あなたはネットでビジネスを行う起業家やマーケターとして、リピート購入してくれる顧客が増えないと悩んでいませんか?「もっと効率的に顧客を獲得して、長期的な関係を築いていけたら…」そう考えているなら、バリューラダーという考え方を取り入れてみてください。ここでは、顧客との長期的な関係を構築し、収益を最大化するためのバリューラダーの基礎について詳しく解説します。
現代のビジネス環境では、新規顧客の獲得コストが年々上昇しています。特にオンライン広告の競争が激しくなり、以前より多くの広告費を投じないと見込み客を集められなくなってきました。そんな中で注目を集めているのが、1人の顧客から得られる生涯価値(LTV)を最大化する戦略です。それを実現するための方法がバリューラダーです。ここからはバリューラダーとは何なのか?そしてバリューラダーをどう実現していけばいいのか?それらを具体例を交えながら詳しく説明していきます。
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バリューラダーとは?段階的な価値提供で顧客との関係を深める戦略
バリューラダー(Value Ladder)とは、顧客に提供する価値と価格を段階的に上げていくビジネスモデルのことです。ラダー(Ladder)というのはハシゴや階段という意味です。バリューラダーとは「価値の階段」という意味で、顧客との関係を少しずつ深めながら、より高額な商品やサービスを提供していく戦略です。例えば、最初は無料の情報や低価格の商品を提供し、顧客の信頼を得た後により高額な商品を案内するといった具合です。
この戦略が効果的なのは、人間関係と同じように、ビジネスでも急激な関係の深まりは避けられる傾向があるためです。これは人間関係の発展過程に似ています。例えば、恋愛を例に考えてみましょう。最初のデートでいきなりプロポーズをする人はほとんどいません。まずはカジュアルなデートから始まり、お互いの理解を深め、信頼関係を築いていきます。そして、その関係が成熟してきたタイミングで、結婚という大きな決断をするのが自然な流れです。
例えば歯科医院では、最初は3,000円程度の歯のクリーニングから始まります。その後必要に応じて3万円のホワイトニング、さらには30万円の矯正治療を患者に勧めるかもしれません。そして最終的には100万円を超えるインプラント治療まで、段階的に価値と価格の高いサービスを提供していきます。これは一度も来院したことのない患者にいきなりインプラント治療を勧めるのではなく、まずは気軽に始められるクリーニングで信頼関係を築き、徐々により価値の高い治療を提案していくアプローチです。
バリューラダーの4つのファネル・カテゴリー
バリューラダーを実現するために、セールスファネルを使い分けるというやり方があります。見込み客との関係性の深さに応じてセールスファネルを使い分けていくのです。ここからは、関係性の薄い順にそれぞれのセールスファネルを紹介していきます。これらのファネルを適切に活用することで、見込み客との関係を段階的に深めていくことが可能になります。
最初は無料のコンテンツを提供するファネルから始まり、次に低価格商品、中価格商品、そして最後に高額商品を提案するファネルへと進んでいきます。各段階で見込み客の状態が変化するため、それぞれのファネルでのアプローチ方法も異なります。ではどういったファネルをどういう順序で使うと良いのでしょうか?それを実現するファネルの順序と、それぞれのファネルの特徴を紹介していきます。
1. Lead Funnel:無料の価値提供で見込み客との最初の接点を作る
リードファネルは、バリューラダーの最初の段階で、見込み客との接点を作るためのものです。ここでは、無料のeBookやウェビナー、有益な情報が詰まったPDFなどを提供することで、見込み客のメールアドレスを獲得します。この段階で重要なのは、提供する情報の質です。たとえ無料であっても、見込み客にとって本当に価値のある情報を提供することで、信頼関係の土台を築くことができます。
リードファネルには、Traditional Lead Funnel、Survey Funnel、Summit Funnelの3種類があります。Traditional Lead Funnelは、ベーシックなリードファネルです。ウェブサイトやランディングページにオプトインフォームを設置し、メールアドレスと引き換えにリードマグネットを提供する基本的なファネルです。Survey Funnelは、アンケートを実施してニーズを把握し、パーソナライズされた情報やオファーを提供するファネルです。Summit Funnelは、複数の専門家によるオンラインサミットを開催し、大量のリードを獲得するファネルです。
