今日は、お客さんに商品を販売する前に知っておくべき7つの前提条件をレクチャーします。これからあなたは商品を販売するための様々なセールスのマテリアルを作っていきます。ウェビナー、ステップメール、セールスレター、ライブストリーミング、決済ページ、オプトインページ。いずれも、最終的な目的は商品を販売することであり、すべてのセールスマテリアルは何かを売るために存在しています。今からお伝えする7つの前提条件を理解した上でこれらセールスマテリアルを作ると、より多くの商品が売れるようになります。前提条件を7つ紹介します。
- 前提条件#1. 人々は私のプロダクトについて何も知らない
- 前提条件#2. 1対1で友人と喋っているようにする
- 前提条件#3. 見込み客の人生を変える商品を販売する
- 前提条件#4. 見込み客のベネフィットに焦点を合わせる
- 前提条件#5. セールスは悪いものではない
- 前提条件#6. 人々は商品を購入する際に論理的にな理由で購入するわけではない
- 前提条件#7. セールスマテリアルを提示する際に大きな価値のある情報をシェアする
モジュール10にようこそ。さあ、今からこのコース最後の追い込みをしていきましょう。コースがゴールに近づくごとに、スプリットテストやビジネスの自動化、セールスページの作成、ビジネスの構築など、より高度なノウハウをカバーできるレッスンを受けられるので期待しておいてくださいね。
今回お届けするノウハウはこちら
商品を販売するためのマーケティングとステップメール
さて今回のモジュールでは、カバーするすべてのノウハウについてお話をしていくことになります。でも、その前にこれまで勉強してきたことを簡単にまとめていくことにしましょう。
顧客からの信用を獲得する4ステップを覚えているでしょうか。ステップ1. 問題の明確化、ステップ2. 権威性の提示、ステップ3. 商品の紹介、ステップ4. 緊急性の創出でしたね。Eメールマーケティングやコピーライティングがどのように関係しているのかについては、以前にも取り上げたことがありますよね。他にも高度なコピーライティングの黄金律や7つの心理トリガーについて取り上げました。これらはすべて、このモジュールのはじめの2つのレッスンでふたたび取り上げられることになります。
また2種類のプロダクトローンチとして、クローズドマーケティングとオープンマーケティングについて学びました。締め切りを設けて販売期間を限定するのがクローズドマーケティング。365日ずっとカートを開いておいていつでも買える状態にしておくのがオープンマーケティングでしたね。1万円以上の商品を売るのであれば、クローズドマーケティングを採用します。締め切りを設けることで緊急性が発生し、今買う理由ができるからです。逆にいうと締め切りを設けない限り、また今度でいっか、と購入を先延ばしされた結果、ずっと買われないことになります。
とはいえせっかく作った商品の販売期間を限定し、販売停止するのをもったいないと感じる人もいます。そこでオープンマーケティングとクローズドマーケティングの折衷案として、特典削除や割引率の変更などを利用して、暫定的な締め切りを設けるアイディアを紹介しました。Udemyを例に説明します。Udemyは365日いつでもオンラインコースを購入できるオープンマーケティングを採用しています。でも締め切りがないと売上は立ちませんから、ほぼ毎月のようにディスカウントセールスを行います。ここが味噌なんですが、Udemyの割引率は非常に大きいことで有名です。
元値が2万4000円のコースを期間限定で1200円で販売します。割引率は95%です。この機会を逃すまいとプロモーションが終了する前にみんな買います。これがオープンマーケティングを採用しながらもデッドライン効果を働かせる折衷案です。
Eメールマーケティングについても多くのことをお話ししました。ウェルカムシーケンス・Eメール・フレームワークは、5通のコンテンツメールで構成され、見込み客にコンテンツの販売を知らせます。ウェルカムシーケンスはお客さんとの信頼関係を築くために用意されたものであり、その後に送るローンチシーケンスは商品を販売するためのものです。
クローズドマーケティングとオープンマーケティングのどちらにも利用できるプロダクトローンチのEメールシーケンスは、見込み客にコンテンツを販売することを目的とした効果的なメールマーケティングのための7ステップでした。
お客さんにNOを言わせないイレジスティブルオファーを作る方法
このモジュールでは、どんなスタイルのコンテンツであっても資産を形成できる17ステップのユニバーサル・セールス・ストラクチャーについて学んでいきましょう。繰り返しますが、17のセールス・ストラクチャーは、販売ページであれ、セールスビデオであれ、その2つを組み合わせたものであれ、売れるセールスマテリアルの形成を実現してくれるものです。このモジュールを受講すれば、販売ページを作成するために必要なコンテンツをすべて作り終え、セールスファネルを完成させることができるはずです。
セールスマテリアルの語句を復習しておきまししょう。商品を販売するために、見込み客に提示するすべてのコンテンツです。マテリアルは、作品、素材、資料という訳語が当てられています。
また、プロダクトのホスティングについても説明していきましょう。このモジュールの最後にKajabiやClickFunnelsなどのホスティングサービスを用いて高度なビジネス戦略を展開する方法をお教えします。
このレッスンでは、実際にセールスマテリアルを考える前に押さえておくべきセールスにおける7つの前提条件を学んでいきましょう。
これらは、以前のモジュールでお話しした「高度なコピーライティングの黄金律」をベースにして構築されたものですが、ストロングポイントを構築するためにアレンジされています。それでは早速お話をしていきましょう。
セールス・コピーを作成する際には、絶対に達成するべき1つの大きな目標があります。それは「可能な限り最も説得力のある方法でコンテンツについてのセールストークをすることで、商品の販売をおこなう」ということです。もう1度言いましょう。あなたが作成するべきセールス・コピーは、できる限り説得力のある方法で顧客の購入につなげられるためのものであるべきだということです。そうすれば、より多くのコンテンツを売ることができ、より多くの収益をあげることができることは当然です。
セールスマテリアルが魅力的かどうかによって、コンテンツが売れるかどうかは決まります。だから、重要になってくるのはストロング・ポイントに説得力を持たせることです。説得力がなければコンテンツが売り物になることはありません。あなたがオファーをする際に、見込み客があなたのコンテンツを断られないほど魅力的なストロングポイントを提示することが理想的なのです。
