あなたは自分でセールスファネルを作ったマーケターで、ファネルからなかなか商品が売れないと悩んでいませんか?ファネルから商品を売るためには見込み客の心理を深く理解し、彼らの不安や懸念を解消することが成功への近道となります。ここでは、セールスファネルの中でストーリーテリングを使うことで、見込み客の不安や懸念を解消して成約率を上げる方法を解説します。
デジタルマーケティングの世界では、優れた商品やサービスを提供するだけでは十分ではありません。特に、セールスファネルの構築において、ストーリーテリングは非常に重要な役割を果たします。オンラインでは、リアルのセールスのようにお客さんの不安や懸念にリアルタイムで答えることができません。そのため、あらかじめ見込み客が抱えうる不安や懸念の種類を想定し、それに対処する準備をしておく必要があります。適切なストーリーを用意することで、見込み客の心に響き、行動を促すことができるのです。ストーリーテリングの力を活用して、見込み客の心の壁を取り除き、成約率を高める方法を一緒に見ていきましょう。
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False Beliefが見込み客の購入を妨げている
まず、見込み客が購入を躊躇する原因となるFalse Belief(フォールス・ビリーフ)という概念について詳しく見ていきましょう。False Beliefとは、見込み客が過去の経験や他人からの情報から作ってしまった誤った思い込みのことを指します。誤解や固定観念と言い換えることもできます。実は商品が売れないという場合、これらが商品やサービスを購入する際の心理的な障壁となっていることがあります。
例えば、あなたが素晴らしいオンラインコースを提供していたとします。でも見込み客が「オンラインでの学習には効果がない」というFalse Beliefを持っていれば、なかなか購入まで繋がりません。あるいは、革新的なダイエット商品を販売していたとします。でも「自分は意志が弱いからダイエットは続かない」というFalse Beliefがあれば、見込み客は購入を躊躇してしまいます。
このようなFalse Beliefは、見込み客の中で「この商品は自分に合わない」「このサービスは高すぎる」「商品を買っても使う時間がない」といったネガティブな判断につながります。そのため、いくら魅力的な商品やサービス、そして巧みなセールスファネルを用意したとしても、なかなか成約に結びつかないのです。
したがって、セールスファネルを構築する際には、見込み客が抱えている可能性のあるFalse Beliefを想定し、それらを解消するストーリーを用意することが非常に重要となります。見込み客の心の中にある壁を理解し、それを取り除くことができれば、セールスファネルの効果は飛躍的に向上するはずです。
3つのFalse Beliefの種類を見極める
ではFalse Beliefには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。見込み客が抱えるFalse Beliefは、大きく分けて次の3つのカテゴリーに分類できます。それぞれのカテゴリーについて、詳しく見ていきましょう。
カテゴリー1:「この方法では解決できない」というVehicle(手段)に対するもの
1つ目は、Vehicle(手段)に対するFalse Beliefです。Vehicleとは乗り物や手段を表す英語です。このVehicleに対するFalse Beliefとは「あなたが提供する商品やサービスが、自分の問題を解決してくれる手段として妥当なのか?」「本当にこの方法でいいのか?」という疑念を持っていることを指します。
例えば、「オンラインコースビジネスは難しそうで、自分には無理なんじゃないか」「SNSマーケティングは若者向けで、自分の業界には適していないだろう」「このダイエット食品は本当に効果があるのだろうか」といった思い込みがこれにあたります。
見込み客は、あなたが提供する商品やサービスが、本当に彼らの問題を解決してくれるのか、疑念を抱いているのです。この種のFalse Beliefは、商品やサービスの効果や信頼性に対する不安から生まれます。
カテゴリー2:「自分には資質がない」というInternal(内的)なもの
2つ目は、Internal(内的)なFalse Beliefです。Internalとは、見込み客自身の中に何かが足りないと感じていることを指します。これは、見込み客が自分自身に能力がない、努力が足りないなど、内的要因によって成功できないと思い込んでいる状態を指します。
具体的には、能力や才能、性格や気質、知識や経験といったものが挙げられます。「自分には才能がないから、成功するのは無理だ」「自分は意志が弱いから、ダイエットは続かないだろう」「自分には知識や経験が足りないから、起業なんてできない」といった思い込みがこれに該当します。
このタイプのFalse Beliefは、見込み客の自信の欠如や自己肯定感の低さから生まれることが多いです。そのため、見込み客の内面に働きかけるアプローチが必要となります。
カテゴリー3:「今の環境では無理だ」というExternal(外的)なもの
3つ目は、External(外的)なFalse Beliefです。これは、時間がない、お金がない、周りの環境が良くないなど、外的要因によって成功できないと思い込んでいる状態を指します。
内的なFalse Beliefが見込み客自身の内面に関するものだったのに対し、外的なFalse Beliefは見込み客を取り巻く環境や状況に関するものです。「自分には時間がないから、副業を始めるのは難しい」「自分にはお金がないから、この商品は買えない」「自分の家族は反対するだろうから、起業は諦めるしかない」といった思い込みがこれにあたります。
このタイプのFalse Beliefは、見込み客が置かれている現在の状況や環境に対する諦めや無力感から生まれることが多いです。社会的な状況などから、思考停止で無意識に生まれることも多いです。その無意識の部分を覆すためにストーリーを使うのがとても有効だと思います。この外的な思い込みには環境を変える方法や、現状のままでも工夫することで成功できる可能性を示すアプローチが効果的です。
