今回は、カスタマーズ・ストーリー広告を扱います。カスタマーズ・ストーリー広告の中で、効果的な問題提起を作る方法についてお話しします。問題提起は、見込客の抱えている潜在的な問題を意識させる部分です。あなたの顧客が、どのような生活を送っていたかに焦点を当てて、質問をするのです。
広告で扱う最も一般的な問題提起は、不便さ、価格、幸福感の欠如、または何かに対する恐れです。そしてカスタマーズ・ストーリー広告では、実在の顧客から話を聞き、これら問題提起となる部分を語ってもらいます。彼らの経験や感情を引き出すことで、見込客に共感してもらえるのです。これに関しては「なぜメソッド」として、他のレクチャーで説明しています。参考にしてください。
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効果的な問題提起を引き出すための質問
カスタマーズ・ストーリー広告とは、顧客が商品について語る様子を切り取って作る広告のことです。 広告の性質上、顧客へのインタビュー映像の一部をそのまま動画広告に使います。そのためインタビュー時の質問のクオリティーが、動画広告の成否を決めます。
同じ境遇の人が抱えていた問題提起は、広告を見る見込客の心にも響きます。インタビューの中から、効果的な問題提起を拾うには次のような質問を使ってください。
「商品を使う前のあなたの生活はどのようなもので、どう感じていましたか?」
僕たちがこの質問をするのは、彼らに自分の過去をただ説明してもらうだけではなく、当時はどう感じていたのかを知りたいからです。
つまり、僕たちは彼らに感情を表現してもらいたいのです。そうしてもらうことでその感情が、広告を見ている見込客とのつながりを生み出すからです。見込客に共感してもらい、商品への信頼を寄せてもらう目的があります。
そのためには、あらかじめ顧客の感情部分を聞き出せるような質問を用意してください。ただ、用意していた質問だけでは十分な答えを得られない場合があります。その場合は、追加の質問を重ねることで、彼らがどう感じていたのかを引き出してください。
問題提起のための具体的な質問例
それでは、具体的にどのような質問を行えば良いのでしょうか。僕のコンサルティングサービスであるいしこん2.0で行ったインタビューを見てみましょう。いしこん2.0に参加してくださった中野琴子さんと小川康夫さんです。
例1:商品に出会う前の状況と心情について
僕らは、まず中野さんがいしこん2.0に参加する前にどんなことを感じていたのか、尋ねてみました。
「いしこん2.0に参加する前はどんな感じでしたか?」
ここで聞きたかったのは、商品を使う前の顧客の状況や感情です。この質問をすると、中野さんは次のように答えてくれました。
「私の知ってる範疇のネットビジネスでは、どうも収益を上げるのに行き詰まりを感じていました。」
いきなり核心を突くような言葉が出てきました。これはフックとして使いやすいです。もう少し具体的な部分を聞いてみましょう。彼女の話が続きます。
「私が初めて安定的に収入を得られたのがGoogle AdSenseだったんです。でも、それがどんどん厳しくなって、アルゴリズムもどんどん変わるので通用しなくなって来るなと感じました。そんな時に情報商材のアフィリエイトに切り替えました。そこから情報商材のアフィリも厳しくなってくるなと感じて、自分のコンテンツを販売したりし始めたんです。リストを増やすという努力をあまりしなかったということもあって、自分の小さなメルマガの中だけで売上を立てるということをしていました。」
とても具体的ですよね。Google AdSense、アルゴリズム、情報商材のアフィリエイト、メルマガなどのキーワードとなる言葉が沢山出てきました。 こういう具体的な話があればあるほど、顧客の話す言葉の説得力が強くなってきます。 そして視聴者自身が勝手に 中野さんの話を、自分たち自身に重ね合わせてくれるのです。
ここで、健康アドバイザーとしてセミナーをされていた小川康夫さんの例をお見せしましょう。康夫さんにも同じ質問をさせて頂きました。康夫さんは次のような答え方をしてくださいました。
「リアルセミナーはすごく人気でした。それが一番嬉しかったんです。でも将来を見据えた時にリアルセミナーってどうなのかなって思って。」