セールスマテリアルを提示することで、見込み客に「すごい!これはありえないくらい素晴らしいコンテンツだ!これを買わないなんておかしい!」「買うのを我慢できない!」と思わせたいのです。説得力のあるメッセージを考えれば考えるほど、あなたのコンテンツはよく売れ、コンバージョン率も高まるでしょう。
イレジスティブルオファーという言葉を聞いたことはありますか?イレジスティブルとは、断れないという意味です。売れていない商品は、単刀直入にオファーが弱いのです。断れないようなオファーを作るのが僕たちマーケターの仕事です。断れないオファーなんて作れるのか?はい、作れます。
1万円ください。そしたら10万円あげます。
このオファーを断る人はいません。もちろん何か裏があると勘ぐることもできますが、その売買契約が確実に履行されるという前提であれば、断る理由はありません。ようは、見込み客が支払う金額よりも多くの価値をこちらが提供できれば、相手は断る理由もないので、最終的には成約という結果に繋がります。
僕たちのセールスマテリアルを魅力的にするとは即ちオファーを強力にするということと同じ意味なのです。セールスレターを魅力的にする、ステップメールを作り込む、ウェビナーのスクリプトを洗練させる。これらセールスマテリアルをより説得力のあるものへとすることで、あなたのオファーはより強いものへと変わります。
モジュール8では、最初の目標としてコンバージョン率を1%に設定したことを覚えているでしょうか。セールスマテリアルを考える際、セールスにおける7つの前提条件をしっかりと押さえておくことで、説得力があるオファーメッセージを作ることができるのです。できる限り深く見込み客と関係を構築してから、あなたのコンテンツについてのオファーを出すことができます。ユニバーサル・セールス・ストラクチャーについてのレッスンを学ぶときに、セールスにおける7つの前提条件を参照して、より理解を深めることができます。
それでは、セールスにおける7つの前提条件について詳しく見ていきましょう。
前提条件#1. 人々は私のプロダクトについて何も知らない
1つ目は「人々は私のプロダクトについて何も知らない」ということです。どんなプロダクトを売るときでも、この前提条件を押さえなければなりません。プロダクトについてゼロから100まですべてを説明する必要があります。セールスマテリアルを考える際には、プロダクトについてゼロからでも分かるような説明を意識して考えましょう。
検索エンジンを叩きGoogle広告に出稿されているランディングページを見てよく思うのですが、自己紹介すらないセールスレターがあまりにも多すぎます。見込み客は僕たちのことを全く知らないという前提でマテリアルを作るべきです。仮にステップメールを使って自己紹介をしていたとしても、です。僕たちは見込み客が全てのコンテンツを消費してくれると勘違いする傾向にあります。でも考えてみてください。
僕たち、忙しい現代人が、たった一人の人物やグループが提供するコンテンツを全て追い続けることなんて可能でしょうか?僕はアイリッシュバンドのSnow Patrolというグループが好きです。彼らが作った音楽であれば、何度も丁寧に聞き込みます。部屋を真っ暗にして、音源だけに集中できる環境を作ります。そんなSnow Patrolのリアルなファンの僕でも、彼ら発信する全ての情報を追い続けることはありません。スパイダーマン3のエンディング曲にSnow Patrolの楽曲が選ばれたことを、かなり後になって知りました。
あるいは僕はCasey Neistatの大ファンです。彼がYouTubeに投稿するビデオをほぼ毎日、みています。それでも子供が風邪を引けば病院に連れて行き、優先度の高い仕事を小川さんから振られた時は、数日、時には数週間、Caseyのコンテンツを見ない時もあるくらいです。現代人って忙しいのです。
いわんや、見込み客をや。どこの誰が、僕たちのセールスに関するマテリアルを、一字一句読んでくれるでしょうか。仮に僕たちの大ファンであったとしても、僕らが投稿するYouTubeの動画を全てチェックし、ステップメールを全て読み、セールスレターを印刷してマーカーを引きながら何度も読み込むことなんてありえるでしょうか。ウェビナーも最後まで視聴し、ライブストリームに全て出席する。ありえないです。
覚えておいてください。
見込み客は僕たちのコンテンツを断片的にしか見ていないのです。
もっとわかりやすく言えば、あなたのコンテンツを見ているすべての人が、あなたのバックグラウンドも、あなたのコンテンツも、一切何も知らないし、何の情報も入っていないと考えなければならないということです。誰もがまっさらな状態であなたのプロダクトに出会うことになります。
セールスマテリアルは、あなたのことやあなたのプロダクトについて知っている少数派の人々のために作るものではありません。そんな人は100人いるうちの1人いるかどうかくらいです。何も説明しなくてもすでにあなたのことを知っている人は、すでにあなたの心からのファンです。このようなファンは、あなたがどんなことを言おうとも、あなたがどんなプロダクトを売ろうとも、買ってくれます。セールスマテリアルは、そんなファンたちを説得するためのものではありません。彼らはすでにあなたのプロダクトに対して購買意欲を持っています。
だから、あなたがすべきなのは「あなたのことを知らない人」や「あなたのことを多分知っている人」を説得するということなのです。では、どうすれば購入の説得ができるのか。ゼロから100まですべて説得して、プロダクトの購入を検討してもらうということが必要です。彼らはあなたのことをほとんど知らないからです。難しそうですか?大丈夫です。僕たちが考えたユニバーサル・セールス・ストラクチャーにしたがえば、この前提条件をおさえることができますよ。
前提条件#2. 1対1で友人と喋っているようにする
2つ目の前提条件は「1対1で友人と喋っているようにする」ということです。セールスマテリアルを作成するときには、まさに友人と向かい合って会話をしているような雰囲気をかもし出しましょう。あなたのコンテンツで解決できる問題と同じことで悩んでいる友人を想定してください。
YouTuberのジョーブログがいい例です。「おっすジョーです。めちゃくちゃピンチ!ほんまこれ、冗談抜きでピンチで、、、」という語りかけです。まるで友達と話しているかのような感じ。聞いているこちらも、ジョー君に親しみを感じてしまうから不思議です。
彼らに対してどのようにあなたのソリューションを提示するのか、正確に書き出してください。学問的すぎたり、プロ意識が高すぎるような文章ではいけません。できるだけ、フランクに、軽い感じでアプローチしましょう。
セールスマテリアルを作成するときには、友達と会話をしている時のように、あなたの感情やアイディア、言葉をできるだけ素早く書き留めていきましょう。これは良い文章の流れに入るのにとても役立ちます。また、後から見直して手直しすることもできます。
