あなたは個人事業主やフリーランスとしてウェビナーを開催したいと思っているものの、どんなテーマで開催し、どのように販売につなげれば良いか悩んでいませんか?ここでは、実際に成果を上げている海外トップマーケターのウェビナーファネルの事例と成功のポイントをご紹介します。
オンラインでのマーケティング手法が日々進化する中、ウェビナーは見込み客との信頼関係を築き、商品やサービスの販売に結びつける効果的な手法として注目を集めています。特に英語圏では、多くのマーケターがウェビナーを活用して成果を上げています。これらの事例から、あなたのビジネスに応用できるヒントを見つけていきましょう。
今回お届けするノウハウはこちら
Susie Moore:ビジネスに弱いコーチのためのウェビナー
Susie Moore(スージー・ムーア)は、ライフコーチ、本の著者として活躍する女性マーケターです。Forbes、Business Insider、Marie Claire(マリ・クレール)など著名なメディアへの掲載実績を持つ実力者です。彼女のウェビナー「Be A Booked-Out Coach(予約でいっぱいのコーチになる方法)」は、コーチングビジネスで成功を目指す人々を対象にしたものです。
(画像引用:https://lifecoachsuccessschool.com/workshop/)
このウェビナーの最大の特徴は、「コーチングのスキル」と「ビジネスのスキル」を明確に分けて説明している点です。多くのコーチが陥りがちな誤解として、コーチングスキルが高ければ自然とクライアントが集まると考えてしまうことがあります。しかし実際には、優れたコーチングスキルを持っていても、ビジネスとして成功するためには別のスキルセットが必要になります。
Susieはウェビナーの中で、コーチとしての実績を積み重ねながら、どのようにしてビジネスを成長させていくのかを具体的に解説しています。例えば、理想的なクライアントの見つけ方、効果的な価格設定の方法、リピーターを増やすためのコミュニケーション戦略など、実践的なノウハウをシェアしています。参加者からの質問には、自身の経験に基づいた具体的なアドバイスで応え、信頼関係を築いていきます。
そして最後に、「このプロセスを1人でやることもできますが、専門家のサポートがあればより確実に成果を出せます」という流れで、彼女のプログラム「Life Coach Success School」を紹介します。このプログラムは497ドルという価格でオファーされています。このプログラムには次のような包括的な内容が含まれています。
- コーチングとしてのブランドの構築方法
- 市場で競争力のあるオファーの作成手順
- サービスを効果的に提示するためのフレームワーク
- 見込み客の獲得と関係構築のテクニック
- 質の高いサービス提供のためのシステム化
- 紹介と新規クライアント獲得の仕組み作り
ビジネスに不安のあるコーチにとって、すごく魅力的な内容が含まれています。さらに、7日間の返金保証を付けることで、参加者の不安を取り除いています。ただし、返金を希望する場合はコースのワークブックを提出する必要があるという条件を付けることで、真剣に取り組む姿勢を求めています。
Jenna Kutcher:Podcastビジネスの始め方を解説するウェビナー
Jenna Kutcher(ジェナ・カッチャー)は、デジタルマーケティングの専門家であり、人気ポッドキャスト「Goal Digger Podcast」のホストとして知られています。
(画像引用:https://thepodcastlab.jennakutcher.com/masterclass)
そんな彼女が主催しているのは、Podcast配信者としての知見をシェアする「Podcasting 101」というウェビナーです。日本語にすると「Podcastの始め方」といった所でしょうか。
このウェビナーのオプトインページを読むとリードマグネットとして「The Ultimate Podcast Equipment Guide」という無料ガイドを用意されていることが分かります。多くの人がポッドキャストを始めたいと思いながらも、必要な機材や技術的な知識の不足に不安を感じています。このガイドは、そうした初期の不安を解消する役割を果たしています。
ウェビナーのオプトインページにこういった無料のリードマグネットを追加しておくのも、オプトインを増やすための良い方法です。ウェビナーの中でJennaは、参加者が抱える次のような具体的な悩みに丁寧に対応していきます。
- どうやってポッドキャストを始めたらいいのかわからない
- どの機材を揃えればいいのかわからない
- 技術的な知識がなく、設定や編集が難しそう
- 自分にポッドキャストを続けられるか不安
- ネタ切れにならないか心配
- 効果的に宣伝する方法がわからない
- 収益化の方法がわからない
- すでに始めているけど、なかなかうまくいかない
そしてウェビナーの後半で、より本格的にポッドキャストを始めたい人向けに「THE PODCAST LAB」というオンラインコースを紹介します。これは397ドルのオンラインコースで、30日間でポッドキャストを立ち上げるための具体的な5つのステップを学べる内容となっています。
また7つのボーナス特典(テンプレート、ガイド、チェックリストなど)と、受講生限定のサポートコミュニティが用意されている点です。ボーナスやコミュニティ以外にも、「人数限定」を設けて希少性を演出することで上手に成約に繋げています。また15日間の返金保証を付けることで参加へのハードルを下げています。
