あなたはネットで物理的なモノを売る販売者として、なかなか思うように売上が伸びずに悩んでいませんか?商品ページを魅力的にしたり、SNSで宣伝したり、送料無料キャンペーンを実施したり…色々と工夫を重ねているのに、成果が出ないと感じているかもしれません。ここでは、情報商材の売り方を応用してEコマースの売上を劇的に伸ばす「Cart Funnel」という手法について詳しく解説します。
従来の「ただ商品を並べるだけ」の売り方から脱却し、戦略的に売上を最大化する。それが「カートファネル」の本質です。情報商材ではなく、形のある商品(物理的な商品)を扱うビジネスでも、このカートファネルを活用することで売上を飛躍的に伸ばすことができます。多くのEコマース事業者が見逃している「購入までの導線」を最適化し、あなたのビジネスを次のステージへと導く方法を、ここからステップバイステップで説明していきます。
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「普通の物販」と「Cart Funnel」はここが違う!
多くのECサイトでは、商品を陳列し、広告などで集客し、あとは顧客任せという販売方法が一般的です。商品ページは充実しているのに購入率が低い、広告費をかけているのに思ったほど売上が伸びない、新規顧客は獲得できるけどリピート購入に繋がらない。こういった課題を抱えている方は少なくないはずです。これは「なんとなくサイトを訪れて、なんとなく購入する」という偶然の出会いに頼った、非効率な販売方法だからです。
(画像引用:https://funnels.myclickfunnels.com/)
一方、カートファネルはセールスファネルの一部です。そのため顧客が商品に興味を持った瞬間から購入、そしてクロスセル、アップセル購入へと至るまでの一連の流れを意図的に設計します。顧客心理に基づいた最適なアプローチで「欲しい!」気持ちを後押しし、さらに関連商品の提案やまとめ買いの促進など、1回の接点から最大限の売上を生み出すことができます。ただ商品を並べて待つのではなく、戦略的に売上のアップへと導いていくのです。
このカートファネルは、すでにECサイトを運営しているけれど思うように売上が伸びない方におすすめです。また、Amazonや楽天などのモールに頼らず自社ECサイトで収益を拡大したい方にも最適です。さらに、広告費を抑えつつ効率的に売上を伸ばしたい方にとっても有効な手法です。従来の物販とは異なり、1つの商品の周りに複数の売上機会を創出できます。そのため、自然と客単価を向上させることができます。
カートファネルは、もともと情報商材やオンラインコースの販売で確立された手法を物販に応用したものです。情報商材の世界では、無料のPDFやメールマガジンから始まり、低額商品、中額商品、高額商品へと段階的に導くセールスファネルが一般的でした。この「段階的に価格を上げて販売していくアイデア」と「1回の購入から複数の商品を販売するアイデア」を、物理的な商品の販売に取り入れたのがカートファネルなのです。
売上を飛躍させる!Cart Funnelの「もう1押し」
カートファネルの最大の特徴は、「商品を売るな、オファーを売れ」という考え方です。顧客は単なる「商品そのもの」ではなく、「商品を手に入れることで得られる価値」にお金を払うのです。例えばダイエットサプリを売る場合、単に「痩せる成分が入っています」と説明するのではなく、「このサプリを飲めば、着たかったあの服が着られるようになり、毎日のおしゃれが楽しくなります!」というように、顧客が得られる未来を提示します。
魅力的なオファーを構築するには、いくつかの重要な要素があります。まず「ベネフィット」です。顧客が得られるメリット、解決できる悩み、満たされる欲求を明確に示します。次に「緊急性・希少性」です。「今すぐ行動しなければ損をする」と思わせるような限定感を演出します。さらに「社会的証明」として、すでに多くの人が購入し満足していることを示す。「リスクリバーサル」で商品に満足できなかった場合の保証を提示する。こういった様々なセールスのテクニックもファネルの中に入れておくと良いでしょう。
カートファネルの2つ目の重要な要素は、「商品選択オプション」と「オーダーバンプ」です。商品選択オプションとは、商品の数量やサイズ、色違いなどのバリエーションを顧客自身が選べる仕組みのことです。またまとめ買いで割引を適用するなど、「たくさん買うほどお得」という訴求で、自然と客単価を上げることができます。例えば1個1,000円の商品を、3個セットで2,500円、5個セットで3,800円で販売するといった具合です。