例えば、筋トレとボディメイクの専門家Jeremy Ethier(ジェレミー・イーシアー)がSurvey Funnelを使っています。「あなたの体をどうしたいですか?」というアンケートを実施し、回答に応じて最適な商品をオファーしています。また、Summit Funnelの例としては、ClickFunnelsのFunnel Hacking Liveや日本の生成AIサミットがあり、複数の専門家が登壇して講演を行い、参加者を集客しています。これらのファネルを適切に活用することで、効果的にリードを獲得し、顧客との関係を構築することができます。
2. Unboxing Funnel:気軽な低価格商品で関係を深める
アンボクシングファネル(Unboxing Funnel)は、見込み客を実際の顧客に変える重要なステップです。このカテゴリーには、Book Funnel、Cart Funnel、Challenge Funnelの3種類があります。Book Funnelは低価格または送料のみで書籍を提供し、バックエンド商品への導線を構築します。Cart Funnelは、ECサイトでクロスセルやアップセルを活用して客単価とLTVを向上させます。Challenge Funnelは、期間限定のオンラインチャレンジを通じて購買意欲を高めます。
これらのファネルは、顧客との関係を深めながら段階的に価値を提供します。例えば、ClickFunnelsのBook Funnelでは、送料のみで紙の書籍を無料で提供し、その過程で獲得したクレジットカード情報を使って追加商品を販売します。Challenge Funnelでは、5日間、2週間、30日間など様々な期間のチャレンジを開催し、顧客に商品やサービスを体験してもらいます。これらの戦略により、顧客は少ないリスクで商品の品質を確認でき、販売者は効果的に関係を構築できます。
3. Presentation Funnel:説得の方法を工夫して中価格商品を販売する
プレゼンテーションファネルは、中価格帯の商品・サービスを販売するための重要なステップです。このカテゴリーには、Sales Letter Funnel、Webinar Funnel、Auto Webinar Funnel、Product Launch Funnelの4種類があります。これらのファネルを通じて、顧客の課題を深く理解し、より高価格な商品・サービスの購入を促します。
Sales Letter Funnelは1枚のセールスレターで商品の魅力を伝え、Webinar Funnelはリアルタイムのウェビナーで参加者限定オファーを提供します。
Auto Webinar Funnelは録画ウェビナーを自動配信し、Product Launch Funnelは新商品発売前に期待感を高めます。特にProduct Launch Funnelでは、4本の動画を見せてから商品を販売する手法がよく使われます。これらのファネルを適切に活用することで、顧客との関係をさらに深め、より高額な商品への移行を促すことができます。
4. Phone Funnel:見込み客と直接話して高額商品を売る
バリューラダーの最終段階であるPhone Funnel(フォーン・ファネル)は、高額商品やサービスを販売するために直接見込み客と通話をして商品を販売するファネルのことです。例えば、無料のZoom相談やスポットコンサルを通じて、見込み客の課題や要望を詳しく理解します。その上で最適な解決策として年間コンサルなどの高額な商品を提案していきます。
この段階では、商品の価格も高額になるため、顧客一人一人に合わせたカスタマイズされた提案が重要です。高額商品の販売では、メールやウェブサイトだけでなく、実際に顧客と話をする機会を作ることが重要です。この段階で重要なのは、顧客のニーズを正確に理解し、それに応じた適切な提案ができるかどうかです。このファネルでは顧客1人のために時間を使う必要があるので、高額商品をオファーする時だけに限られてきます。
まとめ:バリューラダーで顧客との関係を段階的に深める
ここまでバリューラダーの基礎とセールスファネルの選び方を紹介してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- バリューラダーとは、顧客との関係性の深さに応じて商品の価値と価格を段階的に上げていくビジネス手法である。
- Lead Funnelでは無料のコンテンツを提供し、見込み客との最初の接点を作る。
- Unboxing Funnelでは、低価格の商品を提供し、顧客との関係を深める。
- Presentation Funnelでは、中価格の商品を提供し、より高度な価値を提案する。
- Phone Funnelでは直接的なコミュニケーションを通じて高額商品を販売し、顧客との関係をさらに強化する。