今回お届けするノウハウはこちら
- #001_スタンダードカットとは?
- #002_ジャンプカットとは?
- #003_ジャンプカットを使ってみよう
- #004_モンタージュとは?
- #005_クロスディゾルブとは?
- #006_クロスディゾルブを使って時間の経過を効果的に伝えよう
- #007_ワイプとは?
- #008_ワイプのエフェクトをジョークとして使うといいかも
- #009_フェードインフェードアウトとは?
- #010_朝から夜(その逆も)を効果的に表現するトランジション
- #011_JカットLカットとは?
- #012_JカットとLカットを使ってトランジションをスムーズにする
- #013_カッティングオンアクションとは
- #014_カッティングオンアクション・テクニックの使い方
- #015_カットアウェイテクニックで脳裏に映る映像を表現する
- #016_クロスカットとは?
- #017_クロスカットで緊張感を保つ編集方法
- #018_マッチカットとは?
- #019_マッチカットの使い方
- #020_スマッシュカットとは?
- #021_スマッシュカットの使い方と編集方法
- #022_インビジブルカットとは?
#001_スタンダードカットとは?
スタンダードカットというのは、ハードカットとも呼ばれ、最も一般的な編集方法です。2つのクリップの最初と最後を単純につなぎ合わせるだけの基本的な編集方法になります。これは、1つの映画で90%くらいのシーンで使われています。とても一般的な編集方法なんですけど、今回ご紹介していく様々な編集方法とは異なり、どんな意味もフィーリングも喚起することはありません。逆にいうと、スタンダードカット以外の編集方法は、特別な意味合いを持たせるために使われます
#002_ジャンプカットとは?
ジャンプカットは、時間の経過を効果的に表現するものになります。同じフレーム、同じ構図で、時間だけをスキップして、時間の経過を効果的に表現します。これは、よくモンタージュにも使われます。実は、ほとんどのYouTuberが、このジャンプカットを使っています。というのも、YouTubeを見る人は忙しい人が多いので、2時間とかの尺だと動画を見てくれないからですね。だから、空白の部分をカットして、5分ほどの尺にしているわけです。具体的にどのようなものかというと、例えば、カメラに向かって歩いてくる人がいるとします。その人を、ポンっといきなり目の前に出すイメージです。あるいは、何段階かに区切って、ちょっとずつ移動してきているみたいな感じです。
#003_ジャンプカットを使ってみよう
ジャンプカットのやり方は、適当な間隔で、レーザーツールでカットしていきます。そして、間を抜いていくだけです。
今回は、約20秒の動画を11フレームに編集しました。それが、上のGifになります。
#004_モンタージュとは?
モンタージュというのは、フランス語で編集を意味します。でも、編集用語では、セリフを抜いて、時間の経過を効果的に伝えるテクニックの一つです。有名どころで言うと、映画ロッキーです。懸垂したり、雪山でのトレーニングとかを全部伝えると尺が長くなってしまうので、成長過程を端的に伝えるために使われます。モンタージュ理論というものあって、これは、一見全く関係ない複数のシーンをくっつけるというものです。全く関係ないシーンなのですが、人間の脳は何か意味を見出そうとするため、演出家の意図を受け手に伝えることが可能になります。例えば、何かハッピーなシーンを見せた後に、俳優の顔を出すと、笑っているとか嬉しいんだなということを伝えることができるということです。
#005_クロスディゾルブとは?
クロスディゾルブは、複数のシーンが同じタイミングで起こっているというのを表現します。あとは、時間の経過を表す時にも使われます。最近では、料理系のYouTuberが人参を切り始めのシーン数秒と全部切り終わる直前のシーンを組み合わせて、時間の経過を表している人もいました。でも、クロスディゾルブは、頻繁には使いません。特別な動機がある時に使っていきます。
#006_クロスディゾルブを使って時間の経過を効果的に伝えよう
クロスディゾルブは、2つの映像のつなぎ目にかけていきます。今回は、iPadを操作している場面とビーチにいる場面の映像のつなぎ目に、短くクロスディゾルブをかけています。
上の映像がそれです。全く別々のシーンですが、iPadで予約をして、旅行に来ているようなイメージが湧きますよね。
もう一つのパターンは、クロスディゾルブを長く使うパターンで、2つのシーンを不透明度50%(適当なパーセンテージに設定しましょう)にして同時並行で流していきます。
長くクロスディゾルブをかけた場合は、不倫をしているようなイメージが出てきますね。このように、同じクロスディゾルブでも、長さを変えることによって、演出家の意図が変わってきます。
#007_ワイプとは?
