僕たちは、常に学習に革命を起こしたいと考えています。 その方法のひとつとして、オンラインクラスをより楽しくするためのさまざまな手法を試しています。 あなたは絵コンテという言葉を聞いたことはありますか?ストーリーボードとも呼ばれています。あなたがこれまで見てきたほぼ全てのプロの映像、例えばNetflixや、テレビ、YouTubeに、絵コンテが用意されています。絵コンテは、発話状況に合わせてどのようなクリップを挟むかを記述した、言わば動画の設計図のようなものです。
これまでに受講したことのあるオンライン講座は、次のようなものだったのではないでしょうか。
- 教授が何時間もパワーポイントを読み上げて、延々と話をしている。
- 聞いているこちらが心配になるほど震えた声で、ワードプレスのプラグインの使い方をただ淡々と説明している。
- 顔が青白く、表情の変化が乏しい引き篭もりのような人間が、貧乏くさい壁紙の前でウェブマーケティングを解説している。
大半のオンラインコースがこのようなものであるため、業界全体の平均修了率が10%であることも不思議ではありません。 そもそも人に何かを教えるに値しないような、実績ゼロの子供部屋おじさんみたいな人が、オンラインコースを作ったところで逆効果なだけです。このようなビデオに耐えられる人には、素直に拍手を送りたいと思います。 上にあげたよくあるオンラインコースの例は受け入れがたいほど退屈な基準であり、僕たちはそれに挑戦するためにここに来ました。
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ビデオレクチャーに追加のビジュアルを組み込み動画のクオリティを上げる
退屈なビデオを楽しくする。その方法のひとつが、これまでの僕のレクチャーでお気づきのように、コースにビジュアルを組み込むことです。
21世紀において、何かを伝える際の基本のフォーマットはビデオです。PDF教材は過去の遺物でしょう。テキストコンテンツだけで教えるのには限界があります。以前、書店に行ってサッカー上達の本を発見しましたが、テキストを読みサッカーを上達させるのは容易ではありません。少なくともビデオで学んだ方が効率はいいでしょう。だいたいの場合において、何かを教える際は、テキストコンテンツよりもビデオコンテンツの方が優れています。
僕たちの場合、こんな風に顔出しです。ただカメラに向かって話す映像だけではなく、別のカメラで撮影した関連する映像をBロールとして差し込みます。
見ている人にポジティブな気持ちを抱いてもらうために、土日に撮りためた旅行映像を意図的に挿入することもあります。
僕たち家族は土日や祝日を使ってヨーロッパを旅行しています。ヨーロッパを旅行するためにオランダに拠点を置いたといっても過言ではありません。
既存の収入をオンラインコースに置き換えることをコンセプトとして打ち出しているので、僕自身がたくさん旅をすることで余暇が生まれることをあえて強調している側面もあります。もちろん貧乏旅行がただ単に好きなのも事実なんですが。
実際、僕たちはこのコンセプトに基づいて今あなたが見ている動画を作っています。
例えば、今僕はこうやってカメラに向かって淡々と話しています。この映像をAロールとしましょう。
このまま僕が話し続けていたらあなたは飽きてしまい、セブンイレブンで買った焼きプリンを食べながらYouTubeでぼったくりバーに潜入捜査してきた!とか見てしまうでしょう。
そうならないためにもこんな風にモーショングラフィックを入れたり、あるいはストックビデオのサイトから有料でダウンロードした映像をこんな風に挿入します。
オンラインコースを作ったおかげで時間もお金も増えて、こんな風に北欧を家族で旅行しています、という文脈で実際の映像をこんな風に差し込むことも可能です。
僕たちが使っている三種類の絵コンテ
絵コンテは、次の3種類あります。難しい、あるいは時間がかかる順番に並べておきます。
絵コンテ#1. 絵とスクリプト
まず1つ目は、ショット番号と絵・ナレーションを含んだパターンです。あまり言ったことはありませんが、過去に僕はアニメーションを集中的に勉強していた時期があります。まだ妻と結婚したばかりの頃で、長男も生まれていませんでした。絵コンテにラフな絵を書いて、スキャナで読み込みます。そこにナレーションを手打ちしていくんです。
イラストレーターとペンタブで絵を再現し、それらをAfter Effectsの読み込みます。Storyboard と検索すれば、テンプレートがたくさん出てくるのでお好きなものをお選びください。
絵コンテ#2. ショット番号とスクリプト・シーン
2つ目は、ショット番号とナレーション・シーンを文章で記載するパターンです。これも僕たちが実際に書いた絵コンテです。クアラルンプールにある大きな家を借りて、妻と一緒にオンラインコースを作っていました。もう3年以上も前の話ですが、今でもそのコースは毎月のように売れ続けています。
さて、絵コンテと読んでいますが、絵がありません。パターンの1と違って、絵の代わりにどんなシーンを撮影するかを文章でメモしてあります。このパターンで絵コンテを作る場合は、他の編集者に追加の説明が必要になるでしょう。なぜならあなたの頭の中にビジュアルのアイディアはありますが、動画編集者の中にはないからです。
ディレクターのあなたと編集者の頭の差異を埋めるために、scene(シーン)の部分に詳細な記述が必要になります。もちろん編集者とのコミュニケーションを重ねれば重ねるほど、編集パターンが決まっていき、あなたと編集者の頭の中の差異は小さくなっていきます。
絵コンテ#3. スクリプトのみ
3つ目は、スクリプトのみのパターンです。このスクリプトのみのパターンは、凝った編集をしない場合、例えば最初にロゴを入れるだけとか、決まり切った撮影方法だったり、編集方法の時に使うと良いです。