Neil Patel:低予算でマーケティングを行うためのセミナー
Neil Patelは世界的に有名なデジタルマーケティングの専門家です。SEOの専門家として活躍も長く活躍しています。彼のウェビナー「Marketing on a Budget」は、予算が限られた企業を対象に、効果的なマーケティング戦略を紹介する内容となっています。
(画像引用:https://advanced.npdigital.com/marketing-on-a-budget-on-demand-webinar/)
このウェビナーの特徴は、Neil自身と他の専門家が登場し、それぞれの得意分野について具体的な戦略を解説している点です。複数の専門家を登場させることで、提供される情報の信頼性を高めています。例えば、SEOについては検索エンジンの最新アルゴリズムに対応した施策を、広告運用については予算を最大限効率的に使うためのテクニックを、それぞれ実例を交えながら説明していきます。
そしてウェビナーの終盤では、「これらの施策を自社で実施するのは時間も手間もかかります。私たちのチームが支援することで、効率的に成果を出すことができます」という流れで、マーケティング支援サービスを紹介します。
サービスはSEO向けと広告運用向けに分かれており、それぞれのニーズに応じて選択できるようになっています。企業が相手なのでその場で商品を売るのではなく、商談で個別の課題やニーズを深掘りしてから、セールスする形を取っています。そのため、ウェビナーの最後のメッセージとしては「無料通話の予約してください」というものになっています。
Russell Brunson:ホワイトラベルを活用した新しいビジネスモデルに関するウェビナー
ClickFunnelsの創業者として知られるRussell Brunsonは、「How To White Label And Build Your Own SaaS Business」というウェビナーを主催しています。これは日本語にすると「ホワイトラベルで自社のSaaSビジネスを始める方法」という意味です。
SaaSというのはSoftware as a Serviceの略で、ソフトウェアをサービスとして提供するビジネスモデルのことです。要するにパソコンにインストールするソフトではなく、Web上で使えるサービスのことです。例えば、Google Driveとか、Microsoft 365とか、ClickFunnelsなどです。日本で言えばマネーフォワードとか、サイボウズといったものが相当します。
(画像引用:https://www.thelastsecret.com/register)
ここでは新しいビジネスモデルの可能性を提案しています。ホワイトラベルとは自分で製品を開発することなく、他社が開発したものを自社ブランドとして販売できる手法です。ホワイトラベルというのは「他社のラベルのものを真っ白に塗り替えて自社のものとして販売する」というイメージです。
このウェビナーが良いのは、プログラミングや開発のスキルがなくても、すぐにWebサービスを始めてお金を取れるという明確な価値を提案している点です。Russellは自身が4000万ドルで買収した複数のツールを参加者がホワイトラベルで利用できるという、具体的で魅力的な機会を提供しています。提供されるツールには次のようなものが含まれています。
- Voomly:Vimeoのような動画プラットフォーム
- Toonly:アニメーション作成ツール
- Doodly:ホワイトボードアニメーション作成ツール
これらのツールを自社ブランドでリリースできる権利と、ClickFunnelsの12ヶ月無料利用権がセットになって1997ドルでオファーされています。これはすごく魅力的なオファーだと思います。さらに、テンプレートなどのボーナス特典も付属し、すぐにビジネスを始められる環境が整っています。また、30日間の返金保証を付けることで、参加者のリスクを最小限に抑え、参加のハードルを下げることにも成功しています。
このウェビナーが面白いのは、このオファーの真の狙いがClickFunnelsの長期的な顧客獲得にある点です。商品にはClickFunnelsの12ヶ月の無料期間が付いています。この期間中にClickFunnelsでファネルを構築した顧客は、その後も継続して利用する可能性が高く、結果として月額297ドルの継続課金に繋がっていくという巧妙な設計となっています。
これはClickFunnelsをホワイトラベルのオファーと抱き合わせて販売する優れた戦略と言えます。ClickFunnelsを売るために、わざとホワイトラベルという新しい切り口を導入しています。とても面白いオファーの作り方です。
まとめ:事例を参考にして自社のウェビナーファネルに活かす
ここまで海外トップマーケター4人のウェビナーファネルの事例を紹介してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- ウェビナーのテーマは、ターゲット層が抱える具体的な課題や悩みに焦点を当てたものである。
- リードマグネットや無料ガイドを用意し、オプトインページでの集客を強化している。
- ウェビナー内では具体的な価値を提供しながら、より本格的な解決策として有料サービスを紹介している。
- 返金保証や人数限定など、参加のハードルを下げつつ希少性を演出する工夫がなされている。
- オファーは単なる商品販売ではなく、コミュニティやサポート、ボーナス特典などを付けて付加価値を高めたものとなっている。