あなたはネットでコンテンツビジネスをしている個人事業主で、メルマガやSNS発信のネタに困っているかもしれません。僕はこれまでブログ、YouTube、Podcast、Kindleなど多くのメディアでコンテンツマーケティングを行ってきました。ここでは、見込み客から反応が得られるコンテンツのネタを1つご紹介します。
コンテンツマーケティングをするにあたって、発信のネタが無いというのはかなりストレスです。なぜならコンテンツビジネスでオーガニック集客をしている人にとっては、コンテンツをたくさん出すことが重要だからです。仮にコンテンツが出せたとしても、反応の得られないコンテンツだと困ります。そこでメルマガで返信をもらったり、オーディエンスのエンゲージメントを上げたりできる強力なコンテンツを紹介します。コツはオーディエンスに問いかけを行うことです。
「あなたを突き動かす理由は何か?」と問いかける
あなたはブログやYouTubeなどの集客コンテンツを通して、自分の商品やプログラムで教えていることに興味を持ってもらいたいと考えているはずです。集客コンテンツというと、普通は発信者側から一方的に語りかけるような内容になります。そこで少し変化球的な要素を取り入れて、見込み客に対して質問をするコンテンツを作ってみましょう。
何を質問するのかというと「あなたがこの目標や結果を達成したいと思う最大の理由は何か?」というものです。このテーマが素晴らしいのは、ただ単に質問形式になっているからではありません。確かに質問形式にすることで、見込み客が自分自身に問いかけるのでそれについて考える時間が増えます。ですが、この質問の本質は人の感情を動かすことにあります。
このテーマは英語圏でBig Whyと呼ばれ、とても重宝されています。Big Whyとは、細々とした理由ではなく根幹をなすようなメインとなる大きな理由という意味です。Whyよりも深いところにあるという意味でBig Whyと呼ばれます。英語圏のオンラインコースビジネスを10年以上ウォッチしていますが、このテーマはメルマガ、ウェビナー、ライブストリームなどで本当によく使われています。それだけ効果のあるコンテンツだということがうかがい知れます。
見込み客の理想とする姿をあぶり出すことができる
「あなたがこの目標や結果を達成したいと思う最大の理由は何か?」この質問をすることで、見込み客は自分自身が求めるものについて一度立ち止まって深く考えてくれます。自分の置かれている今の状況を考え、そこからどんな姿が理想なのか?ということを自動的に考えてくれるのです。
例えばあなたが健康について教えているアドバイザーだとしましょう。そして「あなたはなぜ健康になるための習慣を学びたいのですか?」という内容のメルマガを送ったとします。メルマガの購読者はどんなことを考えるでしょうか?表面的な理由だけでなく、その背後にある深い理由にまで思いを巡らす人もいるかもしれません。表面的には「体型を気にせず服を着られるようになりたい」という理由を考えつくかもしれません。
ですが、もっと心の深いところにある真相的な理由(Big Why)もあぶり出すことができます。そこには「元カレに振られた傷を克服したい」とか「自分の子供のお手本となるような健康的な姿でいたい」というものもあるかもしれません。もし「なぜ料理を学びたいのですか?」と質問されたらどうでしょうか?「たまに美味しい食事を作って家族や友達を感動させたい」と表面的な理由を考えるかもしれません。
または「おばあちゃんの料理の味が好きで、料理を上達させてその味を後世に引き継ぎたい」という深い理由を考えるかもしれません。このように見込み客が達成したい理由を考えるときには、そこに感情が乗ってきます。理由を聞くことで見込み客を感情的にすることができます。この感情的にすることこそが、あなたと見込み客とのつながりを深める1つのファクターになります。
見込み客は質問されることで、あらためて自分自身について考えることになります。そうなると、自分がこれを達成すべき理由を自分自身で考えてくれるようになります。こちらから理由を与えなくても、見込み客が自分で達成すべき理由を考えてくれるのです。これは心理学で自己説得効果と呼ばれ、セールスの現場などでも広く応用されています。この質問ではその自己説得効果を得ることができるのです。
コンテンツの中であなた自身の理由も伝える
まったく無の部分から「達成したいと思う最大の理由は何か?」という質問をしても、いきなり答えられる人はあまり多くありません。またそれはとても個人的な質問です。そのため、ある程度心を開いた相手からの問いかけでないと十分な効果を発揮できない場合があります。そこで発信者であるあなた自身の「最大の理由」も一緒に語りましょう。
あなたが今やっていることを始めたとき、なぜそれが重要だったのか?ということを話すのです。どんなことを考えて日々を送っていたのか?そしてどんな想いでここまでやってきたのか?というストーリーを話します。少し僕の例を出してみましょう。
