たとえば、「窓を開けた方がいい」という主張を論証するためには、まず「室温が30度だ」というデータを持ってきます。これは事実ですので、論証する必要はありません。しかし、「室温が30度だ」というデータが、「窓を開けた方がいい」という主張に直接つながるかというとそうではありません。 もちろん日本人であれば、「室温が30度だ」と言われれば、それを聞いた人はすぐに「窓を開けた方がいいですね」というかもしれません。状況説明を聞けばすぐに主張を察してくれる日本文化の美徳です。しかしそこには次のようなロジックが間に挟まっています。 「室温が30度だ」 データ 「30度の室温は不快だ」 暗黙のロジック1 「窓を開ければ室温が下がる」 暗黙のロジック2 「室温が下がると快適になる」 暗黙のロジック3 「不快な状態よりも快適な状態の方がいい」 暗黙のロジック4 だから「窓を開けた方がいい」 主張 このようにデータと主張をつなぐロジックをトゥールミンは「ワラント(warrant)」と呼びました。ワラントは日本語訳されて「論拠」と呼ばれることもあります。
情報源: 4.2 トゥールミンの三角ロジック | 向後研究室教材サイト
この部分、秀逸。トゥルーミンロジックの説明の中でも一番わかりやすいと思う。使わせていただきます。