今回は、動画広告でソリューションと共に提示されることの多い、ベネフィットについて説明します。動画広告ではまず冒頭にフックで視聴者を惹きつけます。そして問題提起をして、それに対する解決策として自社商品をオファーします。ベネフィットはその解決策の魅力を強化する役割を持っています。
ベネフィットとは、そのサービスを使うことで、どんな風に人生が良くなるのか、視聴者の生活にどんな影響をもたらすのかということです。 視聴者に商品を購入してもらいたいのであれば、その商品を使うことで、彼らがどのようなメリットを得られるのかを具体的に伝えてください。
商品の概要はベネフィットではない
最初にベネフィットについてよくある誤解を紹介します。間違えやすいので、しっかりと押さえておいてください。それはソリューションとベネフィットの違いです。このソリューションをベネフィットと勘違いしないようにしてください。動画広告を「論理的なアプローチ」と「感情的なアプローチ」に分けた場合に、論理的な部分がソリューションで、感情的な部分がベネフィットにあたります。
ソリューションとは、その商品が何をするもので、どんな特徴があって、どんな効果をもたらすのか。といういわばスペックのようなものです。
ベネフィットとは、その商品が使った人の人生にどんな影響をもたらすか。ということになります。ソリューションから一段掘り下げて、その商品を使うことで具体的にあなたの生活や気持ちにどんな良い影響があるか。ということまで踏み込んであげる必要があります。
視聴者に「この商品が絶対に欲しい」と思ってもらえるような強い感情を持ってもらうためには、ベネフィットは視聴者に向けて感情的に伝えることが効果的です。
ベネフィットには感情でアプローチせよ
論理的なアプローチが効果的なのは、問題の解決策、製品の特徴、サービスの内容について語るときです。例えば、僕たちの会員制ビジネスに関するオンラインコースの広告では、3人の成功したサブスク運営者の例を出した後に、続けてこのように伝えています。
―「今から僕があなたにお伝えする会員制ビジネスの体系的なノウハウと、全く同じことを実行しました。彼らのやったことはシンプルに、優れたシステムとツールを使ったことでした。ClickFunnelsを使いランディングページを作成し、ClickFunnelsでウェビナーを行い、Stripeで月額課金の決済受けて、Teachableでビデオコンテンツは毎月配信する。」
―「僕はあなたに優れたシステムとツールの使い方を説明します。あなたの情熱や興味あるいは、ただ単に知っていることWhat You Knowを会員制ビジネスに変える方法をお教えします。」
これは単純に「僕らのコースでは会員制ビジネスを実現するためのツールの使い方を教えるし、あなたの知識を収益化する方法を教えますよ。」という事実を並べたアプローチになっています。これだけでポジティブな感情を持ってくれる視聴者もいると思いますが、より確実に購買意欲を刺激するためにもう一歩踏み込んだアプローチが欲しいところです。
この先で、ベネフィットを伝える時には感情的なアプローチを用いてください。 視聴者はその製品によって何を得られるのか、彼らの生活はどう変わるのか、なぜその機能が大事になるのか、このようなことを伝える場合は顧客の感情に訴えることが大事になります。
僕たちが作った、オンラインスクールの広告ではどんなことを言ってるでしょうか?ちょっと見てみましょう。
―「それでもサブスクって魅力的ですね。想像してみてください。あなたが面倒なプロモーションをかけなくても、多くの会員が次の月も次の月も、あなたにお金を払い続けてくれる状況を。」
―「想像してみてください。あなたは今まで以上に、顧客の結果にコミットできます。顧客もこれまで以上に結果を出しやすくなります。なぜなら、彼らをサブスクリプションのおかげで継続的に行動するからです。僕がこのビデオを作ったのは他でもない、あなたに知ってほしいからです。あなたは、普通の仕事のやり方を受け入れる必要はないということを。あなたは、普通の人生を受け入れなくてもいいって言うことを。」
視聴者の気持ちに寄り添い、共感を示すことで、サービスを利用するベネフィットを強調しています。
効果的にベネフィットを提示する広告例
月経ディスクと呼ばれる新たな形の生理用品を開発したFlexの広告では、多くのベネフィットがその利便性に集約されていました。
Flexの動画広告では「12時間持続する」「漏れない」「臭わない」などのソリューションとしての特徴が挙げられていますが、これらを掘り下げて「生理期間を安心して快適に過ごせる」という感情的なベネフィットを提示しています。
次はアルバム印刷サービスのChatbooksの動画広告です。Chatbooksは、スマホで写真を撮ると、その写真をまとめた冊子が送られてくるというアプリです。手軽で、便利で、その上時間の節約にもなります。
Chatbooksならあなたがスマホで撮った写真を、キレイなレイアウトに載せて、毎月たった$10でアルバムにして届けてくれます。しかも設定にかかる時間はわずか30秒だそうです。これがソリューションですが、そのベネフィットについては次のような表現で伝えています。
「私には子供が3人いて、毎日忙しく、写真を撮って印刷するヒマなんてありませんでした。でもChatbooksを使い始めて、思い出を手軽に残せるようになりました。子供の世話ばかりで忙しい日常があったとしても、うちの家族は最高です。子供がやることはバカバカしくて、イライラするけど、でもやっぱり愛おしい。そんな日常の瞬間をフォトブックとして残しておきたい、ずっとそう思ってきました。Chatbooksで、それがやっと実現できたんです。」
なんて素敵なベネフィットでしょう。僕は3児の子の父親として子育てをしていますが、最後のフレーズには確かにグッと来るものがあります。この広告はYouTubeで700万回以上再生されていることから、かなりの効果があったと言っていいでしょう。
まとめ:感情的アプローチでベネフィットを提示する
視聴者にあなたの商品の魅力を伝えるには、論理的な説明のソリューションだけでなく、感情的なアプローチから入るベネフィットを提示しましょう。まずはこの2つの違いを明確に理解してください。
そしてベネフィットを伝える際には、視聴者が商品を通して得たいと思っているような、深いレベルの感情を動かすように意識しましょう。
商品のベネフィットをうまく伝えるためには、商品が持つ機能つまりソリューションの紹介から始めて、徐々に「なぜこれを使うべきなのか」「これを買うことで、どのような影響を与えるのか」ということを具体的にイメージしてもらっても良いです。
論理的アプローチと感情的なアプローチの両方から、視聴者の購買意欲を刺激できるように広告スクリプトを書いてください。今回はここまでです。また次回のレクチャーでお会いしましょう。