例を紹介:ストーリーテリングでFalse Beliefを打ち破る
ここまで紹介してきた3つのFalse Beliefは、それぞれ異なる性質を持っています。ですが、いずれも見込み客の行動を阻害する大きな要因となります。では、これらのFalse Beliefを打ち破るためのストーリーテリングの方法について詳しく見ていきましょう。
ストーリーテリングは、見込み客のFalse Beliefを打ち破るための強力な武器となります。それぞれの思い込みの種類に対応したストーリーを語ることで、見込み客の心に響き、感情を揺さぶり、行動を変えるきっかけを与えることができるのです。なぜストーリーが効果的なのでしょうか?それは、人間が決断を下す際には、感情の状態を変える必要があるからです。
そして、感情の状態を変えるには、ストーリーが最も効果的な手段なのです。論理的な説明だけでは、なかなか人の心は動きません。しかし、共感できるストーリーに触れることで、人は自分の状況を客観的に見つめ直し、新たな可能性を感じ取ることができるのです。それでは、先ほど紹介した3つのカテゴリーのFalse Beliefに対して、それぞれどのようなストーリーを用意すれば良いのか?それを具体的に見ていきましょう。
例1:Vehicleに対するFalse Beliefを打ち破るストーリー
Vehicle(手段)に対するFalse Beliefを打ち破るストーリーを作る際のポイントは、商品やサービスの効果を証明する具体的な事例を語ることです。また、複雑な仕組みや専門用語をわかりやすく解説し、初心者でも簡単に始められる、使いこなせることを強調するのも効果的です。
例えば、「オンラインコースビジネスは難しそうで、私には無理なんじゃないか」という思い込みに対しては、次のようなストーリーが効果的でしょう。
「僕自身、最初はオンラインコースの作成に不安を感じていました。専門知識もなく、動画編集なんて全くの素人。でも、試行錯誤の中でたくさんのコースを作っていくうちに、誰でも簡単に作れる方法を見つけたんです。例えば、スマートフォンで撮影した動画でも、ちょっとしたコツを押さえれば十分に魅力的なコースが作れることがわかりました。今では、その経験を元にやり方を1からまとめて、初心者の方にも分かりやすく伝えています。もちろんこの商品にもその方法を盛り込んでいます。」
どうでしょうか。このストーリーでは、見込み客の不安に共感しつつ、実際に成功した経験を語っています。またそこで終わらずに、自分でまとめた方法論が商品の中に入っているという安心感もあります。それによって「自分にもできるかもしれない」という希望を与えています。
例2:InternalなFalse Beliefを打ち破るストーリー
Internal(内的)なFalse Beliefを打ち破るストーリーのポイントは、能力や才能がなくても、努力次第で成功できることを示すことです。また、失敗を恐れずに挑戦することの大切さを伝え、自分と同じような境遇から成功した人のストーリーを語ることも効果的です。
例えば、「自分には才能がないから、成功するのは無理だ」という思い込みに対しては、次のようなストーリーが効果的でしょう。
「僕の友人に、絵が全く描けなかった人がいました。でも、その人は毎日少しずつ練習を重ねました。最初は本当に下手で、周りからも笑われていたそうです。でも、諦めずに続けた結果、半年後にはSNSで注目されるイラストレーターになったんです。才能?そんなものは関係ありません。大切なのは、諦めずに続けること。毎日15分でもいいから小さな一歩を積み重ねることで、誰でも驚くほどの成長を遂げられるんです。僕の商品では続けるための環境を用意しています。」
このストーリーは、才能がなくても努力次第で補えることを示していて、見込み客に希望を与えていますよね。さらに自分の商品の中にも、その助けになる要素があるという安心感も与えています。
例3:ExternalなFalse Beliefを打ち破るストーリー
External(外的)なFalse Beliefを打ち破るストーリーのポイントは、時間やお金、環境などの制約があっても、工夫次第で目標を達成できることを示すことです。また、周囲の反対を押し切って自分の夢を実現した人のストーリーを語ったり、見込み客が抱える不安や懸念を理解し、共感する姿勢を見せるのも効果的です。
例えば、「自分には時間がないから、副業を始めるのは難しい」という思い込みに対しては、次のようなストーリーが効果的でしょう。
「僕の知り合いに、3人の子育てをしながら副業で成功した主婦がいます。彼女は、子供たちが寝た後の夜1時間だけを使って、ハンドメイドアクセサリーの制作と販売を始めました。最初は全く売れませんでしたが、子供の送り迎えの待ち時間にSNSの更新をするなど、隙間時間を上手く活用していきました。1年後には月に10万円以上の収入を得られるようになり、今では家計の重要な収入源になっているそうです。彼女は時間がないからこそ、集中して効率的に作業できたと言っています。大切なのは、与えられた時間を最大限に活用すること。短い時間でも、工夫次第で大きな成果を上げることができるんです。」
どうでしょうか。このストーリーでは、見込み客の時間がないという不安に共感しつつ、実際に成功した経験を語っています。また、時間がないからこそ集中できるという逆転の発想も提示して、無意識的に信じている思い込み部分にもアプローチしています。このように、見込み客が持っているであろうFalse Beliefを打ち破るストーリーを用意することで、セールスファネルの中で商品が購入される確率を大きく向上するはずです。
まとめ:ストーリーテリングで見込み客のFalse Beliefを打ち破る
ここまで、見込み客のFalse Beliefとそれを打ち破る方法を紹介してきました。最後に要点を3つにまとめました。
- False Beliefとは見込み客が抱える誤った思い込みのことで、購買を阻害する要因となる。
- False Beliefは「Vehicle(手段)」「Internal(内的)」「External(外的)」の3つのカテゴリーに分類できる。
- ストーリーテリングは見込み客のFalse Beliefを打ち破るための強力な武器となる。