あなたが見ているこの動画はスクリプトのみで構成されています。しかも編集者は僕ではありません。スクリプトのどのタイミングでモーショングラフィックスを挿入するかは予め決まっています。適宜挿入されるBロールなどは、全て編集者の方にお任せしてあります。
絵コンテ描くの面倒だと思いましたか?僕も最初は面倒だと思いました。でも動画広告のような短時間で効果的なメッセージを伝えるためには、だらだらしゃべったものよりも、絵コンテを描いて制作したものの方がはるかにいい結果を生みます。また絵コンテを描く過程で様々なアイディアも出てきます。
いきなり作り込んだ広告動画は必要ない理由
カメラに向かって淡々と講義をするだけの映像と、モーショングラフィックスやBロールを挿入した映像の違いは明らかだと思います。
さて、僕が言いたいのは、脚本の1秒1秒に超クリエイティブなビジュアルを全力でブレーンストーミングしろということではありません。
僕が言いたいのは、ビデオの面白さや人を引き付ける力は、ビジュアルによって大きく変わるということです。
では、あなたが動画を作るプロセスのどの段階にいるかを考えてみましょう。あなたは素晴らしい脚本を作ったばかりです。 視聴者が耳にするナレーションは、親しみやすく、説得力のあるものだとわかっています。
音声がそんなに魅力的なら、映像も同じように魅力的なものにするのが当然だと思いますか?そうではありません。
脚本のクオリティに合わせて、プロ並みのセットを用意し、俳優を何人も雇い、お金で買える最高のカメラを用意したいと思うかもしれません。
しかし、そんなことはしてはいけません。
その理由はこうです。
今は、ビデオに必要以上のリソースを投入する時期ではありません。 広告の収益性を証明せずにそんなことをすれば、後悔することになるでしょう。
あなたに思い出していただきたいことがある。
あなたは、ミニマムバイアブル広告を作っている。つまり、あなたはそれを生成するために最低限のものを超えて何かをするべきではありません。 派手なセットを借りたり、派手なカメラを買ったり、たくさんの俳優を雇ったりしてはいけません。 使える広告ができたら、本格的なビジュアル広告を作ればいいのです。
それまでは、シンプルであることが大切です。
ナレーションを一行ずつ見ていき対応するビジュアルを想定してみる
では、ミニマムバイアブル広告を作っている状況下で、どのように脚本のビジュアル部分に着手すればよいのでしょうか? ビジュアルのブレーンストーミングのプロセスは、それほど複雑ではありません。 まず、脚本のビジュアル・パスを何度か作りましょう。
これは、一行ずつ見ていき、修正するたびにビジュアルを追加・編集していく作業です。
整理すると、対応するビジュアルをナレーションの上に書くのが一番簡単だと思います。
そうすれば、ビジュアルを読んだ後、ナレーションの時に何を想像すればいいのかがはっきりします。
ビジュアルパスで何を書くかは、制作スタイルによって異なります。
それがVlogスタイルなのか、ドローイングなのか、直接カメラに向かっているのか、間接的にカメラに向かっているのか。
例えば、僕がYouTube広告マスタークラスを作った時のように直接カメラに向かって話す場合は、どの発話状況でどんなビジュアルを挿入するか一行一行見ていきます。
絵を描くスタイルであれば、一行一行、すべての状況を絵で説明します。
各行に何を描きたいのか? 文字とイラストのどちらを描きたいのか? ホワイトボードを消すのはどんなときか? どのようなスタイルであっても、そのスタイルを意識してビジュアルを書いてください。
しかし、実際にビジュアルのアイディアを書く前に、あなたには課題があります。
情報とエンターテインメントのバランスについて学んだ以前のレッスンを思い出してください。
これらの概念を再確認したら、ビジュアルパスを始める準備ができています。
まとめ:行き当たりばったりの動画広告を作らない
さて今日学んだことを復習しましょう。まずあなたはキモい動画を作らない決心をする必要があります。30代のおっさんが実家の子供部屋に寄生して、青白い顔をしながら動画制作をしているようではダメです。あなたはこれまで見てきた既存の動画よりも一段上のクオリティのものを作る覚悟はありますか?
次にやることは絵コンテのタイプを選ぶことです。三種類ありました。絵とスクリプト、ショット番号とスクリプト・シーン、スクリプトのみの3つです。最初は絵とスクリプトのパターンから始めることをお勧めします。もしあなたが撮影から編集まで1人でやるのであれば、ショット番号とスクリプト・シーンのパターンでもいいかもしれません。
最後に、絵コンテの中身を埋めていきます。ナレーションを一行ずつ確認し、このシーンにどんなビジュアルを挿入すると映像が魅力的になるかを考えてください。これらプロセスを経るだけで、動画のクオリティが格段にアップすることをお約束します。
一番ダメなのは、行き当たりばったりの動画広告を作ることです。思いつきで喋り、思いつきで編集する。一日中パソコンの前にいるせいで運動不足になり、たくさん脂肪のついた顔と二重顎を動画に収めることはまだ許容できます。もちろん演者は健康的で引き締まっていた方がいいに決まっています。僕の場合、太っている人の映像を見たらすぐに消します。
でも作り込まれていない動画はもっと見れません。同じことをダラダラと何度も繰り返し説明しているような動画は見るに値しません。仮にそれがミニマムバイアブル広告であったとしても、やっつけ仕事で作ったような動画では反応が出ません。しっかりと準備してから動画を作るようにしてください。
どうですか、思ったよりも動画広告は面倒くさそうですか?この面倒なフェーズを抜けると、あなたは自由自在にトラフィックを操ることができるようになります。頑張って絵コンテ作りましょう。それでは、また。