オランダの学校は宿題ゼロ。
ポルトガルの学校は宿題たっぷり。
オランダの学童は月に20万円。ポルトガルの学童は無料。
オランダは先生不足で学校が休みになり、ポルトガルはストライキで学校が休みになる。オランダの学校はクラスメイトの過半数が移民で、ポルトガルの学校は8割がポルトガル人。
オランダには巨大な習い事マーケットがあって、ポルトガルでは家計に余裕のある家庭は15時に送迎して習い事に連れていくのがステータス。
先日、オランダとポルトガルの学校の違いをショート動画にしたら、ありがたいことに大バズりしたんですが……正直、あの短い動画では語り尽くせなかった『教科書には載っていない移住子育てのリアル』が大量にあります。
オランダは『宿題ゼロで子供の幸福度世界一』と言われますが、裏を返せば、親のメンタルと財布が猛烈に試される国。逆に、のんびりしたイメージのあるポルトガルは、一歩踏み入れると超シビアな学歴社会。
今日は、実際に両方の国で4人の子供を現地校に通わせ、絶望し、そして自分たちの手で道を切り開いてきた我が家のリアルな体験談をすべてお話しします。移住エージェントや綺麗事のブログでは絶対に教えてくれない、海外子育ての「本当のコストと生存戦略」が分かるはずです。
オランダ編:理想の教育の手厚さと、月20万円のシビアな現実
まずオランダについて。僕たちがオランダに着いた時、歩いて行ける距離にある3つの小学校を訪問しました。驚いたのは、どこの学校も若い校長先生が自ら出てきて、熱心に案内してくれたことです。排他的な雰囲気は一切なくて、『ぜひうちに来てください!』というスタンス。ある学校の校長先生は、『今、オランダは国全体で“本当の教育を取り戻す”ための教育改革の真っ最中なんだ』と熱く語ってくれました。
日本の学校と違って、1クラスは20人以下。そこにメインの先生とアシスタントの先生が2人体制でつくという手厚さです。日本の40人学級とは全く違いました。広いグラウンドこそありませんが、様々な国籍の子供たちが混ざり合う、まさに多様性の塊のような環境です。だからこそ、最終的に2つの学校に断りの電話を入れた時、電話の向こうの校長先生たちが、本当に悲しそうな声をしていたのを今でも鮮明に覚えています。
ただ、そんな理想的なオランダ教育ですが、現実は非常にシビアです。先生不足で急に自習や休校になるのは日常茶飯事 。そして何より、学童(BSO)が席の争奪戦な上に、費用が月20万円レベルで爆高なんです。
これ、1人あたりの金額です。オランダの学童は概算で1時間10ユーロほどかかります。もし子供が2人いて、1日4時間預けたら1日80ユーロ。週3回預けるだけで週240ユーロ、1ヶ月でおよそ1,000ユーロ。日本円で20万円近くになります。
たまたま僕の周りの高収入の世帯、妻の従姉妹に当たる人物ですが、例えばお医者さんとユーロポールのエンジニアの共働き夫婦がいましたが、彼らはフルで夜7時まで学童に預けていました。そうなると、ほとんど子供と一緒にいる時間はありません。しかも収入が高いため、政府からの補助はほぼゼロだと言っていました。サーフィン仲間で獣医をやっているお母さんも同じです。彼女も共働きで所得が一定を超えると政府の補助がほとんどないと言っていました。オランダの理想の教育の裏には、こうした経済的なシビアさがあるんです。
ちなみに政府の補助は低所得者や移民難民には手厚く、例えば僕たちが住んでいたアパートの下の階には25年以上そこに住んでいるオランダ人男性がいましたが、彼は堂々と毎月550ユーロしか家賃を払っていないと言っていました。僕たちと間取りは全く同じで、さらに庭もついている。僕たちは3倍近い家賃を払っていたにも関わらず。
さて、オランダのBSOは高いという話に戻りましょう。
我が家はどうしていたかというと、車を持っていなかったので、放課後は自転車ですべての習い事を回していました。バレエ、ピアノ、ギター、柔道、スケボ、スキー、スノボ……そして、ガッツリヘッドギアをつけてスパーリングをするガチな『キックボクシング』。月曜日から金曜日まで、まるでテトリスをハメていくようにスケジュールを組み立てて、自転車でハシゴさせていました。子供たちは土日しか遊ぶ時間がなくて、僕たちが子供の頃に学校が終わってから勝手に川へ遊びに行っていたあの時代とは、全く違う放課後を過ごしていました。
その土日も、ほぼ毎週のようにあるお誕生日会。オランダでは誕生日パーティが盛んで、僕の感覚では土日は本当にこの誕生日パーティの送迎で1日が終わっていました。でも親として子供たちが仮装したり化粧したりして友達の誕生日に参加するのを見るのは、とても嬉しかったです。子供たちが学校でうまくやっていることを間接的に知ることができたからです。
ポルトガル編:メール20通無視から始まった、リアルな学歴社会とコネクション
そんなオランダからポルトガルに移住したわけですが、最初は手続きの絶望から始まりました。
移住前に、学校や役所に20通近くメールを送ったんですが、返ってきたのは私立校のたった1通だけ。他はすべて無視です。ただ、僕はビザ取得の段階で『ポルトガルではメールが返ってこないのが普通』だと知っていたので、心境としては『想定内。現地に着いてから足で突破しよう』と割り切っていました。
実際、最初は公立校がどこも満員で、上の子と下の子が全く別々の小学校に配属されてしまったんです。車のない我が家にとって、毎日の送迎は本当に地獄でした(※今は同じ学校に通えています)。