僕は石川県金沢市で生まれ育ちました。北陸というのはすごく閉鎖的な土地です。僕は長男なので、母親からは石川県から出たらダメだと言われて育ちました。ばあちゃんからは、石川県庁に勤めなさいと言われていました。仮に学校でいじめを受けても逃げる場所はどこにもないと思えるような雰囲気がありました。僕はそれが嫌でした。自分の住んでいるところが世界のすべてだという発想を誰もが持っている気がしました。僕にはそれが生理的に受け付けられませんでした。
なので、高校を出るとすぐに石川県を出ました。奨学金で行ける大学を探して北海道の私立大学に入りました。奨学金がもらえる留学試験で成績トップで通過。ネブラスカ州立大学とシドニー工科大学それぞれに留学する経験を得ることができました。石川県から海外にまで出て、僕はようやく自分自身が持っていた常識を少しずつ外すことができるようになりました。
そして場所や時間に縛られずに自由に大好きな旅行がしたい。それをやっても良いんだと思えるようになりました。もっと具体的に言えば、家族と一緒に世界中を旅する。夏は物価の低いフィリピンやマレーシアでトロピカルフルーツを頬張る。冬になったらカナダのウィスラーでスキーをする。
早起きしてお気に入りのコーヒーを生豆からローストして時間を忘れて一日をスタートする。自分の制約する人々やしがらみ、さらにはそういった思考そのものからも自由でいたいと思っていました。それを叶える方法として当時英語圏で流行っていたコンテンツビジネスをスタートさせました。
これが実際に僕がオンラインコースビジネスを今でも続けている最大の理由です。このようにあなたの理由を開示することで、2つの効果を期待することができます。1つは見込み客が自分の理由を考える際の例として機能します。どんな風に理由を考えたり未来を想像したら良いのか?という指針を与えることができる点です。
見込み客との深いつながりを形成することができる
もう1つは発信者であるあなた自身に興味を持ってもらうことができる点です。人はストーリーが大好きです。そしてそのBeforeとAfterの差が激しいほど、興味を持ってもらえます。過去の悩みや苦しみといったあなたの弱い部分を見せることで、あなたに感情移入し共感してもらうことができます。よくYouTuberが「今まで言っていなかった黒歴史を話します」という動画を出すと注目が集まるのと同じです。
家族、健康問題、劣等感などあなたの理由は何でも良いのです。個人的な体験をシェアすることが一番重要な要素です。あなたという存在を遠くにいる人ではなく、もっと身近に感じてもらうことができるのです。そうすると見込み客との間に深いつながりが生まれます。この人が好きだとか、この人に着いていきたいと思ってもらえる確率が高まるのです。
見込み客があなたに心を開いてくれると言い換えても良いでしょう。心を開いてくれれば、あなたのコンテンツをただ流し読みするだけでなく真剣に読んでくれるようになります。またあなたが「これを達成したい最大の理由を教えてください」と言った場合に、しっかり考えてくれるはずです。このようにあなた自身のストーリーと、Big Whyを語ることで見込み客と深いつながりを作ることが可能になります。
コンテンツを作成する上での具体的なフォーマット
見込み客の理由を聞くコンテンツのメリットを理解してもらえたと思います。では実際にこのコンテンツをどのように作ったらいいのでしょうか?具体的には次の項目を順番通りにコンテンツに盛り込んでください。この順番でコンテンツを作成すれば、発信者自身のストーリーから違和感なく見込み客への質問に移行することができます。
- あなたが今やっていることを始めた表面的な理由を語る
- 理由を一段深く掘り下げる
- 見込み客の理由は何か?と尋ねる
- 見込み客の理想の状態は何か?と尋ねる
- 本当の理由は何か?と深い理由を尋ねる
- メールの返信やコメントを促す
まとめ:見込み客にやるべき理由を尋ねて自分で考えてもらう
ここまで、見込み客にやる理由を尋ねる集客コンテンツについて解説してきました。最後に5つの要点をまとめました。
- 「あなたがこの目標や結果を達成したいと思う最大の理由は何か?」というコンテンツは、見込み客の感情を動かす優秀なコンテンツである。
- 見込み客に理由を尋ねることで表面的な理由だけでなく、普段見込み客の意識にのぼってこないような深い理由をあぶり出すことができる。
- 見込み客自身にやるべき理由を考えさせることで、自分で自分のことを説得させる自己説得という効果を狙うことができる。
- 個人的な体験とともに発信者自身の理由も公開することで、見込み客との感情的な深いつながりを作ることができる。
- 見込み客と深いつながりを作ることができれば、あなたへの好感度がアップし返信やコメントなど見込み客の反応が良くなる。