あなたはオンラインで情報発信をしている専門家、もしくは個人事業主で、次の集客コンテンツのネタに頭を悩ませているかもしれません。どのようなテーマで発信すれば見込み客の興味を引き、関係を築くことができるのか?ここではケーススタディやユーザー事例を使って集客コンテンツを作る方法をお伝えします。
コンテンツマーケティングでは、質と量のバランスが重要です。市場にいる見込み客が喜ぶ質の高いコンテンツを、継続的に出し続けることが重要です。そこで様々なテーマの型を知っておくことでネタ切れに悩むことも少なくなります。ここでは実際のユーザー事例を用いて、見込み客の心をつかむコンテンツ制作の秘訣を解説します。これによりあなたのコンテンツマーケティングを一段高いものに持っていくことが可能になるはずです。
ケーススタディは人気の高いコンテンツ
ケーススタディとは、企業や個人の成功や失敗の事例を詳細に分析するものです。実際に成功した事例を段階的に紹介することにより、見込み客や読者は、そのプロセスや成果を身近に感じることができます。これは彼らのモチベーションの向上に直結し、あなたの商品やサービスへの興味関心を集めやすくなります。またこれを紹介することであなたの商品やサービスが現実世界で本当に効果があると示すこともできます。
特に異なる背景を持つ人々の成功例を取り上げることで、幅広い読者に共感を呼び起こすことが可能です。例えば個人であれば、家庭と仕事を両立させながら成果を上げた人のストーリーがあり得るでしょう。こういうストーリーは同じ立場にある人々にとってすごく刺激になります。また特定の障害や困難を乗り越えた事例は、同じ問題に直面している人々にとって問題解決の道筋を示してくれます。
ケーススタディが良いのはリアリティがある点です。多くのコンテンツでは理論が先行します。例えば「エバーグリーンローンチ」というキーワードで検索しても、多くの記事がエバーグリーンローンチをやったことのない人によって書かれています。そのため「理論的には正しいけど実際どうやるの?」というコンテンツが多いんです。僕が読者なら本当にできるか分からないので、ちょっと信頼性の低いコンテンツとして見てしまいます。
ですがケーススタディの場合は実際に成功に導いた例からたくさんの示唆を紹介します。その過程で遭遇した障害や、それを克服するために取った具体的な行動、使用したリソースなどを詳細に描くことで、よりリアリティが増します。読者は紹介された事例と自分のことを重ねることができます。「この人たちができたのであれば自分にもできそう」というように、強い共感を引き出すこともできます。
コンテンツの作り手にとって、これは自社の商品やサービスを効果的に宣伝する絶好の機会です。一方の受け手にとっては、自分が直面している問題を解決するための具体的な手段や道筋を詳細に理解することができます。そのため、この種のコンテンツは、作り手と受け手の双方から高い人気を集めているコンテンツテーマなのです。
ケーススタディを使っているサイトを4つ紹介します
ではここで、このケーススタディを有効に活用しているサイトをいくつか紹介しましょう。たくさんのサイトがこのテーマでコンテンツを作っていますが、特にSaas系の企業がこぞって使っている傾向があります。企業の例だけではイメージが湧きにくい場合もあると思います。そのためもう少し小規模なチームの例もご紹介します。
事例1:TeachableのCreator Stories
Teachableはオンラインコースのホスティングプラットフォームです。英語圏ではかなりのシェアがあり、一流コンテンツホルダーの多くがこのサービスを使っています。かくいう僕もオンラインコースを作って販売しています。販売したコースの中身はTeachableでお客さんに提供しています。そんなTeachableもたくさんのケーススタディを「Creator Stories」と称したブログ記事で公開しています。
そこでは毎回1人のオンラインコースクリエイターに焦点を当てます。例えばプロの写真家としてオンラインコースを活用しているKayla Locke(ケイラ・ロック)。また水彩画アーティストのBirgit O’Connor(ビルギット・オコナー)がオンラインコースで他人に絵画を教えている事例も紹介されています。これらの事例の中では、オンラインコースを作ることになったきっかけや、乗り越えてきた障害などが書かれています。
参考:https://teachable.com/blog/news/creator-stories
事例2:Amy PorterfieldのStories of Transformation
個人のオンラインビジネスをサポートしているAmy Porterfieldも素晴らしいユーザー事例を記事にしています。Amy Porterfieldは、英語圏のオンラインビジネスにおけるトッププレイヤーです。ここでもAmyの顧客の事例として、オンラインビジネスを軌道に載せた人たちがたくさん紹介されています。
例えば55歳で突然解雇されたキャリア女性が、オンラインコースビジネスで復活したストーリーが書かれています。また4児の母親が子供の教育費をなんとかするためにガーデニングのコースで成功するまでのストーリーもあります。Amy自身が女性ということもあり、個人事業主の女性のコンテンツがとても多いです。もし気になれば見てみてください。
参考:https://www.amyporterfield.com/reviews/
事例3:Kintoneの導入事例
3つ目の事例は国内のものです。国内でもAdobeやZendesk、HubSpot、Shopifyなど大企業でもこのケーススタディの記事を出しています。ここで紹介するのはサイボウズが運営するグループウェアのKintone(キントーン)です。Kintoneは企業などのチームの生産性を高めるツールです。プロジェクトやタスク管理からCRM機能などもあります。