嬉しかったという感情をうまく拾うことが出来ました。そして、将来の不安というマイナス面の感情もしっかり語ってもらえました。こういった感情面の話は視聴者の共感を得ます。顧客が感じていたことを、彼らの言葉で沢山引き出してください。
「自分も年齢を重ねていくし、違ったかたちのものを模索していかないと、これで満足しているとまずいなと思ったのです。賞味期限ってずっとあるわけじゃないだろうって。」
すごく良いですね。1つの悩みだけじゃなく、複合的な悩みが混ざり合っているのがとてもリアルです。顧客の話をじっくり聞いて、こういった自然な言葉で語ってもらえると説得力が出てきます。
例2:当時抱えていた具体的な悩みを聞く
商品を購入してくれるお客さんには必ず悩みがあります。 その悩みの解消として、商品を購入してくれるからです。なので、その解消しようとしていた悩みについて顧客に聞いてあげましょう。
この時も漠然とした内容を聞くのではなく、 できるだけ具体的な悩みを掘り下げるように意識してください。内容が具体的であるほど、広告を視聴する見込客も感情移入することができます。僕らが用意した質問は、次のようなものでした。
「いしこん2.0参加前に悩んでいたことは何でしたか?」
これに対して、中野さんはこう答えてくれました。
「でも、これをずっとやっていくのかなと思っていました。アフィリエイト業界のサポートは良くも悪くも手厚いので、時間をすごく取られるです。これをこの先もずっとやっていくのにもう限界を感じていて、この後何をやったらいいんだろうという悩みを抱えていました。」
すごくリアルな声です。「こんなことずっとやっていくのだろうか?」という不安や、「限界を感じていたけど何をしたらいいのか?」という迷いです。こういった顧客の口から出てくる言葉には重みがありますね。僕ら広告を作る側の人間では出せないような、リアルな話し方です。
広告を見ている視聴者だって、色んな動画を見てきていますから目が肥えています。みんな作り込まれた動画にも疲れ切っています。だからこそ、このリアリティのあるカスタマーズ・ストーリー広告は有効に機能します。あなたが追求すべきは、顧客インタビューから湧き出るリアリティです。
この問いに、康夫さんは何と答えてくれたでしょうか?紹介します。
「全く違ったフィールドとか違った人にアクセスをして、例えばオンラインでセミナーを売るようにできたらすごく良いんじゃないのかなと思ってたんです。あるいはコンサルの生徒さんをオンラインで募集できたらいいなと思っていました。それをどういう風にやったらいいのかが自分の悩みでした。」
康夫さんも中野さんと同じ悩みを抱えていました。それは「次に何をしたらいいのか?」ということです。僕のコンサルには、同じような悩みを持った方が沢山来ます。彼らは「ビジネスモデルを整理してほしい」とか「次にやるべきことを教えて欲しい」と相談してくれます。
商品ごとに、顧客に共通する悩みが存在します。可能ならば、事前に複数人の顧客にリサーチをしましょう。彼らに共通する悩みをある程度特定できていれば、そこに誘導するように質問することも可能です。顧客インタビューでは、事前準備が大事になります。このように事前準備を十分に行ってから、インタビューに臨むようにしてください。
まとめ:感情と具体性で視聴者の共感を得る
顧客にインタビューするときは、具体的で詳細な答えが得られるような質問で誘導しましょう。そうすると、動画の中で効果的な問題提起をすることが出来ます。
顧客の経験や問題点が具体的であればあるほど、視聴者に親近感を持ってもらえるということを覚えておいてください。またそこに顧客の感情が乗っていると、より効果的です。もしも、漠然とした一般的な答えが返ってきても気にしないでください。そんなときは、「なぜメソッド」を使って、より具体的な回答を引き出してあげてください。
また、事前準備も忘れずに。あなたの商品と顧客に合わせた質問を作ってください。そして当日は、予想される答えをイメージしながらインタビューを進めてください。
さて顧客が人生で直面していた問題を明確にしたら、次は彼らが手にしたソリューションの話に移ってください。今回のレクチャーは、ここまでです。また次のレクチャーでお会いしましょう。