もし文章を書き出すときに気分が乗らなければ、音声を録音してもいいでしょう。録音した音声ファイルは、rev.comのようなサービスを利用することによって、1分100円程度でテキスト化することもできます。それを文章書き出しのスタート地点にすることもできるでしょう。
前提条件#3. 見込み客の人生を変える商品を販売する
3つ目の前提条件は「見込み客の人生を変える商品を販売する」です。僕たちが販売しているのは人生を変えるための重要なものです。だから正直にならなければなりません。僕たちのコンテンツの適切なターゲットユーザーにとって、僕たちが売っているコンテンツは彼らの人生を変えるものなのです。それはあなたのコンテンツでも同じです。
だから、あなた自身やあなたのコンテンツを言い表すとき、臆病になったり、過小評価したりしないでください。自分のことを大事にしてください。自分の商品に自信を持ってください。前回のモジュールでお話した高度なコピーライティングの黄金律の5つ目に「説明するのではなく想像させる」ということを挙げました。あなたの商品を購入することで、お客さんの人生がどのように変わるのか、お客さんの未来がどのように変化するのか、詳細を上手に描写して見込み客がイメージしやすいように手助けしましょう。説明的な言葉を使ってはいけません。
特に初めてコピーライティングの技術を使う際には、できるだけ感情的な言葉を用いるようにしましょう。広辞苑のような辞書をパラパラとめくりながら、あなたの感情を説明できる最も効果的な単語を見つけましょう。
そして、コピーライティングの表現に迷いが生じた場合は、常に過小評価ではなく、過大評価の表現を選んでください。また、これも必要に応じてあとで編集し直すことができます。
前提条件#4. 見込み客のベネフィットに焦点を合わせる
前提条件#3ではコンテンツを「人生を変えるための重要なもの」と表現しました。その延長線上に前提条件#4があります。自分のコンテンツをより強力にオファーするために、自分の商品をより愛する必要があります。愛するという表現に違和感を覚えれば、こう言い換えてください。自分のコンテンツをより強力にオファーするために、自分の商品の魅力を深く理解してください。
何を売るかについて決めることはとても大事なことですが、自分のコンテンツをいかに魅力的に話せるかについて、その方法を熟知することも大事なことです。つまり、見込み客とつながることができるような言葉を使って、商品の重要性について説明する必要があるということです。
So What メソッド
そのために簡単なエクササイズがあります。僕はこのエクササイズのことを「So Whatメソッド」と呼んでいます。これはとても簡単な戦略です。あなたがセールスマテリアルを作るとき、このように自分に問いかけるのです。「だからなに?どうでもいいじゃないか」と。コンテンツの機能、利点、どんなものか。全てに対して「それがなんなの?」と問いかけてみるのです。
僕が大学1年生の時、提携校のネブラスカ州立大学に交換留学生として渡米するために、志望動機書をゼミの先生に見てもらいました。たかだか19歳の人間に説得力のある文章を書けるわけもなく、印刷された志望動機書にはたくさんの赤が入っていました。そこら中に赤色の文字で「So What」「So What」「So What」と書かれていて、正直、僕は落ち込みました。担当教授は、僕により深い思考を促しました。だから何?だから何?だから何?と質問を繰り返すことで、僕の中の奥底に溜まっている本当に気持ちや動機が炙り出されてきました。
同じことをあなたもやってください。
「なぜあなたの見込み客は、あなたのオンラインコースを気にかける必要があるのですか?」この問いかけに対して深く考えていくことによって、あなたは実際になにを販売しているのか、そしてそのオンラインコースが見込み客にとってどんなメリットがあるのかについて、より深く考えることができます。
このエクササイズは、自分が販売しているものが本当に重要であるのかどうかについて、その前提を考える練習として本当に役立ちます。もう1度言いましょう。あなたは、あなた自身に対する最高のチアリーダーになるべきです。So Whatメソッドは、僕たちが言うところの「3段階のメリット」にアプローチするための近道です。
3段階のメリット
3段階のメリットは、商品が見込み客に与える価値の重要度や重大度を3段階でランク付けするためのシステムです。これがコピーライティングのテクニックであることを強調します。商品の機能や見込み客に提供する機能を変えるものではないのです。
あなたがここでおこなうのは、商品がもたらすメリットを書く際に、1つ1つSo Whatメソッドで自分に問いかけることで、すべての事項を掘り下げ、ブラッシュアップするということです。このようにすれば、コンテンツのメリットについて紹介するときにより説得力を持たせることができるだけでなく、最終的により多くの収益を得ることができるのです。
利益を徹底的に追求するのであれば、見込み客があなたのコンテンツから得ることができることを、できるだけ具体的にする必要があります。それが「情報」のような形のない資産を、有形資産に変えることができる方法です。僕は今このMacBook Proを60万円で購入しました。文字通りの有形資産です。さわれますから。でもこのMacBook Proを購入する軍資金は、情報やサービスなどの無形資産を販売することで作りました。原価のかからない無形資産を有形資産に変えることなど容易なのです。
情報がどのように提供されるのかについて、できるだけ正確に示し、顧客のためにどんどん改善していきましょう。これを正しく行えば、コンバージョン率はどんどん高まっていくことは間違いありません。「So Whatメソッド」と3段階のメリットはとても相性が良いので、セットで用いることによってより強力な効果を発揮してくれます。
たとえば、あなたが自己防衛に関するオンラインコースを提供しているとしましょう。護身術のコース。そのオンラインコースは女性向けで、総合格闘技選手が12のレッスンを教えてくれるものです。この時点では、まだ3段階のメリットでいうところの「0段階目」です。なぜならベネフィットが書かれていないからです。
コースレッスンのビデオの数やインストラクターの紹介など、基本的なコンテンツの概要が書かれているだけの状態は0段階目だと考えてください。これを「0段階」と呼んでいるのは、見込み客の実際の生活に直結するメリットがまったくないからです。ただただ、あなたのオンラインコース の概要を記述しているだけ。レクチャーの数、講師の経歴、合計講義時間、値段、返金保証など。これらは全てベネフィットではありません。
では次に同じコンテンツについて「So Whatメソッド」を用いて考えてみましょう。もし12本のビデオコンテンツが含まれている自己防衛のオンラインコースがあったら?プロが教えてくれるなら?それのどこがいいの?と問いかけてみましょう。つまり12本のビデオコンテンツがあったとしても、そこからなにを得られるのか教えてくれないのなら価値にはならないのです。プロの総合格闘技選手からどんなことを教えてもらえるのかについても同様です。