ポルトガルはのんびりした国に見えますが、学校に関しては超学歴主義。公立はストライキも多発するため 、家計に余裕がなくてもみんな無理をして私立に入れたがります 。そして、宿題ゼロのオランダとは真逆で、毎日ヘトヘトになるまで机に向かうほど宿題がめちゃくちゃ多い。
15時になると、教育熱心な家庭や余裕がある家庭の親たちが、仕事を抜けて車で一斉に学校へ迎えに来ます。そのまま子供を別の習い事へハシゴさせるのが一種のステータスになっていて、学校の周りは親たちの車で毎日大渋滞になります。
ちなみに、ポルトガルのお役所仕事を、僕たちはある方法で突破しました。ポルトガルでは、メールや電話で諦めるのではなく、現地に行って自分たちの足で確かめ、顔と名前を覚えてもらい、『コネクション』を作ることが何より重要です。
実際、妻は学校を管轄する役所(アグレパメント)の、大の日本好きの男性スタッフと仲良くなり、彼の直通の電話番号を持っています。何かあれば彼に直接電話して特別に案内してもらう。
先日も学校から貸してもらえるパソコンのケーブルが壊れてしまいました。ポルトガルではこういうことが起こると大抵は迷宮入りするのですが、妻はすぐに彼に電話を入れると、彼はこう言いました。「こっそりそのケーブルを持ってきて。新しいのに取り替えてあげる」と。
妻は日本で買ってきた「海苔」をこっそり賄賂として渡していました。笑
この泥臭い関係性を作れるかどうかで、ポルトガルでの生活のイージーモード度が全く変わってくるんです。
言葉の壁を無力化する「2年先取り」の教育ハック
そして、我が家がオランダ時代から一貫して行っている、最大の教育ハックがここにあります。
15時に学校が終わった後、車を持たない僕たちは大渋滞を横目に、オランダ時代から雇っている「ベビーシッター兼家庭教師」さんに子供たちを迎えに行ってもらっています。そのまま図書館やモール、カフェに直行し、18時まで学校の宿題や勉強をガッツリ見てもらっているんです 。
18時からはダンス、キックボクシング、柔術の習い事が始まるので、そこまで送り届けてもらう。そこで親である僕たちと合流し、今日学校どうだった?と短い会話を交わしながら、子供たちが練習している側で僕たちも一緒に筋トレしたり柔術したりしています。
海外の現地校に通う以上、子供たちにはどうしても言語的なビハインド(ハンディキャップ)があります。オランダ語でも、ポルトガル語でも。それをカバーするために、我が家では常に「算数・数学と、読み書きの部分は、学年より2年先をやる」ということを徹底的に意識しています。
宿題がない日や時間が余った時は、iPadのアプリ「カーンアカデミー」を使っています。カーンアカデミーは公文式みたいな感じ。世界のどこにいてもカリキュラムを持ち運べるので、住む場所が変わっても、家庭教師の先生がアメリカ人からドイツ人、ドイツ人からポルトガル人に変わってもカーンアカデミーに沿って学習をしていれば漏れなくダブりなく勉強を続けられます。
あらかじめ2年先の学習を終わらせておくと、学校の授業がすべて「復習」になるんです。たとえ先生が言っている言葉が100%分からなくても、黒板に書かれている算数の内容がすでに知っていることだから、授業についていけるし、学校にもスムーズに馴染むことができる。
多くの人は、子供が学校の勉強に「遅れてから」慌ててお金と時間を投資して取り戻そうとします。でも、それには膨大なコストがかかる。逆に、最初から「先に行く」分には、大してお金はかかりません。
僕なんかは30歳を過ぎてから格闘技に打ち込み始めた。20代の一番身体が元気な時に「ビジネスやっているのがかっこいい」と勘違いして、仕事ばっかりしていた。もし20代からしっかりと運動をしていたら、今はもっと身体的にも経済的にも成功していたと思うんです。
まあ僕の話はさておき。
今では、子供たちが学校の難しい宿題を持ち帰ってきても、iPadでパシャッと写真を撮って、Gemini(ジェミニ)やChatGPTなどのAIに読み込ませて、手伝ってもらいながらサクサクこなしています。これこそが、令和時代の海外移住子育てのリアルです。
まとめ:子供に無制限の習い事をやらせてあげるために
教育に独自の情熱があって、放課後は自転車とテトリスのようなスケジュールでガチのキックボクシングをやるけれど、学童が爆高なオランダ。
スタートの手続きはカオスだし宿題も多いけれど、泥臭いコネクションを作れば生活がどんどん楽になり、戦略的な投資で言葉の壁を越えられるポルトガル。
実際に両方を経験してみて、親としての本音を言えば、システムとしてはオランダが恋しくなる瞬間もありますが、今このポルトガルの環境で、自分たちの仕組みを作って生きる暮らしにすごく救われています。
教育に独自の情熱があって、放課後はガチのキックボクシングで鍛えられるけど、学童が爆高なオランダ。スタートの手続きはカオスだし、宿題もめちゃくちゃ多いけれど、私立の教育環境が充実しているポルトガル。
国ごとの違いは本当に様々ですが、親として僕が一番大切にしているのは、『子供たちがやりたいと言った習い事は、何でも無制限にやらせてあげる』ということです。
ただ、現実問題として、これだけの習い事を海外で自由にやらせてあげるには、どうしてもまとまったお金が必要になります。
じゃあ、我が家がどうやってその『お金と時間の問題』をクリアしたのか?
実は、ある3つの道具を使って、海外にいても自動的に収入が入る仕組みを作って解決しました。
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