「オーダーバンプ」は購入手続きの最終確認画面で、「ついで買い」を促す小さくも強力なオファーです。決済を完了させる直前は、「財布の紐が緩んでいる」状態であり、追加購入のハードルが最も低い瞬間です。ここでポイントとなるのは、メインの商品に関連する商品や、少し追加するだけで利便性が高まるような商品を提案することです。例えばスマホケースを購入しようとする顧客に、決済画面で画面保護フィルムを数百円でオファーする。コーヒー豆を購入しようとしている顧客にコーヒーフィルターをオファーしたりします。
3つ目の要素は「アップセル」です。これは商品購入後、さらに別の商品や上位商品、または同じ商品の追加購入を促すオファーのことです。カートファネルにおけるアップセルでは、「同じ商品」または「関連性の高い商品」を「割引価格」で提供するのが定石です。購入直後の顧客は「また良い買い物がしたい」という心理状態にあるため、このタイミングを逃さず追加購入を促すことで、売上をさらに伸ばすことが可能です。
そして最後の「もう1押し」として重要なのが「オファーウォール(Offer Wall)」です。これは商品購入完了後のサンクスページに、関連商品や別商品など、他の商品へのリンクを設置した「壁(Wall)」を用意する仕組みのことです。ClickFunnels社のCEOであるラッセル・ブランソンが名前を付けた売り方です。購入直後は顧客満足度が高く、「良い買い物をした」という気持ちが高まっています。販売において最も効果的な瞬間と言えます。そこでアップセルのように別の商品をオファーします。ただし、アップセルが特定の1つの商品の追加購入を促すのに対し、オファーウォールは顧客自身が複数の商品から自由に選べる点が特徴です。
複数の商品を並べて、「良かったらこれらの商品もどうですか?」というオファーをしておきます。アップセルのように商品を1つに決め打ちして、買うか買わないかを迫るオファーとは少し雰囲気が違います。「買わなくても良いけど、欲しかったら買ってくださいね」という雰囲気でオファーしておきます。こうすることで、自分のニーズに合ったものがあれば、お客さんは追加で買ってくれます。もしも売れなくても失うものはありません。サンキューページで何もオファーしないよりは、このように最後の最後のページにまでオファーを散りばめておく。そうすることで、1人のお客さんからの売上を最大化することができます。
カートファネル成功の鍵:顧客心理を理解しオファーを増やす
カートファネルで成功するためには、顧客の心理をしっかりと理解することが重要です。顧客は「論理」ではなく、「感情」で動きます。特に「お得感」や「限定感」は、購入を後押しする強力な動機となります。単に商品の機能や性能を説明するだけでなく、その商品を手に入れることで得られる感情的な価値、つまり「嬉しい」「楽しい」「安心」といった感覚を提供することが大切です。
緊急性や希少性を演出することで、「欲しい」という気持ちを「今すぐ欲しい」に変えることができます。「期間限定」「数量限定」「本日限り」といった言葉は、顧客の購買意欲を刺激する強力なトリガーとなります。ただし、これらの演出は信頼性を損なわないよう、適切に使用することが重要です。虚偽の限定感を演出すると、かえって顧客の信頼を失うことになりかねません。
商品選択オプションやオファーウォールで顧客自身に選ばせることも、非常に重要なポイントです。人は「やらされ感」を嫌い、「自分で選んだ」という満足感を求めます。複数の選択肢を用意し、顧客自身に選択させることで、購入後の満足度も高まります。ただし、あまりに多くの選択肢を提示すると、かえって顧客が迷ってしまい、購入を躊躇する原因となる可能性があります。適切な数の選択肢を提示することが重要です。
「段階的なオファー」も効果的です。最初から高額な商品を売るのではなく、まずは手頃な価格の商品から始めて、徐々により価値の高い商品を提案していく方法です。これにより、顧客の心理的なハードルを下げ、スムーズに購入へと導くことができます。例えば、まずは少量パックを購入してもらい、その後でまとめ買いを提案するといった具合です。
まとめ:カートファネルで売上を飛躍させる「もう1押し」
ここまでカートファネルの概要と、売上を飛躍させるための重要な要素についてお伝えしてきました。最後に要点を4つにまとめました。
- カートファネルは、顧客心理に基づいた最適なアプローチで、購入を後押しし、関連商品の提案などで売上を最大化する手法である。
- 魅力的なオファーの構築には、ベネフィット、緊急性・希少性、社会的証明、リスクリバーサルといった要素が重要である。
- 商品セレクター、オーダーバンプ、アップセル、オファーウォールといった仕組みを効果的に活用することで、客単価を向上させることができる。
- カートファネルを成功させるためには、顧客の感情に訴えかけるオファーや、限定感の演出、顧客自身に選ばせる仕組みなどが重要となる。