一次利益:ダイレクト・ベネフィット
「So Whatメソッド」を使った際、ほとんどの人はまず一次利益を思いつきます。一次利益は、ダイレクト・ベネフィット(direct benefits)とも呼ばれています。ダイレクト・ベネフィットは、見込み客がコンテンツから得ることができるメリットに直結しています。
あなたの見込み客は、プロの総合格闘技選手からどんなことを教えてもらえますか?力を一点に集中させた攻撃をおこない、自分より2倍以上の大きさの敵をノックダウンできるパンチの技術を手に入れられるかもしれません。あなたの見込み客は、12本のビデオレッスンからどんなことを得られますか?体の大きさや力の強さに関係なく、誰もが脅威的な状況に立ち向かうことができる16種類の自己防衛の手段を手に入れられるかもしれません。
どちらもコンテンツの機能に関連するメリットの例です。インストラクターのこれまでの経歴は単なる概要に過ぎません。一方で、見込み客が得られる「自分より2倍以上の大きさの敵をノックダウンできるパンチの技術」はダイレクト・ベネフィットです。コースに含まれているビデオコンテンツの量やコース全体のボリュームなどは商品の概要に過ぎません。しかし、コースを通して見込み客が得るものや、問題を克服するのに必要なスキルは、ダイレクト・ベネフィットと言えるのです。これこそがセールスです。あなたやあなたの商品について語るのではなく、その商品からえられる見込み客のメリットを語るのです。
ほとんどの商品がこの点を履き違えています。商品がもたらすメリットの3段階のうち0段階目の情報が多すぎるため、ユーザーにダイレクトでそのメリットが伝わることはありません。もしあなたのコンテンツについて、最も重要なダイレクト・ベネフィットだけを取り上げることができれば、競合他社よりも優位なセールスをおこなうことができるはずです。
二次利益:エモーショナル・ベネフィット
3段階のメリットの効果はまだ終わりではありません。次に2段階目のメリットがあります。これはエモーショナル・ベネフィットと呼ばれるものです。この段階では、感情的な言葉を使うことによって、1段階目のダイレクト・ベネフィットがどのように感じられるようになるのかについてお話をしていきたいと思います。
先ほど僕が話していた自己防衛についてのオンラインコースを例にしましょう。このビデオコンテンツでは、16種類の自己防衛の手段について学ぶことができます。この手段によって、誰もが体の大きさや力の強さなどに関係なく、危険な状況に直面したときにそこから逃れることができます。
今回はそのメリットを実際に受け取れることが見込み客にどんな印象を与えるのか、という観点から「So Whatメソッド」を使って考えていきましょう。このような自己防衛の手段が実際に危険な状況から逃れるために役立つと分かったらどんな気持ちになるでしょうか。自分に力を与えてくれるような気がしますよね。自分の身を自分で守ることができる方法を知って、はじめて安全と自信を手に入れられるような気分になります。自己不信や無力感から抜け出すことができます。もう被害者になることはありません。
これは、見込み客にとって大きな影響力を持つコンテンツのメリットです。考えてみてください。もしあなたが常に周囲からの脅威を感じており、「自信を持ちたい」「安心感を持ちたい」「自己不信を克服したい」と考えているのであれば、そのコンテンツはとても魅力的なものでしょう。こんな気持ちをセールスマテリアルに込めることができれば、見込み客の中で、あなたの商品の価値は10倍以上になるでしょう。
感情的な言葉を使うことは、見込み客の心を満たすことができる最高に効果的な方法です。何度も言いますが、エモーショナル・ベネフィットを語るとき、あなたのコンテンツに関して誇張し過ぎた表現や嘘をついてはいけません。これは車や保険のセールスマンの販売トークではないのです。エモーショナル・ベネフィットに重点を置くことで、真実をより魅力的に語ることができるのです。この方法は、1つの商品機能とメリットをより深く、より有意義な形で構成することができるものです。
三次利益:トランスフォーマティブ・メリット
さて、ここまでで3段階のメリットのもっとも深いレベルにまで、セールスマテリアルを掘り下げる準備ができました。3段階目にはトランスフォーマティブ・ベネフィットがあります。「トランスフォーマティブ」には、変革という意味があります。
この段階では、ダイレクト・ベネフィットとエモーショナル・ベネフィットを組み合わせることによって、見込み客の将来につながるようなメリットを伝えましょう。コンテンツを通してより良いスキルやノウハウを身に付けることによって、見込み客の将来がどのように変革するのかイメージさせてあげましょう。当然ながらトランスフォーマティブ・ベネフィットは、あなたのコースで彼らに教えることに直接関係していることです。
しかも嬉しいことに、あなたはすでにトランスフォーマティブ・ベネフィットを用いる方法について知っているのです。モジュール9で「7つの心理トリガー」について学習しましたよね?このトリガーでは、コンテンツを使用した後の人生がどのように変革していくか見込み客にイメージしてもらうために、未来ベースの語りかけをするということをお話ししました。
3段階目のトランスフォーマティブ・ベネフィットを相手にしっかりと伝えるためには、コンテンツのメリットを未来ベースで語りかけてあげる必要があるのです。これはとても簡単なことです。次のように自分に問いかけてみてください。
- 「コンテンツの内容を身につけ、すべてのメリットを得たあなたの見込み客の将来はどんなものになるのか?」
- 「どのように人生が良くなっていくのか?」
- 「私が教えたことを生活のなかで実践することによって、見込み客の1日のシナリオはどんなものになるのか?」
このようなことを考えてみてください。そして何よりも次のことを自分に問いかけるのです。「私は彼らの人生をどのように変えたいと夢見ているだろうか?」と。未来ベースの語りかけを用いて、あなたのコンテンツのトランスフォーマティブ・ベネフィットについて話すとき、僕たちがドリーム・リールと呼んでいるものを活用しましょう。釣竿に取り付けて糸を巻き上げる道具をリールと言いますね。パチンコが好きな人はドラムの表面をイメージするかもしれません。ここでのリールは、映画のフィルムです。
ドリーム・リール
ドリーム・リールについて理解するために、まずはハイライト・リールについて考えてみてください。ハイライト・リールは、これまでの経験の中でもっとも関心を持たせることができる部分のみで作成されたビデオやオーディオクリップのことです。ハイライト・リールの内容は文字通り、すべて過去のことです。過去に起こったシーンを寄せ集めたのがハイライト・リールです。