ワイプは、アニメーショントランジションです。最初のシーンをワイプして、次のシーンを見せます。単純にワイプするものもあれば、様々なシェイプを使ってワイプする場合もあります。ある講師によると、ワイプは安っぽいイメージがあるので、あまり使わない方が良いと言っていました。使うなら、ジョークとして、古いイメージを想起させたりする場合に使うと良いそうです。
#008_ワイプのエフェクトをジョークとして使うといいかも
2つの映像をワイプでつなげていきます。Premiere Proでは、エフェクトのビデオトランジションに中にワイプが用意されています。そのワイプの種類も4つあります。グラデーションワイプ、ドア(扉)、ワイプ、割り込みの4つです。それを、タイムライン上で2つの映像のつなぎ目にドラッグ&ドロップすると、ワイプをかけることができます。でも、いずれもやはり、安っぽいですね。なので、使うならジョークとして使う方が良いと思います。
上が、実際にワイプでつなげた映像になります。やっぱり、安っぽい笑
#009_フェードインフェードアウトとは?
フェードインはゆっくりと画面を表示し、フェードアウトはゆっくりと画面を消すエフェクトです。例えば、朝から夜へと時間が経過するとき、キャラクターが寝て、起きるシーンなどに使われます。ただ、適切に使わないと、不快感を与えてしまうトランジションです。なので、気をつけて使う必要があります。
#010_朝から夜(その逆も)を効果的に表現するトランジション
今回は、月が動いているフッテージと女性が起床するフッテージを使って、フェードイン・フェードアウトを施していきます。Premiere Proでは、暗転というエッフェクトがフェードイン・フェードアウトになります。これを、2つの映像のつなぎ目にドラッグ&ドロップします。トランジションの長さを変更したい場合は、そのトランジションのを右クリックして、「トランジションのデュレーションを設定」から変えることができます。
上の映像が、フェードイン・フェードアウト(Premiere Proでは暗転)をかけた映像になります。
#011_JカットLカットとは?
これは、音をベースにした編集テクニックです。JとLというのは、Premiere Proのタイムラインの形から名付けられています。Lカットは、クリップの音声をBクリップが表示された後も継続させるカットで、Jカットはその逆です。Aのクリップが表示されている時にBのクリップの音声が聞こえるカットのことです。先に音声を効かせることで、トランジションの切り替わりをスムーズにする役割があるので、よく使われます。
#012_JカットとLカットを使ってトランジションをスムーズにする
まずは、Lカットの方から見ていきましょう。音声付きの映像をタイムライン上に、ドラッグ&ドロップします。そしたら、適切な位置で映像をカットツールでカットします。基本的に、映像と音声はリンクされているので、右クリックでリンクをして「リンク解除」を選択します。そして、映像の部分だけを削除します。カットした後の形が、Lになっているので、Lカットと言われています。最後に、カットした部分に別の映像部分だけを追加して、完成です。Jカットは、Lカットの逆をやっていけば良いので、最初の部分の映像をカットします。音声はそのままです。シーケンスがJの形をしているので、Jカットと言われています。
#013_カッティングオンアクションとは
これは、アクションの途中でカットを切り、次のアクションの途中から繋げる方法です。1つのアクションを複数のアングルから撮影してコネクトします。例えば、主人公がドアを蹴り飛ばすシーンををドアの横から撮っておいたものと、家の中から撮っておいたドアが開くシーンを繋げます。時系列で並んでいるんですけど、アングルが変わっているということですね。料理系のYouTuberでもこのカッティングオンアクションを使っています。例えば、YouTuberがコンロをつける動作を、正面から撮ったものと、コンロに焦点が当てられていて、コンロが着火する場面をつなげたりとか。
#014_カッティングオンアクション・テクニックの使い方
今回は、空手の先生の回し蹴りというアクションをベースにカッティングオンアクションの編集をしてみました。まず、1つ目の映像をクリップに最適な新規シーケンスでタイムラインに表示します。そして、つなげたい部分をカットして削除します。あとは、別のアングルから撮影した2つ目の映像を繋げてあげます。やることはこれだけです。
最初の映像では左足で回し蹴りをしていて、2つ目の映像では逆になっているので変な感じかもしれませんが、カッティングオンアクションのイメージはわかっていただけたと思います。
#015_カットアウェイテクニックで脳裏に映る映像を表現する
カットアウェイというのは、主人公の脳裏に映る映像を繋げるテクニックになります。今回は、スナイパーの映像を使って、そのスナイパーには家族がいて、その家族のために戦わなくてはいけない。もしくは、相手にも家族がいると思うと撃てないという脳裏に映る映像を途中に追加しています。
上の映像が、カットアウェイテクニックを導入した映像です。
#016_クロスカットとは?
