと保険料が表示されます。ここで重要なのは、その場でオンライン申し込み手続きに進めるという点です。
さらに、「見積り内容をメールまたはSMSで送信」という機能を用意することで、すぐに加入を決断できない見込み客の連絡先情報も取得できるようになっています。ここでリード獲得を行っています。利用者側からすれば、一度検討するのに時間を使ったというサンクコストがあります。そのサンクコストをムダにしたくない気持ちから、連絡先情報を登録してくれるのです。
事例3:ビズリーチの「採用スタイル診断」
ハイクラス人材向けの転職サイトを運営するビズリーチは、「採用スタイル診断」という独自の診断コンテンツを展開しています。
この診断の面白い点は、求職者ではなく採用担当者に焦点を当てていることです。企業の採用担当者が気づいていない採用スタイルの特徴や課題を明確化し、採用の行き詰まりを解消するヒントを提供することを目的としています。
診断は全部で8問の質問で構成されており、性格診断のような質問が並びます。「言いにくいこともハッキリ相手に伝えますか?」や「努力より結果を重視するタイプですか?」などといった質問です。「人前でスピーチするときには堂々としていられるか?」といったものもあります。これらの質問に答えることで、採用担当者の採用スタイルがタイプ別に分類されます。
診断結果では、「マイペース型」「個性重視型」「職人気質型」「ポジティブ型」などのタイプが提示され、それぞれのタイプに応じた詳細な分析とアドバイスが提供されます。例えば、マイペース型の人には「何があっても動じないので安定している反面、問題点があってもそのままにしてしまう場合がある。だから迅速な行動を心がけましょう」といったアドバイスが提供されます。
診断後は「ビズリーチで候補者をお試し検索する」「ビズリーチの価格表ダウンロード」といったCTAを設置し、名前とメールアドレスを取得する仕組みになっています。このように、BtoBビジネスにおいても診断コンテンツは有効なリード獲得手段として機能します。
事例4:ジャスネットキャリアの「経理職のための働き方診断」
最後は経理・会計分野に特化した転職エージェントであるジャスネットキャリアの例を紹介します。この会社は、「経理職のための働き方診断」という専門的な診断コンテンツを提供しています。
この診断は経理職の求職者に対して、自身の性格に合った働き方を提案することを目的としています。専門職に特化した診断コンテンツという点で、非常にユニークな事例と言えます。
この診断でも「人前で話すことは嫌いではない」「物事を悪い方に考えがち」「トップより2番目か3番目ポジションが居心地いい」といった性格に関する質問がされます。これらを通じて、性格タイプやキャリア志向を分析します。これらの質問は、経理職という専門性の高い職種において、どのような環境や役割が最適かを判断するために設計されています。
診断結果では、36種類のタイプに分類された働き方のアドバイスが提供されます。「慎重に物事を推し進める人」「完璧さを求める人」「成功を追い求める人」などの性格タイプが出てきます。それぞれの性格タイプごとに、その性格の特徴や、プラスの面、よくある行動や考え方について詳しく説明されます。
そして「では自分は実際にどんな風に働けばよいのか?」という具体的なアドバイスについては、オプトイン後に見られる仕組みになっています。オプトインではメールアドレスと電話番号を取っています。このように段階的に情報を提供することで、質の高い見込み客リストを作成することに成功しているのです。
まとめ:診断コンテンツで顧客の心を掴む
ここまでサーベイファネルの例としての国内の診断コンテンツの事例を紹介してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- 診断コンテンツは、顧客の興味関心に合わせてセグメント化されたオファーを提案できる効果的なマーケティング手法である。
- 性格診断のような要素を取り入れることで、顧客の興味を引き付け、エンゲージメントを高めることができる。
- 段階的な情報提供と適切なタイミングでのオプトイン要求により、質の高いリードを獲得することが可能である。
- BtoBビジネスでも、採用担当者向けなど、ターゲットを明確にした診断コンテンツは効果的に機能する。