一方でドリーム・リールはハイライト・リールと似ているのですが、内容がすべて未来のことであるという点で異なります。つまり、ドリーム・リールは、あなたが頭の中でイメージできる一連の想像だということになります。たとえば、次のようなものがドリーム・リールだと言えます。
あなたが自分の力だけで大金持ちになり、新品のフェラーリでドバイの砂漠の中にある道路をドライブしていること。もしくは、まだ送電網すら来ていない孤島に住んでいること。あるいは大勢の人が万雷の拍手を送る中でノーベル平和賞を受賞していること。15年後のクリスマスにあなたの大切な家族が全員健在で、あなたのお父さんのガンも治っていること。
ここまで大袈裟な未来を想像する現代人は少ないかもしれません。僕よりも年齢が上で、毎週のように自己啓発セミナーに参加している人は、こんな風な未来を描くかもしれませんが、ミニマリストな傾向にある僕の世代はもう少しユニークな世界を想像するかもしれません。僕はよく大学生の時にこんな未来を想像していました。
少人数のチームでビジネスを回したい。チームのメンバーはみんな優秀。小金持ちくらいでいい。プライバシーを毀損してまでビジネスはしたくない。働くのは土曜日の午前中だけ。残りの時間は、趣味と家族に使う。冬はコロラドのVailにこもりスキーとスノボをし、夏はハワイでサーフィンをする。3000万円で購入したロッテルダムの中古物件を借り住まいとする。運河のある風景を楽しみながら、毎朝7時に起きて妻とジョギングする。シャワーを浴びて、Brevilleのエスプレッソマシーンで淹れたてのコーヒーをリラックスして飲む。MoMAで少しずつ買い集めた、自分のフィーリングに合う数少ない家具や雑貨に囲まれている。さて今日は何をしようかと、テーブルについて考える。北欧独特の薄い日差しが入る窓に目をやり、ああこんな人生でよかった、こんな人生が欲しかったんだと思う。今週はサブスクリプション から収入が思いの外たくさん入ってきたので、少し贅沢するのもいいかもしれない。インターシティ・ブリュッセルを使って、ベルギーにでも
どんな未来であっても、ドリーム・リールはあなた自身が作るとても強いイメージです。それはまさに「心の窓」と言ってもいいでしょう。心の奥底にある絶対的な欲望をドリーム・リールが映し出すのです。僕たちがこの人生でもっとも望んでいるものを表現しましょう。
おそらくあなたにも、頻繁に頭の中に思い描いてしまう未来予想図があるのではないでしょうか。まさにこれがドリーム・リールと僕たちが呼んでいるものの正体です。基本に立ち返って考えてみましょう。ドリーム・リールとは、自分の夢や願望についての、とても範囲の広いビジョンだと言えます。しかし、人間という生き物はとても複雑かつ多面的な存在ですね。10人いれば10通りのドリーム・リールがあるでしょう。しかも、メインのドリーム・リールに、小さな目標やアイディアで構成されたサブのドリーム・リールを持っていることも多いです。
たとえば、自分の未来予想図について考えてみましょう。テレビで見たような超高層アパートに住んでいる人もいれば、モルディブのビーチに住んでいる人もいるでしょう。ほかにも美しく腹筋が割れた自分を想像する人もいるかもしれません。昔から大ファンだった有名人と結婚している人もいるかもしれませんね。普通は、このようにサブのドリーム・リールをたくさん持っている人が多いため、ドリーム・リールの数も無限大なのです。
それでは、あなたのコンテンツについて考えてみましょう。あなたの見込み客が持っている可能性があるサブのドリーム・リールはどんなものでしょうか?もちろんあなたのコンテンツに関連しているものである必要があります。コンテンツのメリットにもとづき、どんなドリーム・リールを作ることができますか?これはトランスフォーマティブ・ベネフィットを考えるときに活用したい観点ですね。
僕たちが話していた自己防衛に関するオンラインコースを思い出してみてください。最初の方でこんなことを話していましたよね。体の大きさや力の強さに関係なく、誰でも危険な状況に直面したときに、そこから逃れるための16種類の自己防衛の手法を学ぶことができると。自己防衛の方法を知ることによって、見込み客に力を与えることができます。自分の身を守る方法を知ってはじめて、安心感や自信を持つことができるのです。そして、自己不信や無力感から抜け出し、もう被害者になることはありません。
では、トランスフォーマティブ・ベネフィットについても「So Whatメソッド」を適用させて考えてみましょう。なぜ、見込み客は将来のために自己防衛の手段が必要だと感じるのでしょうか。また、自分の身を守ることに関連したサブのドリーム・リールとはいったいなんでしょうか。少し長くなりますが、ここについても例を付け加えてお話ししましょう。
ある夜、暗い路地を1人で歩いているところをイメージしてください。バーで友人と何杯かカクテルを飲んだばかりで、なんとなく誰かにつけられているような気がしています。人の気配がするところをなんとなく見てみると、フードをかぶった体の大きな男が近づいてくることがわかります。明らかにあなたのことを追ってきています。しかし、あなたは冷静なままです。
あなたはその場の状況をすぐさま認識し、その男が仕掛けてくるであろう攻撃に備えます。予想どおり、フードをかぶった体の大きな男は数秒後にあなたを捕らえようとしてきますが、すでにあなたは準備ができています。そして、男が攻撃をしてくる直前に自信満々な表情で振り返り、オンラインコースで習ったとおりに、その腕を捕まえて引っ張りました。
わずか数秒間の間に、あなたはフードをかぶった体の大きな男の腕を封じ込め、彼の首をチョークしました。男が怯んでいる間にその場から離れて、警察を呼ぶことができました。あなたは圧倒的な体格差のある男から襲われたものの、傷1つ負わずに済むことができました。しかし、それだけではありません。オンラインコースでもし自己防衛の方法を習わなかったら、加害者から肉体的・精神的・感情的な苦痛を受けていたでしょう。その3つの苦痛から自分を救い出すことができたのです。
あなたのことを襲った暴漢がもしナイフを持っていたら?もし懐から拳銃を取り出したら?もし、襲われたときに抵抗できず誘拐されたら?ありがたいことに、このような状況に直面することはありませんでした。自己防衛に方法について学んだあなたは自分のことを守ることができ、命を救うことができたのです。
ちなみにここで例に出したサブリールは、空手の稽古中に師範代から聞いたものです。僕は小学5年生の時から糸東流(しとうりゅう)に通い続けています。とはいえ僕は武道のプロフェッショナルではないので、ここまでのお話はあくまで例に過ぎませんし、自己防衛のオンラインコースについてはもっともっと良い例がほかにあるはずです。しかし一方でこれだけは分かってください。自分のコンテンツのメリットが見込み客の生活に大きな影響を与える状況を繰り返し伝えることが重要だということです。
