おはようございます。フィリピンのカタンドアネス島から書いています。物価は確かに低いんですけど、往復の航空券がそれなりに高いので、結局日本で慎ましく生活していた方がトータルでは節約になるよね、と思うこの頃です。妻に先立たれて、趣味も仕事も失ったお年寄りがフィリピンやマレーシアなどの南国に来てメイドを雇い、地元のキャピキャピした女の子と結婚して、物価の安い場所で老後を楽しむ民族を「脱出老人」と言うそうです。
地元民と同じような生活レベルでいいなら、例えばこのカタンドアネス島でだいたい1ヶ月10,000Php(2万円ほど)で生きていけますが、それはつまり
- パサパサしたお米を食べて
- 窃盗、スリ、車上荒らしの多い地域に住んで
- 家族4人が一部屋に川の字になって寝て
- 娯楽は海水浴かシグナルの弱いテレビか
- 移動はトライシクルという安全性の低い乗り物
- もちろんインターネットはなし
・・・の生活で我慢することになります。物価の安い場所に行けば「1ヶ月たったのX万円で」生きていける、という背表紙を持つ本やグーグルアドワーズの広告には注意した方がいいですね。日本と同じレベルのインフラを用意するには、それはもう巨大な投資が必要になります。個人の力でどうにかなるものではありません。
老後を海外で過ごしたいというモチベーション自体は否定しませんが、ただたんに「それが安いから」だけを拠り所にするのであれば、その思考法は危険かもしれません。最近はセミリタイアを目指す若い子たちも東南アジアで生活すれば節約できると思っているそうですが、地元民と同レベルの生活でいいなら、という枕詞を忘れないようにしましょう。現代の日本で20年近く生活してきた人間が、東南アジアの不便さに慣れるにはかなり時間がかかります。日本と同レベルの生活を海外で維持するには、それなりのコストがかかります。
インターネットに食わせてもらっている石崎ですが、仕事はもっぱら日本でやります。海外にいる間は一切仕事はしません。できません・・・といった方が正しいかもしれません。安定しないインターネット環境、夜道を一人で歩けない危険性、一晩中カラオケする人たちなどなど、世界には様々なカルチャーが存在します。そのうちの幾つかは、僕たちの集中力を削ぐものであり、仕事の邪魔になるものかもしれません。
実際に体験してみればわかることですが、パソコン1台で生きていける人生なんて全く魅力的ではありません。世界のどこでも通用するスキルは、ただのコモディティです。冷蔵庫は世界のどこにいても必要になるけど、冷蔵庫はコモディティです。とっかえが可能なんですよね。あのウォーレンバフェットだって、裸一つでフィリピンのミンダナオ島あたりに置き去りにされたら何もできないですよ。オマハで築いた人脈と、有能な右腕チャーリー・マンガーの存在と、アメリカのインフラがあるからこそ彼は継続的に成功しているわけです。
パソコン1台あるだけで成功できるんなら、世界のパソコンユーザーはみんな成功しています。
僕の持つスキルなんて普遍性のない、ごくごく限られたマーケットでしか機能しない「この世に無くても全く問題ない」スキルです。運良く一部の人が強烈にこのスキルを欲しがってくれるおかげでなんとか食扶持を維持しているにすぎません。昨日320ペソ(700円ほど)でマッサージをしたんです。そこのオーナーに「何の仕事をしているの?」と聞かれました。この質問、何度も聞かれる割には未だに答えに窮します。相手を見てテキトーに「王様の息子」とか「宝くじに当たった人」とか答えます。たまに投資家とかCEOとかカッコつけることもあります。昨日は「経営コンサルタント」と嘘をつきました。
そしたらそのマッサージショップのオーナーが「うちのコンサルをしてくれないか?コミッションは5%でどうか?」と真剣な顔で言ってきました。
・・・できるわけねーだろ。このスキルは日本でしか通用しないんだから。
ということで、日本でしか通用しないスキルを販売します。
免許皆伝:セールス
割引率:50%
クーポンの数:10枚
有効期限:8月31日(水)23時59分まで
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