これは、2つのストーリーを交互に見せることで、その2つのストーリーが同じタイミングで起きていることを効果的に表せます。緊張感を持続させるために使われます。例えば、サスペンスの電話のシーンで、緊張感を煽るために2人の話者を交互に見せたりとか。他にも、瞬間的に映像を挟むことで、キャラクターの脳裏に浮かぶことを表現することも可能です。
#017_クロスカットで緊張感を保つ編集方法
今回は、ハッカーががパソコンを操作している動画を軸にして、警察が移動している動画短くカットして、2箇所に追加しました。
上がクロスカットで作成したものになります。所々、警察の映像を挿入することで、ハッカーの緊張感が伝わってきますよね。
#018_マッチカットとは?
マッチカットは類似するモノ・コト、連想できるモノ・コトをベースにして2つのシーンをつなぎ合わせます。視覚だけでなく、セリフでもマッチカットは成立します。これは、カッティングオンアクションと似ているんですけど、それは、1つのアクションをベースにして、トランジションするというものでした。マッチカットの方は、もっと幅が広いものになります。アクション以外にも、連想できそうなものならなんでもOKです。構図が同じようなものだったり、セリフでも成立します。
上の動画は、Vimeo 2014で大賞をとった、Watchtower of Turkeyというものです。ここでは、マッチカットが頻繁に使われています。実際に、見てみてください。
#019_マッチカットの使い方
今回は、戦車が大砲を放つ時に発せられる煙とギャングスターのタバコの煙をマッチカットしました。まず、クリップに最適な新規シーケンスで、戦車の映像を追加します。そしたら、ギャングスターがタバコを吸っている映像を、戦車の煙とマッチするように繋げます。Lカットを使って、戦車の映像のみを削除して、そこにギャングスターの映像を追加してもどちらでもよかったんですけど、今回はLカットは使わずに、単純に追加しました。あと、うまく戦車の煙とタバコの煙がマッチするように、ギャングスターの映像をスケールしたり、不透明度を変更しました。
上の映像が完成したものです。戦車の煙とギャングスターの煙がマッチして、うまく切り替わっていますよね。
#020_スマッシュカットとは?
スマッシュカットは、突然の転換を表現するトランジションです。悪夢から目が醒める時に、効果的なサウンドデザインとともに使われることが多いです。あとは、静かなシーンからうるさいシーンへ、うるさいシーンから静かなシーンへ移行する時に使ったりします。ビューアーの注目を一気に集めることができるので、ビデオの最初に挿入することもできますし、ビデオの途中で中だるみを防ぐためにも使えます。でも、使いすぎると慣れてきたり、なんどもビューアーを驚かせることになるので、適度に使いましょう。
#021_スマッシュカットの使い方と編集方法
今回は、車の事故の映像からスマッシュカットで病院の映像に切り替えました。車が衝突する音を追加したんですけど、その瞬間画面が切り替わるように設定しました。
このように、車が衝突した瞬間、映像が切り替わるのがスマッシュカットになります。
#022_インビジブルカットとは?
インビジブルカットを使うと、クリエイティブな演出家と思われると思います。先ほどご紹介した、Watchtower of Turkeyにもこのインビジブルかとが多用されていました。このインビジブルカットは、まるでトランジションが起こっていないかのように、1つのシーンが連続しているように見せる技術です。これは、暗転させて黒と黒でつなぐパターンが多いですが、似た色同士でつなぐことも可能です。あとは、パンしてカメラを左や右に動かしながらつなぐことも可能です。この時に、スウォッシュサウンドを入れるとさらに迫力が出てきます。他には、カメラを横切る車を使ってワイプするようかのように繋げるトランジションもよく見られます。