1人で歩いて家に帰ること、外国で突然襲われて人質として捕われること、家に泥棒が侵入されること。すべては想定内の出来事です。自分自身を守る方法について学びたいと考えている人にとって、襲ってきた人を撃退し、自分や家族を守ることができるというのは、強力なドリーム・リールの1つだと言えるでしょう。
この観点からあなたのコンテンツのメリットについて話すことによって、あなたの見込み客に直接話し、彼らがどんな夢を実現することができるのかをイメージさせることができます。ただ、何度も言うように、あなたのコンテンツのメリットについて現実的ではない度が過ぎた誇張表現や、嘘をつくべきではないということは理解してください。それが優れたマーケティングと安っぽいマーケティングの違いです。
そのため、見込み客に対して正直かつ誠実に、そしてコンテンツの情報をできるだけ正しく説得力のある形で構成することをできるだけ意識する必要があります。このルールは、どんなオンラインコースにも通ずるものであり、例外はありません。どんなことを教えるのか、誰をターゲットにするのか、オンラインコースがどんなものであるのかは、正直かつ誠実に伝える必要があります。
ベビー・シャワーご存知ですか?出産前に赤ちゃんを愛情のシャワーで迎えてあげようとするとアメリカ発祥のパーティーのことです。ヘンリー王子と結婚したメーガンマークルのベビーシャワーに、テニスの女王セリーナウィリアムズが参加したことで話題になりました。ちなみにが僕がメーガンマークルを初めて見たのは、SUITS/スーツでした。レイチェル役を演じていましたね。世間の人はどう思うか知りませんが、僕個人的には非常にチャーミングな笑い方をする素敵な女性だなと。
さてさて。コンテンツのトピックに関する多種多様なドリーム・リールを常に意識しましょう。たとえばデコレーション・デザインについてのオンラインコースがあるとしましょう。このトピックから派生させてベビー・シャワーのイベントでデコレーションをDIYで作り、赤ちゃんが生まれたことに対する喜びと誇らしさを表現するというドリーム・リールを簡単に設定できますね。
イベントに参加している人がそっとあなたに近づき「あなたが作った装飾のデザイン、本当に素晴らしいわ」と声をかけてくれるところを想像してみてください。あなたはベビー・シャワーのデコレーションのおかげで、友達から「天才デザイナー」として慕われることでしょう。あなたのデコレーションの写真は、インスタグラムの投稿で有名になり、多くの人にシェアされるでしょう。
その投稿を見た多くの人はあなたのデコレーションに対する才能に驚き、感動します。その上、あなたが数百円から1万円以下でデコレーションを作った工程についてすべて伝えたとしたら、さらに爆発的にシェアが伸びていくでしょう。デコレーション・デザインに関するインラインコースを購入した人が、インスタグラムで超有名なクリエイティブ・デザイナーに変わっていく、そんなドリーム・リールを提示することもできるのです。
すべてのコンテンツに、意味のあるドリーム・リールが存在します。だから、あなたのコンテンツが見込み客にとってどのように見えるのかを深く考える必要があります。そして、正直かつ誠実に、そして嘘をつかず、自分のコンテンツとその重要性を、できる限り影響力のある前向きな見方でアピールすることに力を尽くしてください。これが見込み客とつながるための唯一の方法です。
前提条件#5. セールスは悪いものではない
5つ目の前提条件は「セールスは悪いものではない」ということです。自分自身の価値を過小評価して、自分が助けられる人を助けないことの方が悪いことです。もしあなたが病気にかかっているとしましょう。そして、その病気に効果的な治療法があるとします。
ある日、あなたは自然療法の販売ページにたどり着きます。しかし、難しい言葉ばかりで表現されているため、そのページのメッセージを一切、理解することができませんでした。そのため、あなたは申込ボタンをクリックしませんでした。その自然療法は本当にあなたの病気に効果的であったのに、言葉遣いが難しかっただけで購入に至らなかったのです。
自然療法を売り出している会社がより良い販売ページを作成し、その療法を必要としている人々、つまりその自然療法でしか病気が治せないような人々とつながることは悪いことでしょうか?いいえ、そんなことはないですよね。つまらない販売ページを作ることによって見込み客を遠ざけてしまうことこそ悪いことです。もし販売ページがもっと効果的で説得力のあるものだったら、多くの病気を持っている人々を救うことができたと想像してみてほしいのです。
自然療法といえばガンを治すための「奇跡のビタミン」のような怪しいサプリメントを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、そんなものではありません。これはまったくもって嘘の商品です。
実際に僕が体験したすばらしい自然療法についてお教えしましょう。正確には僕の友人が経験したことです。彼は創業メンバーの一人でした。数年前、彼は強い不安に襲われることが多くなりました。西麻布3丁目に事務所を構えて、1日中仕事をしていた時の話です。二部屋しかないのに、家賃は16万5000円。六本木ヒルズまで徒歩5分、まいばすけっとまで徒歩2分の立地でした。毎日、六本木ヒルズの49階にあるアカデミーヒルズに行き仕事をしていました。
仕事と私生活のストレスで、週に1度は発作による鼻血が出るほど、彼は強い緊張感をいつも持っていたのです。この現象は、医者に診てもらうまでの間、3ヶ月ほど続きました。アカデミーヒルズで気分が悪くなり、彼は外に出ました。タバコを吸っている時に、急激に気分が悪くなったそうです。彼は急いで家に帰り、顔面蒼白の状態でこう言いました。「救急車呼んで!」と。別の創業メンバーは、笑いを堪えながら「自分で救急車呼んでっていう人いなくないですか?」と答えたそうです。今では笑い話となっています。
僕は急いで事務所に戻りました。まだ救急車はきていない。横になっている彼を見て、確かに顔色は悪いはおそらく大丈夫だろうという確信みたいなものがありました。だから冗談で「救急車呼んだら、1回30万円くらいかかるらしいよ」と言うと、彼は「うそ?まじで?」と言いながら体を起こしました。急に体を動かしたせいで、彼はまたフラッとよろけたので、再度、床に横になりました。救急車が来て、呼吸を整えるツールをつけられて、様子を見ること30分。彼は回復しました。一応、彼に病院に行くことを勧めました。
医者に相談するとすぐに精神安定剤を処方されたそうです。別の医者にセカンドオピニオンを求めたところ、今度は抗うつ剤のSSRIを出されました。彼はそれらの薬について情報を集め、強い副作用があることがわかり、服用しないことに決めたのです。その代わり自分で、この強い不安に対処しようと決意したそうです。