Kintoneのブログでも顧客の導入事例が紹介されています。例えばKintoneで納期の予測が正確になった創業100年の染物店の話。またアナログな紙での書類管理をデジタルに移行させ業務改善に至ったフィットネスジムの運営会社など。たくさんのチームのケーススタディを豊富に用意しています。
参考:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/
事例4:石崎力也
最後は僕の例も紹介させてください。僕はオンラインコースの制作販売やコンサルティングを仕事にしています。僕の商品やサービスを使って結果を出してくださったお客さんの事例をコンテンツにしています。
例えば、出版社を通さずに個人で電子書籍を出版した中野琴子さんのケース。これは中野さんにお願いしてZoomで対談を撮影させて頂きました。そしてその内容をメルマガ登録者限定のコンテンツとしてメールで配信しました。
またセールスファネルを導入したことで売上が増加した杉田健吾さんのケース。この場合も杉田さんに対談を依頼し、Zoomで収録をさせて頂きました。その様子をPodcastで配信しました。また音声の書き起こしをまとめてテキスト版を作りました。そしてテキスト版はnoteの記事として公開しました。このように複数のフォーマットで出すことでコンテンツの量を何倍にも増やすことが可能になります。
参考:https://note.com/rikiyaishizaki/n/ndb98152a5f51
ケーススタディ・コンテンツの作り方
さて、ではここでケーススタディ型のコンテンツの作り方を紹介します。このコンテンツでは、まず自社の商品やサービスを実際に使用しているユーザーにヒアリングを行います。このステップは、実際の使用例や顧客の体験を深く理解するために不可欠です。質問は具体的に、顧客のニーズや彼らが遭遇した問題、そして製品やサービスがどのように役立ったかに焦点を当ててください。あらかじめ聞きたいことのリストを用意しておくと抜けの無いヒアリングがしやすいです。
次にヒアリングで得られた内容をいくつかのグループに分けていきます。例えば「これは課題に取り組む前の彼らの置かれた状況の話だな」とか。「これは途中で遭遇した障壁の話だな」という具合です。ケーススタディのコンテンツでは、事例をなるべく段階的に説明することが重要です。そうすることで、見込み客が実際に同じことをやるときのイメージが鮮明になるからです。そのためヒアリング内容を、いくつかの段階に分けていくことをオススメします。
最終的には、このケーススタディを通じて見込み客が実行しやすくなるように内容をまとめます。その際にユーザーのたどった道のりを1つずつ段階的に示すことの他にもう1つ意識して欲しいことがあります。それは具体的な固有名詞や数値を使うことです。例えば毎日何時間くらい時間を使っていたのか?最初に持っていた顧客リストは何人か?参考にした本や教材は何か?具体的にどんな道具を使ったのか?というものです。
このような具体的な内容を盛り込むことで、さらにイメージが湧きやすくなります。見込み客は自身の状況に当てはめやすくなるので、このケーススタディのコンテンツの価値が高まります。ケーススタディのコンテンツは記事だけでなく、動画、音声、画像など様々なフォーマットでも使うことができることも忘れないでください。
ケーススタディでは自分のケースを紹介しても良い
ここまでケーススタディ型のコンテンツの作り方を紹介しました。ですが、もしヒアリングを行う相手が見つからない場合はどうしたら良いでしょうか?特にビジネス初期のフェーズではそういったことが十分にありえます。その場合は自分自身の経験や過去のケースを紹介するのも一つの方法です。自分がこれまで直面した問題やその解決策、また得られた成果など、自分のストーリーを語るのも有効な手段です。
自分自身のケーススタディを紹介する際には、さきほど説明したようにその道のりを段階的に示すことが大切です。また具体例を交えながらどのようにして問題に取り組み、何を学んだのかを細かく説明しましょう。自分自身の経験を用いることで、より詳細で具体的な内容を盛り込むことが可能になります。これにより読者はケーススタディから実際に役立つ知識や戦略を学びやすくなるはずです。
この自分自身の事例を紹介するアプローチは、単に情報を伝える以上の価値を持ちます。自分自身のストーリーを共有することで読者とのエンゲージメントを深めることができます。また、自分の体験を率直に話すことで、読者との間に信頼感を築くことができます。あなたが経験した困難や成功は、読者にとってとても参考になります。彼らが同じ問題に直面した際の道しるべになるはずです。このように自身のケーススタディを紹介するコンテンツも、読者との強い絆を作り上げる貴重なコンテンツになり得ます。
まとめ:ケーススタディを通じて成功のイメージを想起させる
ここまで、実際の事例を紹介するケーススタディ型の集客コンテンツについて解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- ケーススタディ型のコンテンツとは、企業や個人の成功や失敗の事例を詳細に分析したものである。
- 実際に他人が経験した例を紹介することで、読者はリアリティを持ってコンテンツに触れることができる。
- コンテンツの発信側から見れば、自分たちの商品やサービスの効果を実例で示す絶好の機会となる。
- コンテンツの受け手から見れば、自分が直面している問題への具体的な解決策や道筋を知ることができる。
- ケーススタディ型のコンテンツを作る際には、物事の流れを1つずつ段階ごとに解説すること、そして具体的な数値や固有名詞を紹介することが重要となる。