当時僕らは、月間100万PVを集める、ブログメディアを運営していました。せっかくだから、彼に起こったことと、その経過をブログに残そうと思い、メンバー全員で色々と調べました。
健康的な食事や適度な運動など、強い不安に効果のありそうな習慣を生活の中に取り入れました。しかし、このような生活を続けてもまだ不安に襲われることが頻繁にあり、発作による鼻血が不規則に出ていたのです。
それから約1年後、彼は親友から瞑想について紹介されました。これがきっかけとなり、彼の人生に変革が起こったのです。毎日、瞑想をするようになってからは、不安に襲われることがなくなりました。よく眠れるようになり、発作による鼻血もなくなったのです。
彼はこう言う例えで説明してくれました。これまでは体に不健康な炭酸飲料ばかり飲んでいたようなものだとすると、瞑想を覚えてからの僕は健康的なグリーンスムージーを飲んでいるようなものだと感じました。それ以来、彼の人生は大きく変わり始めます。
しかし、一方でこんなことも考えていました。「もっと早くに瞑想のメリットを知っていればよかったのに」と。技術的な話で言えば、すでに瞑想については知っていたのです。なぜなら四人兄弟の末っ子の彼には姉がいて、その姉が瞑想を教えるトレーナーの仕事を指定からです。
しかし、瞑想のメリットについてはまったく知りませんでした。誰かがもっと早く僕に「騙されたと思ってやってみて」と言ってくれれば、実際にやっていたことでしょう。この不安に対処するために、1年間という期間を無駄にする必要はなかったのです。
幸いなことに、結果として瞑想に出会い、不安を克服することができました。しかし、もし彼の親友が瞑想について教えてくれなかったとすれば、未だに発作の鼻血に苦しめられていたことでしょう。最終的には副作用があるにもかかわらず抗うつ剤を飲み始めていたかもしれません。だから、見込み客にとって本当に価値があるものなら、セールスは悪ではなく、むしろ良いことなのです。
同じルールがあなたのコンテンツにも適用されます。あなたのコンテンツが病気を治すものではないとしても、見込み客の問題を解決するなど、本当にあなたの解決策を必要としている人に利益をもたらすことができるのです。その解決策が必要な人にとって、あなたのコンテンツは人生を変えるための重要なものなのです。
解決策が必要な人にあなたのコンテンツを売ることはまったくもって悪いことではありません。悪いこととは、あなた自身が自分のコンテンツを過小評価し、販売ページの価値を軽視し、あなたが解決できるはずの問題を抱えた人々がそのまま苦しみ続けることを見て見ぬ振りすることです。セールスは悪ではないということをセールスの前提条件として頭に入れておきましょう。
前提条件#6. 人々は商品を購入する際に論理的な理由で購入するわけではない
6つ目の前提条件は「人々は商品を購入する際に論理的な理由で購入するわけではない」ということです。見込み客としっかりつながるためには、彼らの非合理的な考えを完璧に理解しなければなりません。そういえば自己啓発書をたくさん出版している苫米地英人さんが「経済学は合理的経済人を前提としているけど、必ずしもすべての人が自己利益を合理的に追求しているわけじゃないでしょ」とニコ生で話していたのを思い出しました。
僕はいつも母親と意見が食い違います。僕には小学生になる前に小さな子供が二人います。母親は、孫ができた嬉しさのあまりたくさんの衣類を購入します。先日、16cmの男の子用の靴を西松屋で購入してきました。息子のジャストサイズは15cmでした。母親曰く「子供は早く成長するから、大きめの方がいい」と。
案の定、フィットしない靴を履いていたせいで、こけてアスファルトに転倒した息子。擦り傷ができて、大泣きしていました。果たして、子供は早く成長するからと言う理由で大きめの靴を購入した母親の行為は合理的だったのでしょうか?確かに、15cmと16cmの靴を2つ購入するよりかは、成長することを見越して16cmの靴を1つ購入する方が、支出は減ります。だけど、それが原因で怪我をして、病院に行った場合、医療費というコストがかかります。病院に行くまでの時間的コスト、泣いている子供を見る親の精神的負担、仮に怪我をしなかったとしてもジャストサイズの靴を履かないが故に居心地の悪い生活を送る息子の人生のクオリティなど、僕は諸々のことを勘案して、母親の行動原理が全く合理的でないと思うのです。
安物買いの銭失い、という表現がありますね。値段が安いものは品質が悪いので、修理や買い替えにお金がかかり、結局は高くつくことを言うことわざです。でも、僕は母親を見ていて思うのですが、同じような機能であれば安い方を買った方がいいと考える、その人のメンタリティが銭を失わせているのではないかと思うのです。失うものは銭だけではありません。心理的なコスト、時間的なコスト、も勘案せねばなりません。常に安い方を選ぼうとする人間は果たして、合理的なのでしょうか?僕はそうは思いません。もっともっと感情的に、しかも非合理的に行動していると思うのです。
おそらくコンテンツを売る際に直面する最大のハードルは、人々が購入の意思決定に際して、論理的に考えないということでしょう。わかりやすい例を示しましょう。
なぜChanelのハンドバッグに100万円もの大金を払う人がいるのでしょうか。論理的に考えると「品質が良くフランスで手作りされているから」だということもできますし、「時間経過とともにプレミア価値がつくような資産にもなるから」だと考えることもできます。しかし、結局のところChanelであってもなんであっても、それはただのハンドバッグなのです。ただのハンドバッグなので、フランスの加工場で手作りされるとしても高くて1万円から2万円程度の費用で作ることができるでしょう。
しかし、なぜ人々はChanelにとんでもない額のお金を払ってしまうのでしょうか。これを論理的に説明できますか?いいえ、できませんよね。少なくともChanelのハンドバッグを100万円で買うことに対して論理的に説明することはできないのです。でも、それがダメだと言っているわけではありません。理解してほしいのは、ほとんどの人々が非合理的な買い手であるということなのです。
僕たちは、購入するアイテムに対してどんな感情を覚えるのかにもとづいて買い物をしているのです。そしてChanelのバッグは、女性を最高に喜ばせるために作られたものです。高級感があり、すばらしいデザインで装飾され、リッチな雰囲気を醸し出しています。考えてみてください。Chanelはこうして、20世紀に完璧なイメージを作り上げてきたのです。Chanelというブランドイメージだけで、ただのハンドバッグが100万円に変わります。
彼らが提供しているドリーム・リールはなんでしょうか。それは「人生で最高のブランドアイテムを持っている裕福な人物」であるという姿ですよね。Chanelを取り巻く買い手の感情はまったくもって合理的でも論理的でもありません。もっと感情的なものです。だから、買い手の非合理的な感情を理解する必要があります。オンラインコースを論理的に販売しようとしても、まったくもって売れないのです。
この考え方は、あとで17ステップのユニバーサル・セールス・ストラクチャーについて考える際や、7つの心理トリガーについて復習してさらにいろいろなことを学ぶ際にとても重要なものとなります。
前提条件#7. セールスマテリアルを提示する際に大きな価値のある情報をシェアする
それでは7つ目の前提条件についてお話ししましょう。それは「セールスマテリアルを提示する際に大きな価値のある情報をシェアする」ということです。見込み客がコンテンツを買わないにしても、彼らには人生をより良くするための何かを学んでもらい、販売ページを立ち去ってほしいと思います。
海外では、リードマグネットや無料eBookなどをFreebie(フリービー)と呼びます。僕たちはこのフリービーの段階で、フルスイングする必要があるのです。フリービーを見て見込み客は、僕たちの専門性や実力を判断します。例えば、集客コンテンツとしてYouTubeにビデオをアップロードしているなら、そのビデオで自信なさげに声を震わせているようでは信頼を獲得できないということです。毎日ブログを書くのはいいけれど、書いたブログがちっとも検索エンジンに引っかからない。もちろん儲かっていない。
なのに、Udemyではアフィリエイトやブログ運営について偉そうに何かを語っている。SEOで集客できていない人間がSEOについて語るなんておかしな話です。TOEIC800点程度の人間が英語を教えるのは変だし、実家暮らしの子供部屋おじさんがウェブマーケティングを他人に教えるのは滑稽でしかありません。まずは自分の実績をなんとかしろよ、と見込み客は思っているのです。
初心者のためのウェブマーケティングを教える前に、まずは自分のサイトにアクセスを集めてそれをマネタイズしなさい。そして子供部屋から抜け出し、実家暮らしをやめて、一人暮らしをしなさい。いつまでも父親と母親に心配をかけるんじゃない。早く、独り立ちしてから、人様に何かを語れ。
いいですか。お客さんは馬鹿じゃないんです。あなたの、いちいちの細かい動作をしっかりと見ています。YouTubeに動画をアップロードしていますか?じゃあその動画のクオリティを上げてください。ブログを書いていますか?じゃあ検索結果にあなたのブログ記事をひっかけてください。eBookを作っていますか?じゃああなたが専門家であることを示すために価値のあるeBookを作ってください。
相互利益の法則に従うと、利益を得るためにはまず何かを与えなければなりません。つまり、顧客を獲得するためには、セールスマテリアルを提示する際に多くの価値を与えなければならないのです。価値のあるものをマネタイズ後にすべて詰め込むようなことはしないでください。マネタイズの前に、たくさんの価値を与えなきゃいけません。
例えば、僕たちはエバーグリーンローンチという手法を使って、商品のローンチ前に4本のビデオを提供します。興味のある人はOnline School Building 2.0にオプトインしてみてください。僕はこのビデオを撮影するためだけに8ヶ月も時間を費やしました。僕はこれらのビデオを提供することによって、多くの価値を見込み客に与えました。4本のビデオではサブスクリプション の重要性とそれを支える様々なコンセプトについて話をしています。
もちろんこれらのビデオコンテンツはだいたい3時間くらいなので、有料のオンラインコースに比べて情報量は少ないです。しかし、本当に価値のあるものでした。そのビデオコンテンツにはワークシートまで用意してあり、レッスンによって学んだことを生活の中で実践できるようにしていたのですから。
セールスマテリアルについて考えるときにも同様に、できるだけたくさんの価値を提供すべきです。価値のあるレッスンやコンセプト、アイディアを有料のコースの中から一部無料で提供することをためらわないでください。ここでの秘訣は、あなたのコンテンツが具体的にどんな価値を与えてくれるのかを考えることであり、無料部分が優れていれば優れているほど「有料部分はもっと優れているに違いない」と期待を高めてくれるのです。
たとえば先ほどお話ししたプリローンチのビデオコンテンツでは、今後、経済がどのように変化していくのか、そして近い将来、自動化と新技術によって多くの仕事がなくなるであろう事実について話しました。また、デジタルコンテンツを作ることでこれから起こりうる変化を活用し、単に生き残るというだけでなく、今以上に活躍していくことができるということについて、具体的な方法も含めて示したのです。その具体的な方法とは、サブスクリプション の導入であるということを明確に伝えました。
そこから僕たちは、見込み客が自分自身で作れるデジタルコンテンツのアイディアを考え出すために、彼ら自身の知識を「金鉱」としてシェアする方法を教えました。これはモジュール2で僕たちが深く掘り下げた内容を簡単にまとめたものです。
もし見込み客が僕たちの無料レッスンによってすばらしい商品アイディアを思いつくことができれば、彼らはさらに詳しく商品アイディアを販売にまでもっていくためのスキルやノウハウについて知りたいと思うでしょう。こうなれば彼らは、有料のコンテンツであっても、躊躇なく購入してくれるようになるのです。
彼らは無料コンテンツを通して、僕たちの有料オンラインコースにさらなる期待を持つことになりました。商品アイディアをローンチして運営するまでのレッスンを受けられる、信頼できるコンテンツであるということを理解しました。そして迷わず僕たちのオンラインコースを購入するのです。
僕たちは有料にしてもいいくらいのビデオコンテンツを無料で提供しましたが、それによってより多くの顧客を得ることができたのです。これはとても簡単な仕組みです。だから、あなたの販売ページは、それだけですでに価値のあるものでなければなりません。販売ページで見込み客に提供する無料コンテンツの価値が高ければ高いほど、顧客として獲得できる可能性が高くなっていきます。
セールスページだけではありません。ウェビナーでも、ビデオシリーズでも、ステップメールでも、ライブストリームでも、とにかくたくさんの価値を提供してください。
まとめ:7つの前提条件に従いセールスマテリアルを作る
セールスマテリアルを考える際、ここまで話してきたセールスにおける7つの前提条件を押さえてください。これらの条件をすべて理解してほしいのです。この前提条件はどんなコンテンツであろうと当てはまるものです。例外はありません。
次のレッスンでは、文字通り初心者のあなたがコピーライティングのプロフェッショナルになるまでのユニバーサル・セールス・ストラクチャーについてお話ししていきます。あなたは各ステップにしたがって、実践をしていくだけなので難しくありませんよ。